ウォーター・スロープ (Water slope)

ウォーター・スロープとはインクラインの一種で、運河や川において、ボートをある水位から別の水位に上昇・下降するためのものである。

【訳注：下の写真はどちらもモンテック・ウォーター・スロープの写真です。左の方が原文に掲載のもの。右の方は Montech water slope に掲載されているものです。】

ウォーター・スロープとは傾斜した水路のことで、移動可能なゲートを使用し、 19 世紀末にドイツの技術者である Julius Greve によって発明され 1961 年にフランスの技術者である Jean Aubert により実現された。斜面を上昇するには、ゲートを開けてコンクリートの水路にボートを進入する。次に水路の底部のゲートを閉じてボートが浮いている楔形の水を水路の中に隔離する。移動可能なゲートをコンクリート製の水路の中で引きずり上げて、楔形の水を押し上げ、上段の水位まで引き上げる。楔の中の水位を上段の運河の水位と同じにすれば、ボートは外に出ることができる。

ウォーター・スロープを下降するには上昇の逆をすればよい。

フランスにはウォーター・スロープは 2 つあり、どちらもフランス南部にある。モンテック・ウォーター・スロープ (Montech water slope, Pente d'eau de Montech) はガロンヌ運河 (Cannal de Garonne) にある。フォンセランヌ・ウォーター・スロープ (Fonsérannes Water Slope) はミディ運河 (Canal du Midi) にあって、ベジエ (Béziers) の近くにある。これは商用のバージ (はしけ) が隣接する閘門の階段を迂回できるようにしたものである。後者のウォーター・スロープは 2001 年 4 月 11 に見捨てられた。

訳注

ミディ運河 - フランス観光開発機構には「フォンセランヌの 7 段の水門」のことが述べられています。
運河の地図にミディ運河の全体図を掲載しており、その中に「フォンセランヌ・ウォーター・スロープ」の位置を書き込んであります。拡大して、衛星写真に変更するとウォーター・スロープのそばに 7 層の階段水門が見え、船も見えます。上の文章から判断すると現在は階段水門の方が使用されているようです。