以下の文書は以下の日本語訳です。

Moissac Abbey - Wikipedia

モワサック修道院」：　 Google map、 フォトスフィア

モワサック修道院 は南西フランスの タルヌ・エ・ガロンヌ県 (Tarn-et-Garonne) モワサックの ベネディクト会 と クリュニー会 (Benedictine and Cluniac) の修道院であった。 中世の建物の幾つかが生き延び、これに修道院教会が含まれ、 入り口の近くに有名・重要なロマネスク彫刻がある。

修道院教会の ロマネスク様式の南扉	南西 portico のティンパナム

伝説によれば、モワサック修道院はフランク族の王 クロヴィス (Clovis) 本人により、 506 年の 西ゴート族 (Visigoths) に対しての勝利後の日に設立された。 伝説によれば、クロヴィスは ローマ帝国の フォエデラティ (foederati) として前世紀にこの地域を支配した西ゴート族に勝利すれば、 1000 人の修道士がいる修道院を設立することを誓った (戦いで死んだ 1000 人の戦士の追悼のためであった)。 彼は丘の頂上から投げやりを投げて場所を決めて、 ここに「1000 人の修道士の修道院」を建設することになった。 不幸なことに投げやりは沼の真ん中に着地した。

しかしながら、歴史の記録で示されることは、これは 7 世紀の中頃にカオール (Cahors) の司教である聖ディディエ (Saint Didier) により設立された。

修道院の設立は困難であった。 というのは、南と西からは ムーア人 (Moors) による襲撃があり、 北からは ノース人 (Norsemen) による襲撃があったからである。 修道院は 732 年頃に アンダルスのアラビア人 (Arabs of al-Andalus) により 2 度略奪され、 9 世紀にはノルマン人 (Norman) の海賊により, そして 10 世紀には マジャル人 (Hungarian) により略奪された。

11 世紀は修道院にとり劇的な時であった。 1036 年に、保守をしなかったため屋根が崩壊し、 1042 年には深刻な火災があった。 トゥールーズ (Toulouse) の司教であるデュラン・ド・ブルドン (Durand de Bredons) は 1047 年にクリュニー修道院長 (abbot of Cluny) に オディロン・ド・メルケール (Odilon de Mercœur) を任命して、修道士のだらしのなさに対抗して、 速やかな改革をしようとした。

1063 年に かなりの復元工事と共に、 新しい教会の建物が追加された。 教皇ウルバヌス 2 世が 1097 年に訪問し、主祭壇を奉献し、1097 年 5 月 7 日付けの 教皇勅書 (Papal Bull) を発行し、 修道院に 40 の教会を返還した。 彼は回廊の建設も命令し、1100 年に完成した。

南のポータルの 預言者エレミア

11 世紀と 12 世紀は最初の黄金時代であった、 というのは、モワサック修道院はクリュニー修道院 (abbey of Cluny) と 提携し、 モワサック修道院長且つトゥールーズ司教である デュラン・ト・ブルドンの指導の下に クリュニー改革を受け入れていたからである。 教皇の支援、巡礼路における位置、 建物の復元、そしてブルドンの改革により、修道院はフランスで最も強力なものの 1 つになった。 12 世紀には、モワサック修道院長はクリュニー階級で、クリュニー修道院長に次ぐのみで、序列で 2 番目になった。

この期間に、修道院は主要な修道院長であるドムユノ・ド・ガバレ (Dom Hunaud de Gavarret) 及びドム・アンスキティーユ (Dom Ansquitil) によって統率され、 彼らは入り口とティンパナム (Tympanum) を建設させた。 13 世紀にはレイモン・デ・モンペザ (Raymond de Montpezat) が、 そして次に修道院長且つ建築家のベルトラン・ド・モンテギュ (Bertrand de Montaigut) が修道院を支配した。 エメリク・ド・ペラク (Aymeric de Peyrac) が 15 世紀にサン＝ニコラ＝ド＝ラ＝グラーヴ (Saint-Nicolas-de-la-Grave) の城で、 「年代記」 (Chronicle) を書いて、この時代を述べている。

修道院の写字室 (scriptorium) で作られた彩色写本 (Illuminated manuscripts) は 17 世紀に ジャン＝バティスト・コルベール (Jean-Baptiste Colbert) によりパリに持ち込まれ、 今では フランス国立図書館 (Bibliothèque Nationale) にある。

(2 人の) 修道院長の ピエール・ド・カラマンとアントワヌ・ド・カラマン (Pierre & Antoine de Caraman) の支配によって、15 世紀が新しい黄金時代を先導した。 2 人の建築プログラムには特に修道院教会のゴシック部分が含まれていた。 1626 年に修道院の世俗化によりベネディクト会の修道士は回廊を去ることになったが、 この回廊は 1000 年近くもの間、ベネディクト会の生活の中心であった。 彼らをアウグスティヌス・キャノン (Augustinian canons、[訳注：キャノンの冒頭を参照]) で交代したのは、コメンダトリー・アボット (commendatory abbot, 修道院長で聖職録を受給しているが、内的修道院規律に関して権力を行使しない人) の下においてであり、 このような人には良く知られた枢機卿もおり、例えば マザラン (Mazarin) 及び ド・ブリエンヌ (de Brienne) がいた。

1793 年に、フランス革命によりモワサックの修道院生活が終了した。 セント・ピエール (St Pierre) の修道院教会は比較的無傷で、なお活発な教会であるが、 離れた建物は随分と苦しんだ。 19 世紀中頃に、鉄道軌道の敷設により、危機に陥ったが救われ (もっとも食堂はレールの切断を容易にするために取り壊された)、 歴史的なモニュメントとして指定された。 1998 年以来、教会と回廊は 世界遺産 フランスにおけるサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 ("Routes of Santiago de Compostela in France") の一部として国際的に保護されている。

興味ある建築様式の造作に含まれるものに教会の南西の ポルチコ (portico) -- 彫刻の付いた 胸壁 (crenellated structure) がある -- はロマネスク芸術の重要な傑作である これは像彫刻の拡張を、視野と大きさで反映し、 彫刻の使用を聖域から公的な外部に拡大した。

ティンパナム (Tympanum) は 黙示録 (Book of Revelation) の啓示 (Apocalypse) を描いている。 ティンパナムを支えて、 トゥルーモウ (trumeau、中柱) が呼び物にするのは 預言者イザヤ (Prophet Isaiah) の彫像 -- ロマネスク彫刻の抜きんでた実例 -- で、 サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院 (Santo Domingo de Silos) の作品に比較可能である。 回廊もロマネスク彫刻を呼び物にしている。

回廊の奉献石 (consecration stone)