ティーズ・コッテージ揚水所 (Tees Cottage Pumping Station)

ティーズ・コッテージ揚水所 はビクトリア時代の揚水所複合施設で、ダーリントン (Darlington) のすぐ西のロー・コニスクリフ (Low Coniscliffe) 近くの A67 道路沿いのブロークン・スカ― (Broken Scar) にある。この場所は 1849 年からのもので、ダーリントンとその周辺地区に飲料水を提供するために建設された。これは古代モニュメント一覧 (Scheduled Ancient Monument) の一つで、完全に元のままの 2 台の揚水エンジンを、完全に可動な状態で収容している。一台は 1904 年のビーム・エンジンで、ダーリントンのティーズデール兄弟社 (Teasdale Brothers) により建設され、 1902 年の元々のランカシャー・ボイラーを使用して、なお蒸気で稼働する；もう一台は珍しい 1914 年のシリンダー 2 基のガス内燃エンジンで、ヨーロッパで生き延びているこのようなエンジンで最大のものである。どちらのエンジンも 1 年を通じて、週末によっては操業するのを見ることができ、かって常にしていたように、元々のポンプを使用して、ティーズ川から水を汲み上げている。

1904 年のエンジンは上水道のビーム・エンジンで、かって建設されたもので、一番最後のものの一つであり、そして、これゆえビーム・エンジンの揚水環境の頂点 (pinnacle) を代表するものと見なせる。これは 2 シリンダーの回転ウルフ複合エンジン (Wolf compound engine) で、キルマノック (Kilmarnock) のグレンフィールド&ケネディー社 (Glenfield and Kennedy) によりデザインされ、ロンドンの「T&C ホークスリー土木技術社」 (T&C Hawksley、Civil Engineer) の下でティーズデール兄弟社 (Teasdale Bros) により建造された。ビーム (beam) は長さ 30 フィート (9.1 m)、重さ 25 トン、はずみ車は直径 21 フィート (6.4 m)、そして高圧シリンダー、低圧シリンダーはそれぞれ 18 インチ、29 インチ (46 cm, 74 cm) である。これは 1849 年に以前のビーム・エンジンのために建設された建物に収容された。エンジンは 1904 年から 1926 年の間、ほとんど連続的に動作し、1926 年に新しい電動ポンプが就任した。これ以後エンジンは 1950 年代の中頃まで、予備となり、そして市技術者 (Borough Engineer) の命令で、少なくとも 1968 年まで 1 年に 1 日、走らされ続けた。

1914 年のエンジンはグランサム (Grantham) のリチャード・ホーンズビー (Richard Hornsby) によるもので、ポンプはリーズ (Leeds) のホーソン・デイヴィー社 (Hawthorn, Davey & Co.) によるものであり、全部が 1853 年の建物に収容されている。この建物はそれ以前は、以前の蒸気エンジンを収容していた。これは間もなく本管によるガス (mains gas) で走ったが、元々は、この場所の隣接する建物で生成したガス (producer gas) を使用した。ガスの発生プラントはまだその場所にあり、公開されている；しかしながら、これは何年もの間に少なくとも 2 度爆発している。爆発した証拠は今でもはっきりわかり、今では操業していない。

蒸気エンジンとガス・エンジンは 1926 年に設置された電動遠心ポンプのセットで取り換えられ、これは 1980 年まで稼働した。これらもその場所にあり、今では公開されている。工作機械の作業場が生き延び、ベルト駆動のラインシャフトが完備し、その場の鍛冶屋のフォージも同様で、後者はしばしば火を入れて、公開日に実演される。元々あった 4 つのろ過池 (filter ponds) の 3 つも現存している。元々の監督の家は今では観光客のための喫茶店を収容している。

ティーズ・コッテージ揚水所は 1980 年に閉鎖され、保存トラスト (Preservation Trust) の管理下に置かれた。 (この場所はノーサンブリア水道 (Northumbrian Water) により所有され、ここがブロークン・スカ―浄水場 (Broken Scar works) からダーリントンに (水を) 供給しており、この工場はティーズ・コッテージとは A67 道路を挟んで反対側にある。) 従って、この場所の重要性は H C デボンシャー (Devonshire) により要約される：

ティーズ・コッテージは実際ユニークである。イングランド、スコットランド、及びウェールズにおける他の 115 ヶ所の場所の分析から判明することは、これらの 50% 以上が 1 基以上の蒸気エンジンを所有しているが、元々の場所にあって、元々のボイラーを使用しているものはとても少なく、一覧にある唯一の場所のみ -- スコットランドの「ガス工場排気エンジン」 (gasworks exhauster engine) -- が、元々の仕事をすることができる。ティーズ・コッテージはヨーロッパで保存されたガス・エンジンで最大のものと思われるものを所有し、 1926 年代の電動ポンプとスイッチ装置をすべて所有し、意図されたように水をなお汲み上げていることも考慮に入れると、この揚水所は未来世代が学ぶのに、とても希少な機会であり、揚水とエンジンの全歴史のみならず、ビクトリア時代とエドワード時代の全生活を、完全な元々のコンテキスト (context、文脈、状況) で学ぶ機会でもある。、


ティーズ・コッテージ揚水所 (1990 年)	ウルフ複合エンジンのシリンダー