ウラトン・ワゴンウェイ (Wollaton

ウラトン・ワゴンウェイ (Wollaton Wagonway, 当時は Waggonway とつづる) は 1603 年の 10 月から 1604 年にかけてイングランドのイースト・ミッドランズで建設され、ハンティンドン・ボーモント (Huntingdon Beaumont) がサー・パーシバル・ウィロビー (Sir Percival Willoughby) と協力の下で作った世界で最初の地上のワゴンウェイと一般にみなされ、従って、レールウェイ発展の重要なステップとみなされている。しかしながら、「世界で最初のワゴンウェイ」ということに関しては、疑問視され、シュロップシャーのブローズリー (Broseley) の方が古いと示唆されている。もっとも、これが文献に登場するのはより後のことである。

訳注

ウラトン・ホールは大規模な修復を終え、現在は「ノッチンガム自然史博物館」(Nottingham Natural History Museum) となり、外部の建物には「ノッチンガム産業博物館」(Nottingham Industrial Museum) が付属している。上の画像は 1880 年の時のもの (絵画 ?)。次が 2010 年 11 月の写真。

Google map：ウラトン・ホール

ワゴンウェイはレールウェイの最も最初の形式である。現代の歴史家には、これが進化したものか発明されたものか関してははっきりしていないが、 1603 年の 8 月と 1604 年の 10 月の間に、ワゴンウェイがノッティンガム (Nottingham) の近くで建設されたことは知られている。これはストレリー (Strelly) からウラトン (Wollaton) までのおよそ 2 マイル (3 km) を走り、石炭輸送の助けとなった。軌道のゲージは 4 フィート 6 インチ (1,372 mm) であった。それ以前に実例が建設されているかもしれないが、ウラトン・ワゴンウェイは記録に残る中では世界中のどの場所よりも古いワゴンウェイであり、そのため最も古いものであると信じられた。これはハンティンドン・ボーモントによって建設され、彼は、地元の地主であるウラトン・ホール (Wollaton Hall) のサー・パーシバル・ウィロビーの協力者であった。

通路に沿って、今やレールが敷かれ、馬車のようなものが今やその目的のために使用されている。

この文章は、1604 年の 10 月 1 日の日付が記されたサー・パーシバル・ウィロビーとハンティンドン・ボーモントの同意書からの抜粋である。サー・パーシバル・ウィロビーはウラトン荘園の領主で、ハンティンドン・ボーモントはストレリー石炭ピット (ピット=立て坑) の賃貸人であった。彼らはストレリー炭鉱で対等な共同出資者 (partner) として仕事をした。

比較的わずかのことしか、このワゴンウェイに関して知られていない。建設費が £172 (2014 年では £34,387) で、ワゴンウェイはウラトン・レーンの終端でおしまいになっており、ここから、大半の石炭がトレント・ブリッジ (Trent Bridge) まで道路で輸送され、次にハシケでトレント川を下流に向かった。ワゴンあるいは馬車は木製レールの上で馬で曳かれた。ストレリー炭坑はおよそ 1630 年まで操業したのみで、この時までに簡単に手に入れることができる石炭がすべて採掘されたのであろう。ワゴンウェイは恐らく見捨てられたと思われる。

ウラトン・ワゴンウェイの成功により、ハンティンドン・ボーモントはノーサンバーランド (Nothumberland) のブライス (Blyth) の近くの彼の他の賃貸鉱山でもワゴンウェイを建設した。連続したレールウェイ (鉄道) の発展は、ウラトン・ワゴンウェイにさかのぼることができるのである。

訳注

ブライスはブライス川の河口にあり、ニューキャッスル・アポン・タインの北 20 km ぐらいのところにある。
鉄道輸送の歴史の初期のワゴンウェイに「線路が最も多くあったのがニューキャッスル・アポン・タイン」であるとしているので、これはハンティンドン・ボーモントによって広まったのかもしれません。いずれにせよ、彼は初期のワゴンウェイを作った。