コブナント・チェーン (Covenant Chain)

コブナント・チェーン (Convenant Chain、盟約の鎖) は 17 世紀に発展した同盟 (alliance) と条約 (treaties) で、主にイロコイ連合 (Iroquois Confederacy) (ホデノショニ連合 (Haudenosaunee)) と北米の英国植民地の間のもので、他のアメリカ原住民の部族も付け加わった。最初にニューヨーク地区で発展し、植民地とアメリカ原住民の暴力と社会的不安定の時で、イングランドとイロコイの協議会 (council) そして、その後の条約 (treaties) はトレードを維持するために、平和と安定を支えることに基づいた。これらは植民地 (colonial settlement) の問題に対処し、入植者 (colonist) とインディアンの部族の間、更には部族間の暴力を押さえることを意図し、ニューイングランドからバージニア植民地に至るまで及んだ。

コブナント・チェーンはイロコイ (Iroquois) の「2 つの列を持つワンパン(貝殻ビーズ)・ベルト」 (Two Row Wampum) で具現化された。これは 17 世紀始めのニューネーデルランド (New Netherland、現在のニューヨーク) のオランダ人の開拓者 (settlers) とイロコイ (Iroquois (あるいはホデノショニ (Haudenosaunee))) のファイブ・ネーションズ (Five Nations, 5 ヵ国)の間で交渉された同意に基づいていた。重点はアメリカ原住民とのトレードであった。歴史家のバーナード・ベイリン (Bernard Bailyn) が注意するように、全ての植民地 -- オランダ人とイングランド人のもの -- は始めは利益を得るために設置された。

17 世紀のビーバー戦争 (Beaver Wars) を通じて、イロコイは、他の部族と新しい狩猟場 (hunting ground) を征服し、捕虜を手に入れて、戦争と新たなヨーロッパの感染病で失われた人口に追加した。ニューイングランドの部族はもっと多くの喪失 (depletion) に苦しんだ。イロコイは影響を拡大して、カナダ沿海州 (Maritime Canada) から西はミシシッピ峡谷に至るまで、カナダ楯状地 (Canadian Shield) から南はオハイオ峡谷に至るまで、他の種族を征服したり、排除した。

イングランド人が 1664 年にニューネーデルランド (New Netherland) を引き継いで、ニューヨーク植民地 (Province of New York) を設置した時に、彼らは合意を新たにした。紛争 (Conflict) がフィリップ王戦争 (King Philip's War) で 1675 年にニューイングランド (New England) で勃発した、これは 17 世紀の北アメリカで「最も破壊的な戦争」であり、これにより 600 人以上の開拓者 (colonist) と 3,000 人以上のインディアンが死亡した。ほぼ同じ頃に、バージニアでベイコンの反乱 (Bacon's Rebellion) があった。どちらも広範囲な苦しみとなり、アメリカ原住民と開拓者の損失になった。

イロコイとの不変な関係とホデノショニ連合 (Haudenosaunee) の広範囲な影響により、 1675 年 8 月に、ニューヨーク植民地総督 (New York Governor) のサー・エドマンド・アンドロス (Sir Edmund Andros) はニューイングランド (New England) とチェサピーク (Chesapeake) における地域紛争の終了に助けを求めた。彼はオノンダーガ族 (Onondaga) の指導者であるダニエル・カラコンティ (Daniel Karakontie) と働いた。

コブナント・チェーン (Covenant Chain) の用語はイングランドの帆船 (English sailing ship) をオノンダーガ・ネイション (Onondaga Nation, オノンダーガ国) のホデノショニ連合 (イロコイ連合) (Haudenosaunee (Iroquois)) の平和の木 (Tree of Peace) に結びつける銀の鎖の隠喩 (metaphor) に由来していた。 3 つのリンクがある銀の鎖が作られて、最初の同意の象徴になった。これらのリンクはホデノショニ連合 (Haudenosaunee) と英国国王 (Crown) の間の「平和、友情そして敬意」 (Peace、Friendship and Respect) を表した。これは最初の記述された条約で、次のような表現を使用した：

... 太陽が大地を照らす限り、
水が流れる限り、
草が緑に育つ限り、平和が続く。

彼らは交渉して、幾つかの条約に署名し、ここに関連する部族と植民地の数が増えた。

サスケハノック (Susquehannock) の多くはニューヨーク西部に移住し、イロコイのセネカ族 (Seneca), オノンダガ族 (Onondaga) と再定住した。

条約は植民地の歴史に新しい時代を記し、チェサピーク (Chesapeake) にはほとんど 80 年近い平和があった。ニューヨークとホデノショニ連合 (Haudenosaunee) はイングランド人のインディアン政策 (English Indian policy) の焦点になった。 18 世紀中頃にサー・ウィリアム・ジョンソン (Sir William Johnson) -- 北部門 (Northern Department) のインディアン業務 (Indian Affairs) の最高責任者 (Superintendent) で、中央ニューヨーク (New York) に拠点を置いた -- は多いな影響があり、彼はその貢献により、ナイトの称号を受領した。 18 世紀初頭の数十年間を通じて、 New England は New France と Abenaki allies との紛争が継続し、何年にもわたる双方による襲撃と、身代金の支払いによる (何度もの) 捕虜の釈放に至った。

これらの同意で、植民地は一般にニューヨーク、Albany で、ニューヨーク governor の援助の下に、交渉を持つことを同意した、というのは、コブナント (covenant) は最初にここに設立されたからである。歴史家の Daniel Richter によると、その結果、これらの条約の維持において、「イロコイとニューヨーク人は支配的ではあるが、時には独裁的な役割を演じた」。

1684 年の協議会の会合 (council meeting) で、バージニア総督 (Virginia Governor) のエフィンガム卿 (Lord Effingham) は「コブナント・チェーン」 (Covenant chain、盟約の鎖) のフレーズ (phrase) を使用して、これらの同意を述べた。この metaphor はセネカ・スピーカー (Seneca speaker) により継続され、空が述べたことは：「鎖は銀のように、汚れがなく鮮やかで、偉大な木が倒れてきても粉々になることがない」 (Let the Chaine be Kept Cleane and bright as Silver that the great tree that is can not break it a peeces if it should fall upon itt)

後の植民地の統治者 (administrators) が想定したことは、これらの条約によりチェーン (chain、鎖) に関連したイロコイなどの部族に、イングランド国王のコントロール (English sovereign control) が与えられることであった。イロコイはこれに同意せず、自分たちが少なくとも対等であると信じた。 1692 年に開催されたコブナント・チェーンの協議会 (council) で、イロコイの指導者が断言したことは：

あなたの言っていることは、あなたが私の父親で、私があなたの息子であることである...
... 私たちは父親と息子ではなく、兄弟のようになる。

コブナント・チェーン (Covenant Chain) は 1753 年まで継続し、この時、モホーク族 (Mohawk) はニューヨークで彼らが持つ正当な土地を、だまし取られたと断言し、チェーン (chain、鎖) が壊れたと主張した。

ハワード・ジン (Howard Zinn) は「米国の人々の歴史」でモホーク族 (Mohawk) の土地の奪取を議論している：

独立戦争前に、インディアン達はバージニアとニューイングランドで力によって抑えられていた。これ以外では、彼らは植民地と共存の方式を考え出していた。しかし、1750 年頃から植民地の人口が急速に増え、西に移動して新しい土地に出る圧力がインディアンとの紛争段階を設定した。東部の不動産業者がオハイオ川峡谷に登場し始めた。ここは、コブナント・チェーン (Covenant Chain) と呼ばれる部族連合 (confederation) の領地であり、イロコイがそのスポークスマンであった。ニューヨークでは、複雑な騙しにより、800,000 エーカーのモホーク族 (Mohawk) の土地が奪われ、モホーク族 - ニューヨーク (Mohawk - New York) の友好が終わった。モホーク族チーフのヘンドリック (Hendrick) は総督のジョージ・クリントン (George Clinton) と 1753 年のニューヨーク (New York) の植民地協議会 (provincial council) に彼の苦しみを話したことが記録されている：兄弟よ、我々が我々の土地に関して我々の苦情を語るためにここへ来た時に、我々は何かが我々のためになされることを期待した。そして、我々がすでに述べたように、先祖のコブナント・チェーンが破壊されたようである。そして、兄弟よ、あなた達は我々はオールバニー (Albany) で取り戻せると語っているが、我々はよく知っており、我々は彼らを信頼することはない。彼ら [オールバニーの商人達] は人ではなく悪魔だ、そこで ... 帰郷すれば直ちにワンパン・ベルト (a Belt of Wampum) を我々の兄弟立ちに送り、あなた達と我々の間のコブナント・チェーンが破壊されたことを他のファイブ・ネーションズに周知させる。従って、兄弟よ、あなた達は我々のことを聞くことは最早ないし、兄弟よ、我々はあなた達のことを聞くことは最早望まない。

— ハワード・ジン (Howard Zinn), 「一種の革命」, 米国の人々の一つの歴史から
("A Kind of Revolution," from A People's History of the United States)

オールバニー会議 (Albany Congress) が招集され、チェーン (chain) の修復を助けることになった。植民地の使節 (delegate) はイロコイとの外交関係を改善するための協調作業に失敗した。これはフレンチ・インディアン戦争の前夜における深刻な失敗であった。その結果、英国政府はアメリカ原住民との外交責任を植民地の手から取り上げ、 1755 年に英国のインディアン省 (Indian Department) を設置した。

イロコイとの 1755 年の協議会 (council) において、ニューヨーク中央に本拠地を置く北部門 (Northern Department) の最高責任者 (superintendent) であるウィリアム・ジョンソン (William Johnson) はチェーンを新たにし、語りなおした (restate)。彼は合意を「愛と友情のコブナント・チェーン」と呼び、語ったことは：チェーンを動かない山に取り付け、毎年英国はイロコイと会って、チェーンを「強化・輝かせる」ことであった。彼はイロコイに大きな影響を及ぼし、後に北東部 (Northeast) における進展への貢献によってナイトの称号を授与された。

2010 年 6 月に、タイエンディナガ・モホーク領地 (Tyendinaga Mohawk Territory、[訳注：カナダ]) とグランド川 (Grand River、[訳注：カナダ]) のシックス・ネイションズ (Six Nations) のバンド・チーフ (Band Chief、[訳注：バンド = カナダ・インディアンの統治組織]) に、カナダ女王エリザベス 2 世はコブナント・チェーン 300 年の記念に、 8 個の銀製のハンド・ベル (hand bell) を進呈し、コブナント・チェーンを新たにした。ベルには「1710 年 - 2010 年の友情の銀の鎖」 (The Silver Chain of Friendship 1710 - 2010) が刻印されていた。 (この言葉は歴史を通じて、チェーンが更新された時に、しばしば使用された普通の言葉であった。) これはホデノショニ連合 (Haudenosaunee) とカナダ国王の間のコブナント・チェーン条約の最も現代的な更新を記し、ホデノショニ連合 (Haudenosaunee) の主権 (sovereignty) と 2 つの国の間の国際トレードを認める法的な基礎を提供している。