セント・ジョゼフ旋回橋 (St. Joseph Swing Bridge)

セント・ジョゼフ旋回橋は (セント・ジョゼフ・ユニオン・パシフィック橋 (St. Joseph Union Pacific Bridge)、あるいはセント・ジョセフ・エルウッド橋 (St. Joseph-Elwood Bridge) とも呼ばれ) ユニオン・パシフィック鉄道のトラス旋回橋で、ミズーリ州セント・ジョゼフ市とカンザス州エルウッド市を接続している。

この場所の最初の橋はセント・ジョゼフ橋梁建設会社 (St. Joseph Bridge Company) により建設され、建設費は $716,000 で (このうちセント・ジョゼフ市は $500,000 を支払った)、 1873 年 5 月 20 日に開通し、セント・ジョゼフ & デンバー市鉄道 (St. Joseph & Denver City Railroad) が横断した。元々の橋は 6 基の橋脚があり、(西側の) 300 フィート・スパンが 3 基、東側の 80 フィート・スパンが 1 基で、 365 フィートの旋回スパンがあり、全体で 1,345 フィートになる。橋の開通式は次のように報道されている。

これは疑いもなく、この町で目撃されたもっとも見事な行列であった。どの市民団体も慈善団体も広大な行列に参加したのみならず、北西のドイツ人たちが彼らの年中行事であるザンガーフェスト (Sangerfest, シンガー・フェスティバル) の開催場所として、同じ日にセント・ジョゼフを選んだ。セント・ジョセフを通り抜ける行列はミシシッピ以西ではかって匹敵するものがなかった。桶屋は車輪に載せた即席の仕事場で桶にタガをかけていた。靴屋は最後のクギを打っていた。斧の柄の製造業者は専用ナイフ (drawing knife) を使い、家におけると同様の機敏さで柄を造り出し、旋盤、織機、蒸気エンジン、襟製造機 (collar factory)、かばん製造場 (trunk establishment)、終わりのない色々な職業と機械装置が、広大な人間の産業の流れの中でフル回転し、この流れが 6 組あるいは 8 組の活気づけるブラスバンドの音楽にのって通りを移動した。行列は完全に 6 マイルに達し、斬新さと大きさの巨大さにより、産業のさなかの人でさえ驚かせた。夜には何百もの中国の提灯が通りを照らした。

1879 年 6 月 16 日に、橋はジェイ・グールド (Jay Gould) に移管され、セント・ジョゼフ & グランド・アイランド鉄道会社 (St. Joseph & Grand Island Railroad Company) の名の下に操業した (この会社は主にユニオン・パシフィック鉄道が使用した)。アチソン・トピーカ & サンタフェ鉄道 (Atchison, Topeka and Sata Fe Railroa) とシカゴ・ロックアイランド & パシフィック鉄道 (Chicago, Rock Island and Pacific Railroad) も橋を利用する権利があった。

それでも橋は荒廃し、市の債券は償還されることがなく、抵当流れ公売で橋が $5,000 で債券保有者に売られた。

ユニオン・パシフィック鉄道は橋とカンザス州マーシャル郡アップランド (Upland, Marshall County, Kansas) に至る鉄道と共に 1990 年にレールテック (RailTex) に売却し、レールテックはこの鉄道をノースイースト・カンザス & ミズリー鉄道 (Northeast Kansaz and Missouri Railroad) として操業した。ユニオン・パシフィック鉄道は 1998 年に買い戻し、ミズーリ州からワイオミング州に戻る空の石炭貨車の輸送に使用した。しかしながら、ユニオン・パシフィック鉄道はカンザス州ハイアワサ (Hiawatha) からアップランドに至る軌道に興味を持っていた。ユニオン・パシフィック鉄道はまもなくエルウッドとハイアワサの間の軌道を見捨てた。もっとも、橋とエルウッドの西側に至る小さな支線をいまだに所有している。橋は通常は開放状態のままである。