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Norias of Hama - Wikipedia

ハマーのノーリア (Norias of Hama, アラビア語： نواعير حماة) とは 17 基の一連のノーリアのことで、 シリアの ハマー市の オロンテス川 (Orontes、/ɔːˈrɒntiːz/) 沿いの、灌漑用の 歴史的な揚水機械である。 これらは背の高い水車で、箱のような集水用の仕切り (compartment) が縁のまわりに埋め込まれている。 川が流れると、水を集める箱が水中に押されて、すぐに水で満たされ、 水車の頂上に押し上げられて、そこで水道 (aqueduct) に注がれる。 水道 (aqueduct) は水を運んで、 建物, 庭園, そして農地に給水した。

ハマーの元々のノーリアの 17 基が保存されている。 これらが注目に値するのは、 中世の起源であること、 数が多いこと、 この中の 2 基が巨大な大きさ --- 500 年近く世界で最も背の高い水車 --- であることである。 21 世紀には、ハマーのノーリアはもはや水を供給しないが、 中世イスラム世界の先進的な給水技術として有名であり、 回転する時の印象的な光景と音響 (sound) の理由から有名である。 2006 年、 2 つの巨大なノーリアの古い方 --- ノーリア・アル=ムハマディア (Noria al-Muhammatiya、1361 年) --- が アメリカ機械技術者学会 (American Society of Mechanical Engineers) により、 技術における重要な進展をしるしたものとして、 「歴史的機械工学ランドマーク」 (Historic Mechanical Engineering Landmark) の指定を受けた。

オロンテス川のハマーのノーリア

多くのノーリアが少なくとも 12 世紀末までにハマー (Hama) で操業していたことの強い根拠がある。 2 つのとりわけ大きなノーリアは、明確な日付がその銘文からわかる： 1361 年のノーリア・アル=ムハマディア (Noria al-Muhammadiya)、 1453 年の Noria al-Ma'muriyya。

しかしながら、幾つかのノーリアが何世紀も前から ハマー (Hama) で操業していたことは完全に可能性がある。 13 世紀の地方歴史家が書いたことによると、ノーリアは 9 世紀末以来ハマーに存在していた。 ノーリアが紀元 350 年までにハマーの近くで使用されたことは、ノーリアの画像を持つモザイクやタイルから 判断され、これは同じ オロンテス川 (Orontes) 沿いのローマの都市である アパメア (Apamea) で見つけられ、 ハマー (Hama)の下流 30 マイル (55 km) にある。 これらのノーリアの画像は今日のハマー (Hama) のものと著しく類似したデザインを示している。

7 世紀中頃に、ハマー周辺地区は拡張するイスラム・アラブ国家に征服・吸収された。 イスラム・アラブ国家は遭遇する --- ノーリアのような --- 新しい技術を 熱心に習得・改良して、 自分たちの使用に拡張した。 ハマーの最も最初のデザインはローマ / ビザンチン時代 に建設されたか、 あるいはその後のイスラム社会で確立した地元のデザインで建設された。

ハマー (Hama) にノーリアを建設する明らかな理由はオロンテス川 (Orontes) の勾配がないことと、 この堤防の高さであり、これによりノーリアが 川から水を引く最も現実的な選択肢となっている。

これらのノーリアの起源はこの場所の元々のノーリアを言及する、 というのはすべての機能する歴史的な水車と同様に、ハマーのノーリアは 何世紀もの間に繰り返し、修復・再建されたからである。 というのは木造部品は継続的に取り換える必要があったからである。 1 つの見積もりによれば、よくメンテナンスされたノーリアは 15 年毎に 完全に木造部品を取り換えられる。 ハマーではこのようなノーリアのメンテナンスはノーリアの技能大工の一族により 実施され、彼らはこの役割を世代を通して受け継ぎ、この慣習は現在まで生き延びている。

水車は下掛け形式 ('undershot' type) であり、 下を流れる水によって駆動され、水車のパドル (paddle, 羽根) が押される。 高さに関しては、最高のノーリアは直径が 21 メートル (69 フィート) で、 最小のものは 7 メートル (23 フィート) である。 少なくとも、 5 基のノーリアは 17 メートル (56 フィート) 以上である。 これらの水車には異なる部品に異なる木材を使用している。 巨大な軸と軸受けはクルミの木で作られ、 ポプラは水車の他の部分に広範囲に使用され、 松とオーク (oak) も言及されている。 小さな木造の集水コンパートメント (water collection compartment) は、 羽根 (paddle) の間に埋め込まれ、羽根によって川が水車を駆動する。 集水コンパートメントは箱に類似し、 1 つの側面の半分が開放され、ここに回転の最高点での水の注ぎ口 (spout) がついている (下の近接写真を参照)。 大半のハマーのノーリアは一対の羽根 (paddle) の間に集水箱がある。 場合によっては、集水箱はもっと間隔が広く、例えば 5 枚の羽根ごとに 1 つの箱がある。 水の積載容量では、異なるノーリアに応じて箱は 4～12 リットル (1～3 US ガロン) に変化する。 ハマーのノーリアの送水量は 1 時間あたり 50,000～200,000 リットル (13,200～52,800 US ガロン) で、 ノーリアの大きさに依存する。 ノーリア・アル=ムハマディア (Noria al-Muhammadiya) を 「歴史的機械工学ランドマーク」 (Historic Mechanical Engineering Landmark) として指定することに関連して、 アメリカ機械技術者学会 (American Society of Mechanical Engineering) の報告で、 14 基のハマーのノーリア各々の短い説明が与えられている。

ハマーのノーリア、水車の縁に木造の集水箱があり、大きな開口部と注ぎ口がついている。 手前には石の水道 (aqueduct) の上端があり、ここに水が注がれる。

ハマーのノーリアは常に堰のすぐ下流にある。 堰は低いダムで、これにより確実に川の動力がノーリアの水車に至る水路に集中している。 川の水位が低ければ、すべての水は堰にあるノリアの水路を通り抜ける； 川の水が高ければ、余分な水は単に堰を越えて流れる。 堰にはしばしば追加の水路とゲート (sluice gate) があり、 水車への川の圧力 (river pressure)、従ってノーリアの回転速度を微調整する。 時には 2 基、3 基、あるいは 4 基ものノーリアが同じ堰を共有し、 1 基あるいは 2 基のノーリアが川の各側面にある。 このノーリアの群れ (clustering) は Al Dbiyat のハマーのノーリアの地図と ハマーの衛星地図 (satellite view map) の 識別ビューアー (discerning viewer) で明らかである。 時には堰がノーリアと角度を持って建設され、川の力が集中されて、 水車に至る水路で最大になるようになっている。

ノーリアは背の高い石のアーチの上に建設された水道 (aqueduct) に水を放出する。 水を確保するために各水道 (aqueduct) には水車と川に並行するとても短い区間がある。 これは 90° で水道の主区間と合流する。 水道 (aqueduct) によっては、同じ高さの 2 つのノーリアから水を受け取り、 水車に平行する短い区間の両側にノーリアが 1 基ずつある。 水道 (aqueduct) の全長の大半は今では取り壊され、 今日ではほとんどの水道はとても遠くまでは継続していない。

ノーリアが灌漑に使用されていた時に、水道 (aqueduct) は 最後に水路 (water channels) に注ぎ、各水路は果物と野菜の複数庭園に給水した。 ハマーのノーリアの大半は豊かな地主によって所有されていたが、 その経費, メンテナンス, そして水はノーリアの水の所有者によって 秩序正しく集団を基礎にして共有された。 秩序正しい水の共有に関するそのようなシステムが 伝統的なイスラム社会で広く実践された。 園芸家はしばしば時間決めで水を共有し、 その場しのぎの石とぼろ布の小さなダムを調節して、 水路の分岐ヵ所で流れの向きを変えた。

この巨大な水車は直径が 21 m (69 フィート) ある。 これは 1 km (0.63 マイル) 先にある 「ハマーの大モスク」 (Great Mosque of Hama) に給水するために建設され、 公的な浴場 (hammam, bath house) と泉、 家屋と近くの庭園にも給水した。 建設時期の 1361 年は水道 (aqueduct) の銘文により確立され、 これはイスラム暦 (calendar) の 763 年を述べている。

このノーリアには 120 の集水箱がその縁に埋め込まれ、 1 時間に 200,000 リットル (52,800 US ガロン) の水を持ち上げる。 水車は 1 回転するのに 1 分かかり、 小さなノーリアよりも随分長い。

このような水の重さを支える水車を駆動するために、とても小さな角度 (acute angle) で、異常に長い堰が建設され、水車の底部で川の圧力を集中した。 この手はずはハマーの衛星地図 (satellite view map) ではっきりとみることができる。

500 年以上の間、 ノーリア・アル=ムハマディア (Noria al-Muhammadiya) は世界で最も背の高い水車であった。 1854 年に、ラクシー水車 (Laxey Wheel) がこれを凌駕した。 これは マン島 (Isle of Man) ---- イングランドとアイルランドの間の島 ---- の鉱山廃水用の水車である。 ラクシー水車はわずかに高いだけで、直径が 22.1 m (72.5 フィート) である。

1930 年代から 1950 年代末にハマーのノーリアは石油エンジン、あるいはディーゼル・エンジンにより 駆動される新しい灌漑ポンプと競走した。 モーター化されたポンプは事業家農民 (entrepreneurial farmer) に、 増大する人口のためにもっと多くの食糧を育てる余分な水を得る方法 を提供した。 ノーリアに対する深刻な打撃はハマー上流のラスタン・ダム (Rastan) の建設と共に 1960 年に到来した。 これにより オロンテス川 (Orontes) の水位が下がり、一年の何ヶ月間はハマーのノーリアは もはや操業できず、モーター化したポンプが連続的灌漑の唯一の手段になった。 不使用の魔力により、ノーリアの木材が、乾燥・縮小・ひび割れし、 これによりメンテナンスの費用が高くなった。 1970 年までに、ハマーで使用中のノーリアの数が、 デンマーク人の考古学者が書き留めた 1930 年代の 20 基から 8 基に減少した。 1977 年と 1981 年の間に 6 基のノーリアが復元された。

1982 年 2 月に、シリア軍の最初の バース党独裁者 (Baathist dictator) である ハーフィズ・アサド (Hafez Assad) がハマーに 大規模な攻撃を開始し、 ムスリム同胞団 (Muslim Brotherhood) による 武装蜂起を粉砕した。 3 週間、市は航空機により爆撃され、 大砲とタンクにより砲撃され、 最後には広い地域がダイナマイトとブルドーザーにより取り壊された。 何千人ものハマー市民が殺された。 ハマーの大モスク (Great Mosque) のような歴史遺産の建物 (Heritage building) が あとかたもなくなり (level to the ground)、 歴史的ハマーの大部分が、全くわからなくなってしまった。 ハーフィズ・アサド (Hafez Assad) にひいきにされた英国の伝記作者によると、 「歴史的市の中心部」 (historic inner city) のおよそ 1/3 が取り壊され、... ハマー全体が大規模に形が変わった ....」。 ハマーのノーリアへの影響に関しては情報が少ない、 というのはアサド政府 (Assad) は 1982 年の事件を言及することを固く阻止したからであった。 政府機関以外の情報によると、 木造のノーリア自身は広範囲の被害を被ることがなく、数ヶ月以内に再び回転したようである。 解答されていない重大な問題は、ノーリアの石造の水道 (aqueduct) が広範囲に破壊されたのが、 1982 年であったのか否かである。この破壊により今では水の有益な配送が不可能となっている。

アサド政府 (Assad) は歴史的ハマー (historic Hama) の限定された部分 --- 例えば大モスク (Great Mosque) --- を選択的に再建し、 残りを美化 (landscape)・再開発した。 ハマーを観光客の目的地にする政府の振興で、ノーリアは重要な役割を演じた。 ノーリアの復元が継続し、1988 年に頂点に達し、この時 7 基の ノーリアが復元された。 その結果 17 基のノーリアとなり、回転・揚水したが、遠くまで配送できなかった。 というのは水道 (aqueduct) が短くなっていたからである。 ノーリアは人気の高い歴史遺産の呼び物で、ハマーの春祭り (Hama Spring Festival) のような イベントではライトアップ (floodlit) され、この時はオロンテス川 (Orontes) の流れが良好で、 ノーリアが回転する。 昼には、あるいは夜には、見た目が壮観で、集水箱から垂れ落ちる水しぶきのカーテンが光を集めたり、 巨大な回転する影が落ちる。 音に関しては、多くのハマーのノーリアは 強力なうなり (groaning)、あるいはブーンとなる (droning or buzzing) 音を太い木造の軸から発生し、 これがノーリアにその名称を与えた。 ハマーの若者の間の古来のスポーツは動くノーリアに乗り、時にはその頂上から川に飛び込む。 これは 2005 年のオンラインのビデオに示されている。 ハマーのノーリアに関して現在利用可能なイラストと情報の多くは 1980 年代と 2011 年の シリア内戦 (Syrian Civil War) の期間中に、これら 17 基のノーリアから得られたものである。 1999 年にシリア政府は世界遺産 (World Heritage Site) の指定を得るためにハマーのノーリアをユネスコ (UNESCO) に申請した。

ハマーのノーリアは 2011 年に始まった 内戦 (civilian war) の最中に大まかには被害を免れた。 ハマーは保守的で好戦的な スンニ派 (Sunni Muslim) の都市 ---- ここでは非宗教的な バース党独裁 (Baathist dictatorship) が 1982 年の虐殺により増大した ---- として有名であったため、 反乱の予期された焦点の場所であった。 その結果、独裁者の バッシャール・アサド (Bashar Assad) は 最初からハマーの支配を維持しようとする非常に骨が折れる努力をした。 2011 年 7 月 8 月にアサド (Assad) はハマーのデモの大群衆に大量の致命的な軍隊を使用した。 その結果、アサド政府 (Assad) は市の支配を維持し、そのためハマーは空襲されることがなかった。 政府は反対派が支配する地域には空襲をしていた。

ハマーのノーリアの大半は生き延びた。 アメリカ科学振興協会 (American Association for the Advancement of Science) は ハマーの 10 ヵ所の戦争前の衛星写真を 2014 年のものと比較して、 重要な被害が何も起きなかったと結論した。 しかしながら 1 基のノーリアは 2014 年に意図的に燃やされ、幾つかは木材が略奪され、それ以外はメンテナンスのないことで苦しんだ。 オン・ラインの英語マガジン 「アラブ・ウィークリー」 (Arab Weekly) の 2020 年代中ごろの記事で、 伝統的なノーリアの職人とのインタビューがあった。 彼はハマーのノーリアであるアル=ムハマディア (al-Muhammadiya) を復元中で、 ノーリアに責任があるハマーの当局者であった。 ノーリアを復活する地元市民のイニシャチブが進行中であったが、 資材のための資金がないことと適切に熟練した伝統的な職人が深刻に不足し、これが困難であることがわかった。 職人は紛争の最中に死亡したり、移住したりしていたのである。

大きなハマーのノーリア	ハマーのノーリア	ハマーの水車	ノーリア・アル=ムハマディア (Al-Na'urah al-Muhammadiyah)、 20 世紀始め