以下の文書は以下の日本語訳です。

Ferry Bridge, Burton - Wikipedia

フェリー橋： Google map

フェリー橋 (ステープンヒル・フェリー橋 (Stapenhill Ferry Bridge) とも ステープンヒル吊り橋 (Stapenhill Suspension Bridge) とも呼ばれる) は イングランド、スタッフォードシャーでトレント川に架かるビクトリア時代の歩道橋である。 橋とその延長であるステープンヒル高架橋はバートン・アポン・トレントの 町の中心地と、川の反対側で 0.5 マイル先にあるステープンヒルの郊外を接続している。

2002 年のフェリー橋	2016 年の修復後の フェリー橋

橋は 「半吊り橋」 で、このデザインで建設された最初で唯一の種類である。 これは地元の企業であるソーンウィル・ウォーラム社 (Thornewill and Warham) によってデザイン・建設された。 これは 3 スパンの歩道橋で、全長が 240 フィート (73 m) である。 鎖は平坦な棒鉄 (flat bar iron) で製造され、橋の 1 方の端から他方の端へ連続的になっている。 鎖は主ガーダーの端にリベット付けされ、 伝統的な吊り橋で通常あるように距離を置いて固定されているわけでない。 橋は鋳鉄で作られ、グレード II の登録建造物である。

橋は 13 世紀以来、この場所で操業していた小さな渡し舟 (フェリー) 事業にとって代わるために 建設された。 フェリー橋は醸造業の大物であるマイケル・アーサー・バス (Michael Arthur Bass、後のバートン卿 (Lord Burton)) による町への贈り物であった。 橋は 1889 年 4 月 3 日水曜日に公式に開通し、開通式には 8000 名から 10000 名の人が列席した。

2 回の修復時を除いて、 橋は毎日、何百人もの人によって使用され続け、 最も最近の修復は 2015 年 - 2016 年にあった。 橋は国内サイクル・ルート 63 を通し、 ステープンヒルとバートン町の中心を接続している。

19 世紀にバートンの醸造業、従って町の人口は随分と拡張した。 その結果、歩行者はしばしば渡し船を随分待つ必要があった。 2 隻の船がピーク時に必要であった。 トレント川を越える第二の橋を求める叫びが大きくなった。 1865 年に渡し船の権利を所有していたアングルシー侯爵 (Marquis of Anglesey) が議会法を手に入れ、 トレント川に橋を建設・保守することが認可された。 橋はすべての交通を通すことが意図され、 古いバートン橋と同等、もしくはそれ以上のものとする意図があった。 この当時、古いバートン橋はバートンで川を越える唯一の橋であった。 これは計画されたが、実施されなかった。

1885 年、侯爵はステープンヒルの渡し場の近くでトレント川を横断する小さな歩道橋を建設して、 渡し船の権利をバートン社 (Burton Corporation) に売却する国会の承認を求めた。 地方議会と侯爵の長い交渉のあとで、 バートンの醸造所の所有者であるマイケル・アーサー・バス (Michael Arthur Bass) (後のバートン卿、彼の妻は Harriet Georgina 旧姓 Thornewill) は自分の資金で歩道橋を作ることを申し入れた。 但し地方議会が公爵から渡し船の権利を買収することが前提であった。

地方議会は侯爵に当時としては多額な £12,950 を渡し船の権利のために支払うことに同意し、 1888 年に工事が開始した。

バートンの技術会社ソーンウィル・ウォーラム社 (Thornewill and Warham Ltd.) は橋のデザイン・建設をすることに選ばれた。 この事業は鉄の商人のトーマス・ソーンウィル (Thomas Thornwill, 191 年生まれ) と彼の子息のフランシス (Francis) が 1740 年に設立したものである。 会社はバートンのニュー・ストリートにあって、スキ (spade) などの刃の付いた道具を作っていた。 会社は 1840 年代までは大まかには鉄器類の製造に焦点を合わせたままであった。 1849 年に、ロバート・ソーンウィル (トーマスの孫) は ジョン・ロブソン・ウォーラム (John Robson Warham) -- サウス・シールズ (South Shields) の技術者 -- との共同事業に乗り出し、 会社はソーンウィル・ウォーラムになっていた。 1862 年までに、会社は炭鉱の巻き上げ機械、蒸気エンジン、そして機関車を製造し、 10 年以内にスコットランド、ロンドン、そしてサウス・ウェールズに蒸気エンジンを供給していた。

蒸気エンジンの製造以外では、会社は技術建築 (construction engineering) に著名であった； 彼等は 1850 年と 1890 年の間にバートン醸造所の多くの鉄製品の製造・設置を行った。 1889 年のフェリー橋とボンド・エンド (Bond End, 地名) までの接続高架橋の建設は 全経費が £10,000 をわずかに越えた額で、この方面における会社の主な業績の 1 つであった。

橋はエドワード・ウィリアム・アイブス (Edward William Ives, 1851 年 - 1914 ? 年) によってデザインされ、 ミッドランド鉄道の主任技術者のアルフレッド・アンドルー・ラングレー (Alfred Andrew Langley) が支援した。

これは吊り橋のデザインで、この特有な造作は通常の吊り橋のように、 鎖が一定の距離で独立なアンカレッジに固定されているのではなく、 主ガーダーの端にリベット付けされていることである。 これらの鎖は平坦な棒鉄をリベット付けしたもので作られ、 一方の端から他方の端に連続的である。 この建築方法は橋の建築にこれ以前は使用されておらず、 フェリー橋はこの仕様で建築されたヨーロッパで最初の橋で、 恐らくは現存する唯一の橋である。

橋は 3 つの節で川を横断し、4 つの鋳鉄の橋脚で支えられ、 各橋脚は直径 5 フィート (150 cm) である。 橋脚は中心から中心までが 15 フィート (4.6 m) で対にして設置され、 泥灰土 (marl) と砂岩の下の川床まで、12 フィートから 15 フィート (3.66 - 4.57 m) 沈められている。 橋脚の円柱は硬いコンクリートで満たされ、この頂上に 3 フィート (91 cm) の非多孔質 (non-porous) の青色の工学レンガ (engineering brick) が互いにセメントづけされている。 最後に、基礎を完成するために、切り石の床があって、この上に塔が設置されている。

橋の中央スパンは長さ 115 フィート (35 m) で、2 つの対称な終端区間は各々 57 フィート (17 m) である。 歩道橋は幅 10 フィート (3.0 m) で、橋の中央では平均水位の上に 11 フィート (3.4 m) の高さで、 岸では 9 フィート (2.7 m) の高さである。 塔はどちらも高さが 23 フィート 6 インチ (7.16 m) で、 最初に建設された時には飾りの鋳鉄の細工が外部を覆い、 基底部にはパネルが付き、バートン卿の紋章 (arms and supporters)、彼のモットー -- Basis Virtutum Constantia (徳は変わらないことにある) -- が付いていた。 塔の一番上にはライオンが後ろ足で立ち、 これが錬鉄製の細工を持ち、ここに金メッキした銅の風見 (vane) と バートン卿の モノグラム (monogram) が付いていた。

塔は 20 フィート 3 インチ (6.17 m) の高さで、錬鉄製の格子細工で製造され、 基底部は 2 フィート 3¹/₂ インチ (69.9 cm) で、 頂上では 1 フィート 4¹/₂ インチ に細くなっている。 これらは頂上で深さ 11 ¹/₄ インチ (29 cm) の 格子ガーダーで支えられている。 ガーダーは橋の一方の端から他方の端まで連続的にある。 鎖は厚さ 3 インチ (7.6 cm) の平坦な棒で作られ、 中央スパンの真中と橋の両端で、主ガーダーにリベット付けされ、 橋脚と塔は主ガーダーの外にあり、これにより橋の風圧への抵抗が増大する。 鎖の間の距離はガーダーの中央や端よりも塔の箇所の方が広い； ハンガーは傾いている。

吊り下げ "ケーブル" は錬鉄製のプレート (板) から製造され、 互いにリベット付けされて、幅が 8 インチ (203 mm) で、厚さが 1 インチ半 (38 mm) の "ケーブル" になっている。

塔を互いに引き締めている格子ガーダーはもっと装飾的な鉄細工の中に納められ、 橋の建設年 1889 が記載され、 鉄細工の下には 「第 1 代バートン卿マイケル・アーサーの贈り物」 の銘文が見える。 橋は中央区間に古いレールを数トン載せてテストし、 更に剛性のテストのために、スタフォードシャー連隊の 20 名が同期して橋を 2 度行進した。 後者のテストは 1889 年には、吊り橋のテストで最も厳しいものであった。

歩道は元々ヨーロッパアカマツ (Scotch pine) 製で、 両岸よりも真中が 3 インチ (7.6 cm) 高くなるように作られて、 水はけを良くした。 橋は全部で 6 個のランプで照らされ、 2 個のビクトリアスタイルのランプ が塔の間の支え材 -- これはランプを吊るすための重い鋳鉄製の角材 -- に吊るされ、類似のもう 4 個は橋の両端に固定された。 橋の鉄細工の総重量は 203 トン以上あった。

橋の両端では、上部構造が設置される下部構造は、 「ロー氏と子息」 (企業名、Messrs Lowe and Sons) により建設され、 模様の彫刻はバートンのビクトリア通りの 「ヒルトン氏」 (企業名、Mr Hilton) により実施された。

1889 年 4 月 3 日水曜日に橋の大開通式があり、 雨がちで、暴風雨のような天気ではあったが、 8000 名から 10,000 名の人々が列席した。 写真によると、第 1 列目にいたのは； ハリソン夫人 (Mrs Harrison)、 サー・マイケル・アーサー・バス (Sir Michael Arthur Bass、後のバートン卿)、 ネリー・バス (Nellie Bass)、 キャサリン・ソーンウィル、バイオレット・ソーンウィル (建築者の息女達)、 C. ハリソン (市長、C. Harrison)、 バス夫人 (Lady Bass) であった。

公式の開通に引き続き、 バスはフェリー橋をバートンに接続する草地 (meadow) 越えの高架橋 (raised causeway) を 設置する計画を表明した。 1889 年 4 月 9 日付の手紙は彼の提案を裏付けている： 81 スパンの鉄製の高架橋 -- ステープンヒルの高架橋 -- の設置はすぐに開始し、1890 年に町に贈られた。 これにより、橋の全経費は £7,000 から £10,000 に上がった。 今では、高架橋は元々の鋳鉄の柱に現代的な鋼の路面を備えている。

橋と高架橋の全経費は、アングルシー侯爵からの川の横断の専売権の獲得費用も含めると、 £20,000 のあたりである。当初、経費の埋め合わせに通行料を徴収したが、 バートン卿は 1898 年 4 月にこれらの通行料を撤廃した。

1969 年に 「バートン・メール紙」 (Burton Mail) は橋に 80 年を経過して深刻な状態になったことを報道した。 提案されたことは、 地方議会 (今やここが橋を所有している) が橋を取り壊して、新しい橋を £60,000 で建設することであった。 この代わりに専門家が呼びこまれ、全構造が調査された。 彼等が結論したことは装飾的な造作と鉄細工 (当時の市の測量技術者は dead weight と呼んだ) が重すぎて、過剰なストレスが構造にかかり、これを取り除くべきであることであった。 これで落着した。

地方議会は橋を修復することに同意し、 橋はその後 1 年近くも足場に隠された。 これが取り除かれた時に、公衆が落胆したことは、 橋はすべての装飾物を失い、以前のクチナシ (gardenia) とセイヨウスモモ (plum) の色の配合は白と黒に置き換えられていたことであった。 地元の新聞は 「フェリー橋のレイプ (rape)」 を報道した。

橋脚に立っていた元々の鋳鉄のライオン 2 匹と銘板の 1 つは現在 (2016 年) では バートンの国内醸造センター (National Brewery Center) に展示されている。 1969 年に取り除かれた幾つかのもの (ランプなど) はスクラップ置き場から救済した地元の人々の庭や家にある。

バートン市民協会 (Burton Civic Society) の努力により、 1979 年 6 月 22 日に、橋は イングリッシュ・ヘリテッジ (English Heritage) により、 グレード II の指定建造物になった。

2000 年代中頃から末期にかけて、 バートン市民協会が気が付いたことは橋の構造が劇的に劣化している事であり、 この点に関して、地元の 「イースト・スタッフォードシャー・バラ議会」 (ESBC, East Staffordshire Borough Council) と 「スタッフォードシャー州議会」 (SCC, Staffordshire Council) の注意を喚起した。 というのは橋の責任が ESBC から SCC に移っていたからである。 相場と見積もり経費が (橋の) 刷新のために与えられ、 取り除かれた装飾物の交換のためにも与えられた。 しかしながら、全体の経費は法外であった。

多くの公的懸念があったことは、 もしも橋が更に劣化すれば、橋の取り壊しと、現代的な橋での交換が再び可能性を帯びることであった。 バートン市民協会の運動が続き、橋が 125 周年を祝う 2014 年までに SCC は橋の工事が必須であることを認めた。 橋を救うための運動が 「フェリー橋の友」 (Friends of the Ferry Bridge) と呼ばれる社会メディア・グループにより開始され、 これには 400 名の活動中のメンバーがいた。 SCC は橋の刷新を議論するための、作業部会 (Working Group) を設置し、 ここで ESBC、環境庁 (Environment Agency)、ヒストリック・イングランド (Historic England)、 バートン市民協会 (Burton Civic Society) 及び 「フェリー橋の友」 (Friends of the Ferry Bridge) の代表と議論した。

SCC により提案された刷新の大多数は直ちにグループで認められ、 要求された工事の計画申請は ESBC により承諾された。 「フェリー橋の友」 は色の選択を依頼され、メイン・ブリッジを黒と白で維持し、 バラ飾り (rosette) と四つ葉飾り (quatrefois) は中心を赤く塗ることが選択された。 地元の人々は 2015 年 6 月から歩道橋の閉鎖を忠告され、 この橋は開通以来 126 年間ステープンヒルと町の中心の間の主な接続であり続けた。

2016 年に刷新中のフェリー橋

刷新工事は 2015 年 9 月 7 日に開始し、1 年でおよそ £100万 の経費で完成することになり、 プロジェクトはエイミイ (Amey, フェロビアルの子会社) により管理された。 工事は厳しい気象条件、川の高水位、突風などにより邪魔を受け、 これにより工事を安全に遂行することが影響を受けた。 実施される工事の程度により、橋は閉鎖され、交通は近くの 「セント・ピーターの道路橋」 (St. Peter's Road Bridge) に迂回させられた。 刷新工事により 「バートン・レゲッタ」 (ボート・レース) も珍しくキャンセルされた。

橋は終に 2016 年 10 月 21 日に再開通した。

銘板の交換

1969 年に、最初の刷新の前に 4 枚の重い鋳鉄製の銘板が橋の 4 基の橋脚から取り除かれた。 各々は 4 フィート平方で、橋の寄付者のバートン卿の紋章を造作にし、 完全カラーで着色されていた。 バートン市民協会はこれらを 2015 年 - 2016 年の刷新の時に取り換えたかったが、 広範囲な調査の後に、銘板は地方議会が所有していないことが判明した。 しかしながら、銘板の 1 枚はバートンの醸造博物館で展示してあるのが見つかり、 確定したことは、これが軽量なアルミの交換銘板の鋳型を作るのに使用できることであった。 しかしながら、交換の銘板は業者の足場が設置されている間に製造・設置する必要があった。

地元の事業家で市民協会のメンバーであるジョージ・ローソン (George Lawson) はバートン・レアンダー・ローイング・クラブ (Burton Leander Rowing Club) とバートン・レガッタ (Burton Regatta) の過去の委員長として橋に非常に興味を持ち、 地元のアルミ鋳造会社アルバック・アロイズ (Alpac Alloys) に近づき、 会社は新しい鋳型をオリジナルから作成できることを確認した。 元々の銘板を起重機で博物館の壁から取り除き、 鋳型を作って、アルミで新しい銘板を作り、 元々の色に着色して、橋に設置するには £17,400 がかかると見積もられた。 資金集めの時間がなかったため、ローソンは銘板製造の管理を引き受け、 支払いをして、足場が残っている間に設置を完了した。 ローソンはすぐに町で資金集めのプログラムを組織し、 £17,400 の経費はすぐに達成された。

共同体活動グループの 「フェリー橋の友」 は 修復プロジェクトを前進させるのに重要な役割を演じた。 2016 年 11 月 4 日に、 トレント・ダブ住宅協会 (Trent and Dove Housing Association) の ピレリ・スタジアムで開催される年に 1 度の 「共同体における影響賞」 の儀式で、 このグループが "ベスト共同体プロジェクト"賞を勝ち得、 サリー・ガネル (Sally Gunnel) により授与された。

2016 年 11 月 3 日に、エッジバストン・スタジアム (Edgbaston stadium) で 構造工学協会 (Institution of Structural Engineers) のミッドランド・カウンティーズ地区 (Midland Counties region) がフェリー橋に歩道橋部門で賞を与えた。

再開通後の数日以内に愛の南京錠が橋に固定されていたが、 即座に取り除いた。というのは、このようなものは目障りで、 危険で、橋に負担をかけ、指定建造物の規則では許可されていない。 固定されるものは直ちに除去されます。