ウッドブリッジ潮汐ミル (Woodbridge Tide Mill)

イングランド、サフォーク (Suffolk) のウッドブリッジの ウッドブリッジ潮汐ミルは潮汐ミルの珍しい実例で、この水車はなお回転し、完全な小麦粉 (wholemeal flour) を製粉することが可能である。

訳注

wholemeal の意味に関して、 Wholemeal - definition of wholemeal by The Free Dictionaryによると、
(Cookery) Brit (of flour, bread, etc) made from the entire wheat kernel. US and Canadian term: whole-wheat
としてあり、完全な小麦粉 (wholemeal flour) は『「ぬか」が入っていない』の意味と思われます。

ミルはグレード I の指定建造物 (listed building) である。これは 3 階建ての建物で、木造である；　外見は白いサフォークの板で覆われ、ギャンブレル屋根 (Gambrel roof) がある。ここの機械は産業革命初期の技術と成果を反映し、保存されて一般に公開されている。展示目的のために建設した貯水池は広さがほぼ半エイカーで、元々の 7 エイカー (28,000 m²) の貯水池は今ではマリーナである。

この場所の潮汐ミルの最初の記録は 1170 年の中世のミルである；　どれほど多くのミルがそこにあったのかは不明である。このミルは、中世の地元のアウグスティヌス修道院 (Augustinian priory) により、操業され、1536 年の「修道院の解体」 (Dissolution of the Monasteries) の最中に、ヘンリー 8 世により獲得された。アウグスティヌス修道院は「修道院の解体」のすぐ前にミルを再建した可能性がある。このミルと以前のウッドブリッジ修道院 (Woodbridge Priory) はエリザベス 1 世により、トーマス・セックフォード (Thomas Seckford) に譲渡された。このミルは色々な個人の所有者の手を経て、17 世紀に再建された。このミルが今日保存されているものである。

第二次世界大戦が勃発するまでに、このミルはなお操業中である 1 握りのミルの 1 つとなった。 1957 年に、これは英国で商的に操業中の最後の潮汐ミルとして閉鎖した。 1968 年に遺棄されたミルはジャン・ガードナー夫人 (Mrs Jean Gardner) により買収され、復元プログラムが開始した。これは 5 年後の 1973 年に公開された。これは今ではボランティアがスタッフを務める慈善トラスト (ウッドブリッジ潮汐ミル・トラスト (Woodbridge Tide Mill Trust)) により管理され、 2011 年にはトラストは更に、もっと完全な復元と現代化プロジェクトを手掛け、これには新しい水車と完全に復元された機械が含まれ、これにより製粉が再び開始した。これは 2012 年に再開し、今では定期的に小麦をひいて、完全な小麦粉 (wholemeal flour) を売るために製造している英国でたった 2 つしかない潮汐ミルの 1 つである。


潮汐ミルの詳細	潮汐ミルの内部