ディーン橋 (Dean Bridge)

ディーン橋はエディンバラ市のウォーター・オブ・リース (川の名、Water of Leith) にかかり、フォース湾のクィーンズフェリーに至る A90 道路にある。橋の上には 447 フィート (136 m) の長さで、39 フィート (12 m) の幅の道路があり、 4 基のアーチで支えられ、川より 106 フィート (32 m) 上にある。橋は橋のデザイナーであるトーマス・テルフォードが引退前にした最後の重要な仕事で、 1831 年に完成した。この時、テルフォードは 73 才になった。

橋が完成するまでは、中世以来、浅瀬で川を渡り、後には同じ場所の近くにあった石の橋で渡った。この橋は 1 基のアーチから構成され、ディーン村のベルズ・ブレイのふもとにあった。

訳注

グーグルの地図で橋の西側にベルズ・プレイという名称の通りが見えます。恐らくこれは町名でもあると思われます。

新しい橋の元々の提案はジョン・ラーモンス (John Learmonth) からのもので、彼は以前のエディンバラ市長で、川の北側のディーン地所 (Dean estate) の所有者であった。川の南岸のモーレイ卿の地所におけるニュー・タウン (新しい町、New Town) の成功裏の拡張に引き続き、ラーモンスは北岸の自分の土地を貸して、更なる拡張をしようとした。しかしランドルフ崖 (ランドルフ・クリフ、Randolph Cliff) の峡谷を越えて、町に至るもっと便利な接続が必要であったが、彼の開発地に至るもっと印象的なものも必要であった。彼はその経費を自分で賄う用意があり、費用は £18,556 と見積もられていた。しかし、その地域の公共の道路に責任を担っていたクラモンド道路受託者 (Cramond Road Trustees) は 1828 年に、新しい橋の経費を部分的に担うことに同意した。但し、橋は英国で最も先進的な橋の建築家によりデザインされて通行料を取らないことが条件であった。

契約はアバディーン (Aberdeen) の建築家であるジョン・ギブ (John Gibb) に与えられたが、テルフォードは彼とアバディーン港の建設で仕事を共にしていた。工事は 1829 年に始まり 1831 年に完成した。石はブラックホール村 (the village of Blackhall) の近くのクライグリース (Craigleth) の石切り場から持ち込まれた。中空な橋脚を建設することによって、重量と経費を節約し、この中空な橋脚によって、今日では効果的な検査が容易となっている。歩道は外側の円弧アーチの上に作られ、これを支えた木枠は注意深く、ゆっくりと、均等に除去され、完成した橋が最終位置に均等に落ち着くようにした。

橋は 1831 年の終わりに完成した。完成と手渡し日の間に、ギブは橋の両側に料金所を設置し、歩行者 1 人あたり 1 ペンスを課し、橋からの光景を楽しませた。開通日は 1832 年の初頭であったが、馬や荷車には 1834 年の 5 月まで開通しなかった。

ラーモンスは 1858 年に亡くなったが、彼が心に描いていた宅地開発の大半が完成していなかった。建設が途端に小やみになり、クラレンドン・クレセントは 1850 年代まで建設されることがなく、バッキンガム・テラス、ラーモンス・テラス、ベルグレーブ・クレセントはその 10 年後に登場したのみであった。

訳注

グーグル・マップで橋の北側に次の通りの名称が見えます：クラレンドン・クレセント (Clarendon Crescent)、バッキンガム・テラス (Buckingham Terrace)、ラーモンス・テラス (Learmonth Terrace)、ベルグレーブ・クレセント (Belgrave Crescent) 。これは恐らく通りの名前であると同時に町名であると思われます。

1888 年に、エジンバラ自治体 (Edinburgh Corporation) は Burgh の技術者であるジョン・クーパー (John Cooper) に自殺防止に関して助言を求めた。橋からの自殺が多かったのである。その結果、欄干の高さが引き上げられた。

1957 年に英国土木学会 (Institute of Civil Engineers) -- テルフォードは最初の会長を務めた -- は彼の生誕 200 年を記念して東の欄干に銘板を設置した。これはまもなく盗難に合い、1982 年に設置しなおされた。

橋はピーター・メイ (Peter May) の小説「ザ・ルイス・マン」の中で重要な場所になっている。


ディーン橋	テルフォードの橋は市の西端から北西の郊外に至る大半の交通を通している。