ベンジャミン・フランクリン橋 (Benjamin Franklin Bridge)

ベンジャミン・フランクリン橋 -- 元々は デラウェア川橋 (Delaware River Bridge) と命名され、現在では非公式に ベン・フランクリン橋 と呼ばれる。 -- はデラウェア川に架かる吊り橋で、ペンシルバニア州フィラデルフィアとニュージャージー州カムデン (Camden) を接続している。橋はデラウェア川港湾公社 (DRPA, Delaware River Port Authority) により所有・操業され、ベッツィー・ロス橋 (Betsy - Ross)、ウォルト・ウィットマン橋 (Walt-Whitman)、及びタコニー・パルマイラ橋 (Tacony-Palmyra) と共にフィラデルフィアとニュージャージー州南部を接続する主な 4 つの車両用の橋の 1 つである。これは州間道路 676/US ルート30 を通している。

橋は 1926 年の 150 年祭博覧会 (Sesquicentennial Exposition) の一部として落成し、独立宣言の 150 年祭を祝った。 1926 年から 1929 年まで、橋は吊り橋の世界最長の単一スパンを持っていた。

デラウェア川を横断する渡し船 (フェリー、の機能) を拡大する橋の計画は早くも 1818 年に始まった。この時、1 つの計画がスミス/ウィンドミル島 -- フィラデルフィアの岸に近い狭い島 -- を使用することを思い描いた。しかし、夢が現実に近づき始めたのはようやく 1910 年代のことであった。デラウェア川橋共同委員会 (Delaware River Bridge Joint Commission、現在のデラウェア川港湾公社) が 1919 年に造られた。

橋の主任技術者はポーランド生まれのラルフ・モジェスキー (Ralph Modjeski)、デザイン技術者はレオン・モイセフ (Leon Moisseiff)、監督建築家は Paul Philippe Cret であった。工事は 1922 年 1 月 6 日に開始した。建設のピークには 1300 名の人々が橋で働き、 15 名が建設中に亡くなった。橋は元々、フィラデルフィアのデイビッド A. サルキンド (David A. Salkind) の所有する商用塗装会社により塗装され、この会社は金門橋も塗装した。橋は 1926 年 7 月 1 日に交通に開通し、これは国の 150 周年記念の予定された開催日の 3 日前のことであった。完成時には 1750 フィート (533 m) スパンは吊り橋としては世界最長であり、 1929 年にアンバサダー橋 (Ambassador Bridge) が開通するまで、この栄誉を担った。

名称は 1955 年に "ベンジャミン・フランクリン橋" に変更された。これはフィラデルフィアとニュージャージーを接続する第二のデラウェア川橋 (ウォルト・ウィットマン橋) が建設中の時であった。

橋は 2001 年 7 月 1 日に車両に閉鎖され、歩行者がその (横断) 75 周年を祝賀することができた。

橋は元々主路面に 6 本の車両車線と 2 本の路面電車の軌道があり、路面の硬化トラスの外側に双方向に高速鉄道軌道 (tapid transit track) が提供され、硬化トラスは路面の下ではなく上にあった。軌道はニュージャージー州のカムデン路面電車システムを担う公共事業会社の標準でない広軌にあわせて建設されていた。このデザインにより、路面電車がカムデンからフィラデルフィアに橋を横断することを求め、橋の西側の入口広場の下にある地下のターミナルに入り、反対側の軌道でカムデンに戻ることを求めた。路面電車の駅も橋のアンカレッジに建設された。路面電車の施設はどれも使用されなかった。というのは公共事業会社は開通以来橋を横断することがなく、 1932 年に (橋) 会社はカムデン路面電車を見限った；この後に軌道が取り除かれて、車両用の車線に転換された。

外側の高速鉄道軌道は 1936 年に地下鉄ブリッジ線 (Bridge Line subway) の開通と共に任務に就き、カムデンのブロードウェーとシティー・ホール (市役所) がフィラデルフィアの 8 番ストリート + マーケット・ストリートに接続された；ブリッジ線は 1952 年に 16 番ストリート + ローカスト・ストリート (Locust) に延長し、 1969 年に PATCO 列車を通し始めた。今日、これは PATCO のスピード線 (Speedline) を通しており、橋の両側でトンネルに下っている。東向きと西向きの鉄道軌道と支援構造は 2014 年 6 月から再建され、 2014 年 10 月に完了した。

訳注

8 番ストリートは南北方向の通りで、マーケット・ストリートは東西方向の通りになっており、8 番ストリート + マーケット・ストリートで座標が確定する。 16 番ストリート + ローカスト・ストリートも同じ。原文では + の記号は使用していないが、理解しにくいので + の記号を挿入した。

橋は道路 I-676 (州間道路 676) と US 30 (ルート 30) を通しているが、橋のニュージャージー側のみが I-676 を通すのみで、ペンシルバニア側の橋の進入路は州間道路の標準に達していない、これには平面交差も含まれる。 I-676 (これは東西に走り、ニュージャージー側の I-676 は南北に走る) のペンシルバニア側の区間は I-95 へのランプ (ramp) で終了している。しかしながら、I-676 は橋の両側で標識が付けられ、ドライバーにとり、それほど混乱しない。 1953 年のニュージャージー州の州道の番号付け以前には、ニュージャージー州道 25 (ルート 25)、ルート 43、及びルート 45 は橋の中央で終了し、 1972 年まで I-76 が橋で表示されていたが、この時、表示が I-676 に変化した。これまでは I-676 はウォルト・ウィットマン橋を横断していた。

訳注

州間道路 (interstate) は高速道路なので、平面交差では規格外になる。

ジッパー・バリア

車両用の 7 車線はコンクリート製のジッパー・バリア ("zipper" barrier) で分離されており、バリアを機械的に移動して、交通量や道路工事に応じて配置できる。頭上のガントリーに搭載された赤と緑の信号により、どの車線が各方向に開放しているか、閉鎖しているのかがわかる。一般的に朝のラッシュ時には西向きの 4 車線と東向きの 3 車線が開放され、夕方のラッシュ時には事態が逆になる。ジッパー・バリアが 2000 年 - 2001 年に設置されるまでは、橋の 1 車線はピーク時には閉鎖されて、正面衝突の危険を削減した。というのは東向きと西向きの交通を分離するための物理的なバリアがなかったからである。

訳注

機械によるジッパー・バリア移動の動画 (金門橋)

通行料

(ニュージャージー州における) BRT (=bus rapid transit system, 二都市間の高速バス) を橋を使用して (ペンシルバニア州フィラデルフィアとニュージャージー州) カムデンやグロスター (Gloucester) との接続に拡張する提案がある。

歩行者用の道は橋の両側を走り、車の車線から分離した高架の上を走っていて、 1 本のみが開放されている。 DRPA は 2005 年 7 月 7 日のロンドン爆破の翌日に歩道を、安全性の懸念から一時的に閉鎖した。 DRPA は雪が降っている、あるいは天気予報が雪であれば歩道を閉鎖する。 2011 年 8 月末のハリケーン・アイリーンあるいは 2012 年 10 月末のハリケーン・サンディの時に歩道を閉鎖した。


日の出のベン・フランクリン橋	夜のベン・フランクリン橋