ジェスロ・ウッド (Jethro Wood)

ジェスロ・ウッド (1774 年 3 月 16 日 - 1834 年) は鋳鉄製のはつど板プラウ (moldboard plow) の発明者で、これは鉄製の「はつど板プラウ」で始めて商用で成功したものである。彼の発明は南北戦争前の米国の農業を進展させた。

ウッドはマサチューセッツ州のダートマス (Dartmouth) もしくはニューヨーク州ワシントン郡のいずれかで生まれた。両親はジョン・ウッド (John Wood) とダイナ・ハッセー (Dinah Hussey) であった。家族はクエーカー教徒であり、ウッドは生涯を通じてクエーカー教徒であったが、とりわけ理論家というわけではなかった。

非常に幼い時に 1 度、彼は金属から小さなプラウを作り、これは後に現代農業の基礎を築いたモデルとは似ていないわけではなかった。しかし、彼は単にそれを作ることに満足せず、動作するところを見たいと思い、適当な大きさの引き具を作り、プラウを家ネコに固定した。ネコのわめきはすぐにも父の権威の注意を引くことになり、未来の発明家は早咲きのゆえに、ひどくむちを打たれることになった。

ウッドは大人になってから、ニューヨーク州ケイユーガ郡 (Cayuga County) のシピオ (Scipio) の近辺で暮らした。 1793 年の 1 月 1 日に、ニューヨーク州ホワイト・クリーク (White Creek) のシルビア・ハウランド (Sylvia Howland) と結婚した。彼らは全部で 6 人の子供がいた。

ウッドは 1814 年に鋳鉄製のはつど板プラウの最初のバージョンの特許を取り、 1819 年にこのプラウの改良版の特許を得た。 1819 年の特許は米国でプラウに与えられた 19 番目の特許であった。鋳鉄製のプラウに対しての最初の特許は 1793 年のニュージャージー州のチャールズ・ニューボールド (Charles Newbold) に与えられた。プラウの開発期間中に彼はトーマス・ジェファーソンと文通していた。ジェファーソンは少し異なる方向でプラウの改良をしていた。

1819 年モデルの試験から、石だらけの畑を耕しても壊れることがないことがわかった。これは米国東部では非常に成功した。しかし米国中西部 (Midwest) の粘土の土壌と草が茂る土地にはそれほど効果がなかった。

プラウの発明以後、ウッドの時間と金の多くは国中の小規模製造業者を特許侵害で訴えることに浪費された。小規模業者は彼のデザインをコピーしたのであった。このような訴訟の一つである「ウッドの一方裁判」 (Ex parte Wood)は最高裁まで到達した。

訳注

Ex parte (エクス・パルティー) とは当事者全員がいなくてもよい裁判のこと。

ウッドは 1834 年に貧困のうちに亡くなった。彼は「かなりの財産」をすべて使って、彼の発明を完璧にし、特許訴訟をし、彼の発明からは全部で $550 も儲けなかった。

ウッドの特許は 1833 年に議会法で延長され、彼の子供たちは特許侵害に対して戦い続け、何年かの間キャンペーンをして特許の法律を変更させようとした。

ウッドの発明は後にジョン・ディア (John Deere) の更なる改良により取って代わられた。ディア (Deere) の発明はプラウに研磨したスキの刃 (plowshare) を装着することで、これによりプレーリーの草が茂る土壌を切り裂くことが可能となった。

ジェスロ・ウッド・ハウス -- ウッドのニューヨーク州のポプラー・リッジ (Poplar Ridge) のウッドの住居 -- は 1964 年に国の歴史的ランドマークに宣言された。