ロックポート発電所 (Lockport Powerhouse)

ロックポート発電所は広域シカゴ下水処理場 (Metropolitan Water Reclamation District of Greater Chicago) により使用されるダムで、衛生・船舶運河の水の流出を制御して、ミシガン湖からデス・プレーンズ川への水の迂回を制限している。

シカゴ衛生船舶運河は 1890 年代にイリノイ州ロックポートに到達した。この建設の一部分として、水門&ダムがロックポートに建設された。 7 基の廃棄ゲート (waste gate) は運河とデス・プレーンズ川の水位を制御するために使用され、このプロジェクトの一部分であった。 1903 年から 1907 年にかけて、運河はロックポートからジョリエットに延長された。ロックポート発電所の建設はこの延長の一部分として 1905 年に開始した。フレデリック L. バレット (Frederick L. Barrett) によりデザインされ赤い屋根のボザール様式 (Beaux Arts) の発電所は、コンクリート・ブロックが石に類似するように並べて建設された。発電所は 4 基のフランシス型式 (Francis-style) のタービンの造作で電力を生成し、 40,000 馬力 (30,000 kW) を生成することが可能であった。これらのタービンは、それ以来 2 基の垂直なカプラン型式 (Kaplan-style) のタービンで置き換えられた。発電所は廃棄ゲートの制御がある場所でもあった。水門&ゲートは 2 つの自治体間の 40 フィート (12 m) の運河の落差を処理するようにデザインされていた。

建設の第 2 段階が 1922 年から 1933 年の間に起き、オハイオ川標準航行水門の開通に引き続き、異なる水の負荷 (water load) を処理することになった。発電所は 1907 年に始めて操業可能となり、今ではイリノイ州最古の水力発電所と認められている。ロックポート水門&ダム発電所歴史地区は米国国立公園局 (National Park Service) により認められて、 2004 年 3 月 10 日に国の歴史登録財 (National Register of Historic Places) に登録されている。

訳注

歴史登録財の登録の仕事は国立公園局の仕事。日本語の Wikipedia では「国の歴史登録財」をアメリカ合衆国国家歴史登録財と訳しているが、こうするとすぐに翻訳に困ることになる。というのは「歴史登録財」は州が指定することもあるし、下位レベルの自治体が指定することもある。これは日本と全く同じなので、「国家」という訳語を使用するとすぐに困ることが起きる。「歴史登録財」の指定条件の中に「技術」 (engineering) があるので日本語的な文化財という言い方にはなじまない。文化財は非常に狭い言い方になり、 culture は civilization を含んでいない。


ロックポートにおける水門&ダム・発電所	イリノイ州における位置