以下の文書は以下の日本語訳です。

Chelmer and Blackwater Navigation - Wikipedia

チェルマー・ブラックウォーター水路はイングランド東部、エセックスの チェルマー川 (River Chelmer) とブラックウォーター川 (River Blackwater) の運河化である。 水路はチェルムスフォード (Chelmsford) のスプリングフィールド・ベイシン (Springfield Basin) からマルドン (Maldon) の近くのヘイブリッジ・ベイシン (Heybridge Basin) の海水門までの 13.75 マイル (22.13 km) を走っている。 これは 1797 年に開通し、2003 年に至るまで、元々の会社のコントロール下にあった。 今ではエセックス・ウォーターウェイズ社 (Essex Waterways Ltd.) により運営され、 この会社は内陸水路協会 (Inland Waterways Association) の完全子会社である。

マルドンのコルチェスター・ロードからの水路

水路はチェルムズフォードのスプリングフィールド・ベイシンから、 メルトンの近くのヘイブリッジ・ベイシンの海水門まで走っている。 水路には 6 基の橋がかかり、ベイシンから海に至るまで、16 基の水門を通り抜け、 75 フィート (23 m) を降下する。 ビーリー (Beeleigh) には 1 セットの洪水ゲート (flood gates) もあり、これはブラックウォーター川の ヘイブリッジに至るカット (掘割、cut) に氾濫することを防止している。 水路はチェルムズフォードとマルドンの間で、大まかには西から東に蛇行し、 大体は耕作に適した田園地帯を通り抜ける。 幾つかの村の近くを通り抜けるが、このすべてが水路からある程度の距離がある。

水路の実際の建設が始まる前に、このような計画の提案とマルドン港からの反対が、 ほとんど 120 年間あった。 これは船舶がチェルムズフォードまで行くことができれば、マルドン港の収入が減ると思ったからである。 このような計画の最初のものは 1677 年にアンドルー・ヤラントン (Andrew Yarranton) により提案され、 彼は 「海と陸によるイングランドの改良」 (England's Improvements by Sea and Land) と題した本で、彼の考えを出版した。 マルドンは反対し、この計画からは何も得られなかった。 1733 年 7 月に、John Hore -- 彼はケネット水路、ストラウドウォーター水路、ブリストルのエイボン水路に関わった -- が 2 つの計画を提案し、 1 つが川を航行可能とするもので、 もう 1 つがチェルムズフォードとマルドンの間に新しい掘割 (cut) を建設するものであった。 運河の場合には予測される余分な経費にもかかわらず、Hore は運河の計画の方を好んだ。 というのは彼は川沿いの製粉業者 (miller) からの反対が少ないと信じたからである。 マルドンは再び商業上の理由から反対をし、計画は取りやめとなった。

次の計画は 1762 年に提案され、この時、運河技術者の ジョン・スミートン (John Smeaton) とトーマス・ヨーマン (Thomas Yeoman) の双方が、可能なルートの測量をした。 ヨーマンは 1765 年に 2 回目の計画を作成し、これが議会に提示された。 ヨーマンは土木技術者として高水準で、 計画の反対者は適当な技術者を採用して、対案で対応しようとしたが、 明白な選択肢となる多くの人は、ジェームズ・ブリンドリーも含め、忙しすぎたため断った。 まもなく、フェルディナンド・ストラトフォード (Ferdinando Stratford) とウィリアム・ストラトフォード (William) が仕事を引き受けたが、 どちらも悪寒と熱病を患い、これによりフェルディナンドが無くなり、 一方、ウィリアムは一年間病に倒れたが、回復した。 計画を承認する議会法が 1766 年 6 月 6 日に通解したが、 条件があり、工事は 12 年以内に完了しなければならず、また資本の 25% が集まる前には 工事を開始できなかった。 計画は失敗になった、というのは要求された資本の予約がなかったからである。

Peter Muilman は 1772 年 10 月 2 日にチェルムズフォードで会合を呼びかけ、 川の改良を提案した。 しかしこれに続く会合で、新しいカット (cut) の方がより良い解決であると決定された。 Muilman が表明したことは、この計画は恐らく水門を必要とせず、Robert Whitworth が一旦測量すれば、建設を擁護することであった。しかしここからは何も得られなかった。 国内の他の場所の水路が貢献する町がますます繁栄するにつれ、 ついに 1792 年にチェルムズフォードの人々はマルドンをバイパスすることによってこの町の反対を避け、 水路をヘイブリッジで終了することに決定した。 この場所はマルドンの下流のブラックウォーター川の川沿いにあった。 ジョン・レニーの指揮の下で、 チャールズ・ウェジ (Charles Wedge) は 1792 年にルートを測量し、 マシュー・ホール (Mathew Hall) は 1793 年に測量した。 新しいルートは水路の長さをおよそ 2 マイル (3.2 km) 長くするが、 この計画は議会法の基礎になった。 マルドンの活発な反対にもかかわらず、法案は 1793 年 6 月 17 日に議会法になり、 「チェルマー・ブラックウォーター水路会社の所有者の会社」 (The Company of the Proprietors of the Chelmer and Blackwater Navigation) が創設され、株式を発行して £40,000 を集め、必要であれば更に £20,000 を集める権限が与えられた。 工事が間もなく開始した。 公式にはジョン・レニーが主任技術者であったが、 プロジェクトは Richard Coates により管理された。 彼は 「イプスウィッチ・ストウマーケット水路」 (Ipswich and Stowmarket Navigation) でもレニーの手助けをした。 Richard Coates の墓はスプリングフィールドの教会にあり、 ここにレニーの元々の運河の測量記録が保存されている。

マルドン港は今や損失を軽減しようとして、ベンジャミン・ラトローブ (Benjamin Latrobe) の助言で、 ブラックウォーター川を、マルドンを通り抜けてビーリー (Beeleigh) におけるチェルマー川とのジャンクションまで改良する計画を 作成し、これが 1793 年に議会に提示された。 これがヘイブリッジに至る最後のカット (掘割、cut) を冗長にすることに気づき、 水路会社は法案に反対し、これを打ち破った。 ラトローブは 1795 年 4 月に修正した計画を提示し、これも敗北した。 これにより英国におけるラトローブの技術者としての経歴が終わりとなり、彼はその後すぐに、 アメリカに移住した。 水路では工事が継続し、ヘイブリッジ・ベイシンからリトル・バッドゥ (Little Baddow) に至る最初の区間が 1796 年 4 月に開通し、 1797 年 6 月 3 日に水路の全線が開通した。 最終経費は £50,000 ほどであった。

完成時に水路の長さは 13.8 マイル (22.2 km) で、 12 基の水門が水路の水位を 75 フィート (23 m) 降下させ、 チェルムズフォードのスプリングフィールド・ベイシンからヘイブリッジ・ベイシンの海水門に至っていた。 追加の停止水門がビーリー (Beeleigh) で、新しいカットを洪水から守った。 ここで水路はチェルマー川のコースを離れて、ブラックウォーター川のコースに入り、 その後でヘイブリッジ・ベイシンに至る最後の 2.5 マイル (4.0 km) のカット (掘割、cut) に進入する。 ブラックウォーター川の水はチェルマー川に迂回され、 ビーリー水門と停止水門の間の堰から流れ落ちた。 水路はわずか 2 フィート (0.61 m) の水で建設され、英国の商用水路で法令の最小喫水であった。 最大の頭上余地は 6 フィート 3 インチ (1.9 m) である。 水門は 60×16 フィート (18.3×4.9 m) のハシケを収容するように建設され、 各ハシケはおよそ 25 トンを運ぶことができた。 これらは馬で牽引され、1960 年代までこのままで、 1960 年代に船外ディーゼル・エンジンが装着された。 唯一の支線は Langford ミルに至るもので、これはウェストクーム氏 (Mr. Westcomb) により私的に建設された。 水路は 1870 年代まではよく利用されたが、1881 年より後には利用されなくなった。

共同体がヘイブリッジ・ベイシンのまわりで発展し、 木びき (sawyer, のこぎりで木を切る人) の Richard Tovee と石炭商人の Thomas Malden の 2 人は土地を購入し、 自分達の職を推し進めた。 水路会社は穀物貯蔵所を建設し、ここに傷みやすい物資が保管され、 ロープ製造業者とボート大工 (boat builder) も近くに開業した。 まもなくパブと醸造業者が登場し、集落が着実に大きくなった。

水路は初期の困難さを被り、1797 年の洪水で浅瀬ができ、これはハシケの通過を妨げた。 これらはどんどん悪化し、1799 年にレニーが呼び戻されて、問題に対処した。 レニーは 1805 年に再び呼ばれ、この時は製粉業者が水門の水漏れに不平をこぼし、損害賠償を要求した。 更に改良され、これにはジェームズ・グリーン (James Green) によるヘイブリッジの海水門の再建があり、 トレードは着実に発展した。 英国で最初の内陸ガス工場が 1819 年にチェルムズフォードで建設され、 水路で持ち込まれた石炭を使用した。 石炭以外に、レンガ、石、木材、そして一般貨物がヘイブリッジから、 チェルムズフォードに運ばれ、 逆方向の主な貨物は穀物と小麦粉 (flour) であった。 地元の複数の波止場が リトル・バッドゥ (Little Baddow)、 ボアハム (B oreham)、 ウルティング (Ulting)、 そしてヘイブリッジの共同体に貢献した。 19 世紀中頃の最盛期には運河は年間 60,000 トン以上の貨物を運んでいた。

水路の 12 基の水門は：

イースタン・カウンティーズ鉄道 (Eastern Counties Railway) は 1843 年に チェルムスフォードに到達し、ウィザム (Witham) からの支線が 1848 年にマルドンに到達したが、 2 つの町を結ぶ直通路線はなかった。 トレードは衰退したが鉄道の影響は多くの運河ほど著しくなかった。 第二次世界大戦に引き続き、ヘイブリッジ・ベイシンに進入するための海水門は 107×26 フィート (32.6×7.9 m) に拡張され、 大陸からの材木を運ぶ沿岸船がベイシンに進入して、積み荷をハシケに積み替えることができた。 交通は少しづつ衰退し、最後の材木の積み荷が 1972 年にスプリングフィールド・ベイシンの ブラウン造船所 (現在のトラヴィス・パーキンズ (Travis Perkins)) に配達された。 商用交通は停止したが、 水路は水の抽出と堤防に育つヤナギの木材の売却により収入を得た。 ヤナギはクリケットのバットに使用され、 木は 1880 年代に始めて植えられた。 この時ディレクターの 1 人が別の収入源の必要性に気が付いた。

水路が普通と違っているのは、 1948 年に英国の他の大半の水路が国有化された時に、国有化されなかったことで、 元々の 「チェルマー・ブラックウォーター水路の所有者の会社」 (Company of Proprietors of the Chelmer & Blackwater Navigation Ltd) のコントロール下にあり続けた。

1972 年の商用交通の終了以前には、プレジャー・ボートが水門を使用することは禁止されていたが、 この日以後、水路のレジャー使用が奨励された。 しかしながら、水路会社は支払いができず、2003 年に管理下 (administration) に置かれた。 [訳注：会社更生法と類似の手続きと思われる。] ブリティッシュ・ウォーターウェイズは打診されたが、彼らは水路を引き継ぐことを断った。 内陸水路協会 (IWA、Inland Waterways Associations) は管理者との交渉の後で、 2005 年 11 月に保守と操業の契約に署名し、 エセックス水路会社 (Essex Waterways Ltd.) と呼ばれる完全子会社を通じて、 水路の管理責任を引き継いだ。

エセックス水路会社は日々の水路管理をするが、 水路はなお 「所有者の会社」 (Company of Proprietor) により所有されている。 マルドンからチェルムスフォードに至る曳舟道は公共の歩き道として指定され、 良好な状態に維持されている。 ナロウ・ボートがペーパー・ミル水門で借りることができ、 インフラは着実に向上している。 ブラックウォーター川から水路への進入は潮の適当な状態の時のみ可能で、 海水門を使用するには事前予約が必要である。

ペーパー・ミル水門の標識

保守の多くは地元のボランティアにより実施され、 水路復原グループ (Waterway Recovery Group) からのボランティアは言うまでもなく、 これは IWA の一部でもある。 定期的な工事パーティが水路の保守を助け、これには曳舟道、水門、そしてそれ以外の構造を良好に保っている。 多くの最近の改良はボランティアにより実施された。

ブラックウォーター・チェルマー運河	ブラックウォーター・チェルマー運河

ペーパーミル水門 リトル・バッドゥ	ペーパーミル水門 リトル・バッドゥ