シリウス
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SS Sirius (1837) - Wikipedia
SS は steam ship (蒸気船) の意味です。
シリウスは船体が木造の舷側外輪船で、 1837 年にロンドン・コーク航路 (London-Cork route) のために建造され、 セント・ジョージ蒸気パケット会社により操業された。 翌年、この船は大西洋横断の蒸気乗客輸送に従事したが、 これはこの船がブリティッシュ・アメリカン航行会社により 2 回の船旅の ためにチャーターされたからである。 この船はグレート・ウェスタンより 1 日早くニューヨークに到着したことにより、 通常はブルー・リボン賞の最初の保持者であるとされる。 もっとも「ブルー・リボン賞」の用語は何十年も後にならないと使用されなかったが。
シリウス は船首から船尾まで 178 フィート 4 インチ (54.4 m) の長さで、 倉内の深さは 18 フィート 3 インチ (5.6 m) である。 この船の幅は 25 フィート 8 インチ (7.8 m) で、喫水は 15 フィート (4.6 m) である。船には荷を 412 トン積むことができ、総トン数は 703 トンであった。
この船ではウィンゲート社 (Wingate & Co.) の製造した二基のシリンダーから成る蒸気エンジンが二基の外輪を駆動していた。 ボイラーは動作圧がおよそ 5 psi (34 kPa) の蒸気を供給し、 船の最高速度は 12 ノット (22 km/h) であった。 この船は最大 460 トンの石炭を積むことができ、 2897 海里 (5,365 km) を平均速度 6.7 ノット (12.4 km/h) で進むことができた。
シリウス は凝縮器を搭載した最初の蒸気船の 1 つで、 真水を使用することができ、海水を使用することを避けることができた。 海水を使用すると、時々ボイラーを停止して、洗浄する必要があった。 残念なことに、これにより石炭の使用が増えた。
シリウス はセント・ジョージ会社の蒸気船の中で最も大きなもので、 名声あるコーク・ロンドン間の輸送用にデザインされ、 この輸送を 1837 年 8 月に開始した。
シリウス が完成した時に、 2 つの別の会社が提案されていた大西洋王電乗客輸送のために蒸気船を建造していた。 ブリティッシュ・アメリカンの ブリティッシュ・クイーン はこの船のエンジンを建造していた会社が破産した時に後れを取った。 ライバルの グレート・ウェスタン は、建造が中断されることなく継続し、 1838 年 4 月には最初の航行の準備ができていた。 ブリティッシュ・アメリカンのディレクターの 1 人が シリウス をチャーターすることを提案した。 石炭と 45 名の乗客で積みすぎとなったシリウスは 4 月 4 日にアイルランドのコークを出港し、 18 日間と 4 時間 22 分 (8.03 ノット) の航行の後にニューヨークに到着した。 通常の西に向かうパケット帆船は 40 日かかった。 石炭が少なくなった時に、乗組員は船室の家具や、予備の複数の帆桁と 1 本のマストを燃やし、 ジュール・ヴェルヌの 「80 日間世界一周」 の類似の話のくだりを触発した。 グレート・ウェスタン は シリウス よりも 4 日後にエイヴォンマス (Avonmouth) を出発したが、 追い越すまでに 1 日までの所まで来ていた。 シリウス はコーク・ニューヨーク間の横断航行には明らかに小さすぎたため、 たったもう一度往復した後に、所有者に戻され、サンクトペテルブルクへの航行を 1 回した後に、 セント・ジョージ社の通常航行に戻った。 但し、ルートはコーク・グラスゴー間になった。
1839 年に英国海軍本部はハリファックス (Halifax) に至る大西洋横断の郵便輸送の入札をした。 セント・ジョージ蒸気パケット会社は シリウス に関連して、 コーク・ハリファックス間の 1 ヶ月の 1 度の輸送を 45,000 ポンド、 コーク・ハリファックス・ニューヨーク間 1 ヶ月に 1 度の輸送を 65,000 ポンドで応札した。 グレート・ウェスタンもブリストル・ハリファックス・ニューヨークの輸送で応札した。 しかしながら、海軍本部はどちらの応札も拒否した。 その理由はどちらの会社も 2 週間に 1 度の輸送を応札で提供しなかったからで、 契約はキュナードに授与された。
1840 年代後半に シリウス は新しいボイラーを設置するために、 ハルにあるギブソンのドライ・ドックに送られたが、そこに 2 年以上も滞在した。 その理由はドライ・ドックを特別に長くする必要があったからである。 資金上の困難さからセント・ジョージ社は 1844 年に資金を補充 (refinance) して、 コーク市蒸気船会社となり シリウス はアイルランド海で通常に雇用された。
シリウス は 1847 年に難破した。 1 月 16 日、グラスゴーからダブリンを経由して、コークに至る航行で、 積み荷と乗客共々に、アイルランドのバリーコットン湾 (Ballycotton Bay) で濃霧の中で岩礁に衝突した。 再浮上したが船はひどく浸水していることがわかり、 岸辺に蒸気航行している時にバリーコットンから半マイルにあるスミス岩 (Simith's Rock) で (再び) 難破した。 着水した唯一隻の救命艇はひどく積みすぎていて、 荒れた海にのまれ、12 名の乗客と 2 名の乗組員が溺死した。 船上に残った 91 名の大半は、岸辺まで通したロープにより救出されたが、 全部で 20 名の命が失われた。