トゥチコフ橋 (Tuchkov Bridge)

トゥチコフ橋 (ロシア語：Ту́чков мост) はロシア、サンクトペテルブルクで、マラヤ・ネヴァ川 (ネヴァ川の分流) を横断する橋である。橋の長さは 226 m で幅は 36 m である。トゥチコフ橋はヴァシリエフスキー島 (Vasilievsky Island ) とペトログラードスキー島 (Petrogradsky Island) を接続している。

元々の橋は 1758 年に木材で建設された。橋の名前は地元の事業家であるアヴラアム・トゥチコフ (Avraam Tuchkov) にちなんで名付けられ、彼は建設資金を提供し、近くに倉庫を持っていた。橋はその歴史で何度も再建された。橋が最後に再建されたのは 1962 年 - 1965 年であった。現代のトゥチコフ橋は 3 スパンあり、真中のスパンが可動スパンである。サンクトペテルブルクの、より古い橋とは違い、トゥチコフ橋のデザインには恒久的な装飾品がない。 2010 年代には、冬季にビルジェヴォイ橋から見える電球で毎年飾られている。

21 世紀初期の頃、この橋はヴァシリエフスキー島からの唯一の路面電車の路線が残されていた。残された路線 (ルート 6 と 40) は乗客を島の外に移動して、ラッシュ時に混雑するヴァジレオストロブスカヤ (Vasileostrosvskaya) 地下鉄駅の負担を軽減し、それほど多忙でないスポルチヴナヤ (Sportivnaya) 地下鉄駅を経由させ、そして再びペトログラードスキー島の多忙なゴルコヴスカヤ (Gorkovskaya) 地下鉄駅の負担を軽減し、もっと混雑しないネヴァ川の北岸のヴィボルグスキー (Vyborgskiy) 地区を経由させている。ヴァシリエフスキー島からの他の全ての路面電車が取り除かれ、路面電車のルートも随分削減されているが、路面電車は低所得者層にはとりわけ人気があるが、チカロフスキー通り (Chkalovskiy Prospect) に分岐するトゥチコフ橋を通る他の路線 (橋から左折) さえ閉鎖された。増え続ける車の所有者と恵まれない公共交通の利用者の間にはある種の緊張が見れれるかもしれない。 1990 年代の削減以前にはヴァシリエフスキー島を出入りする路面電車のルートが 1 ダースほどあった。一方、刷新されて静かになったスレドニ通り路面電車線 (事実上島で唯一残っているもの) は刷新後まもなく、ほぼ永久に閉鎖された。

訳注

上の文章では触れていない点があります。恐らく路面電車が走っていた場所にはトロリーバスが走っています。サンクトペテルブルクの橋にはトロリーバスの架線が走っており、またグーグルマップのストリートビューでも頻繁にトロリーバスを見かけます。

アルカージー・スヴィドリガイロフ (Alkady Svidrigailov) はドストエフスキーの小説「罪と罰」の登場人物で、彼の人生の最後の晩をトゥチコフ橋から、マラヤ・ネヴァ川の水を見つめて過ごした。 Anastasiya Chebotarevskaya は作家で、退廃的な 20 世紀初頭の「ロシアの詩の銀時代」の詩人フョードル・ソログープ (Fyodor Sologub) の妻で、ジュダノフカ川 (Zhdanovka river) の岸辺のさほど遠くない場所に住んでいたが、橋から身を投げて自殺した。

橋は市の重要な南北接続として、日々の交通渋滞にさらされ、別の一式の重要な修復のために閉鎖されるかもしれない。これは宮殿橋の想定される修復の完成と、「西高速直径」道路の完成後に予測される。橋の閉鎖は接続通路として、(傾斜した) 動く歩道の建設が何度も延期されるときにも計画されている。この歩道は橋と並行して走り、マラヤ・ネヴァ川の南岸のスポルチヴナヤ (Sportivnaya) 地下鉄駅と北のヴァシリエフスキー島の「マカロフ将軍堤防」 (Admiral Makarov Embankment) への出口を結ぶもので、この島に住んでいるか、この島で働いている人たちに地下鉄への容易なアクセスを提供することを目的としている。彼らはラッシュ時に島のヴァジレオストロブスカヤ (Vasileostrovskaya) 地下鉄駅で問題を抱えており、この駅は、多くの事業所、大学、更には住宅地がある島の西部の唯一の駅なのである。。

訳注

「西高速直径」道路の英語訳は Western Fast Diameter highway, あるいは Western Rapid Diameter ですでに一部ができています。
動く歩道の方はすでに開通しています。この動く歩道は傾斜があるので、通常の動く歩道とは違い、エスカレーターとしても機能しています。カートやベビーカーなどの車輪は特別製でないと滑り落ちてしまうようです。