レーテ・リフト橋 (Rethe-Hubbrücke)

レーテ・リフト橋のそばに新しい橋が建設されています。 Google map で衛星写真にすると、建設中の写真が表示されます。ストリート・ビューは新しい橋の建設が始まる前のものが表示されます。恐らく、数年以内にどちらも更新されると思われます。

レーテ・リフト橋はハンブルク港のインフラの一部分で、ハンブルク港公社により道路・鉄道用の橋として管理されている。橋はライアーシュテーク水路 (Reiherstieg) からレーテ水路への流入口を横断し、ホーエ・シャール島 (Hohe Schaar, 南側の島のこと) とノイホフ島 (Neuhof、北側の島のこと) と (昔の) 東部自由港に接続している。これにより、ケールブランド橋 (Köhlbrandbrücke) とカットヴィク橋を通る交通が互いに避けることができるようにしている。バスキュール橋による交換の橋が 2016 年に自動車用に開通した。リフト橋は取り除かれることになっている。

訳注

ライアーシュテーク水路 (Reiherstieg) はエルベ川の分流である南エルベ川 (Süderelbe) から北エルベ川 (Norderelbe、エルベ川本流) に抜ける水路で、レーテ水路はライアーシュテーク水路から南エルベ川に抜ける水路です。
カットヴィク橋はホーエ・シャール島から南エルベ川の南岸に向かい、ケールブランド橋はノイホフ島から南エルベ川の南岸に向かう。

この橋は 15 ヶ月の建設の後で、1934 年 6 月 20 日に開通した。この建設は第 3 帝国の職の創生活動であった。橋は 50 メートルの昇降塔と共に、この種のものとしては世界中で最も大きなものの 1 つであった。 32.25 m の上昇高により、航行路の垂直余地は 42 m であった。橋のスパン長は 77 m であるが、(航行路の) 幅は 44 m しかない。この理由は橋がレーテ水路に 63° の角度で架かっているからで、これは (橋が) 鉄道軌道に沿う必要があるからである。上部構造は 14 m の幅がある。

橋は、要求されて、年間におよそ 3000 回、開放している。鉄道は橋の上にあるが道路面にはない。しかし、鉄道は橋の北で道路と水平交差し、更に鉄道駅のホーエ・シャール (Hohe Shaar) からカットヴィク (Kattwyk) の方向に至る軌道は橋の南で道路と平面交差する。これは道路と鉄道の交通の邪魔にもなる。

第二次世界大戦の最中に橋はひどく損傷した。 1950 年代に至るまで、まだ存在していた現代的な鋼は勝利した連合国に賠償として引き渡さなければならなかった。従って、溶接することができない古い鋼が橋の修復に使用された。 1972 年には船の衝突があった。 1985 年には 15 年から 20 年の寿命を持つように基本的な修復が実施された。橋の上下の動きは更に増大され、航行路の垂直余地は 53 m になった。 2009 年に、滑車が 2 回壊れてから、すべての滑車が更新された。

2011 年 6 月に、バスキュール橋の工事が始まった。この橋は古いレーテ・リフト橋のすぐ西に建設され、これの代わりになることになっていた。

この橋は 104 m のスパンがあり、64 m 幅の航行路と無制限の垂直余地を開放する。この橋は別々の油圧で動作する 2 枚リーフから構成され、道路用には 14 m の幅があり、鉄道用には 10 m の幅がある。開放にはおよそ 4 分かかり、閉鎖にはその 2 倍かかる。南に向かう道路を高架にすることにより、鉄道と道路の 2 つの平面交差が削除された。

橋の建設依頼主はハンブルク港公社である。デザイン計画は技術事務所の「GRASSL 助言技術」 (GRASSL Beratende Ingenieure) と「Sellhorn 技術共同事業」 (Sellhorn Ingenieurgesellschaft) により実施された。建設は "Arge レーテ橋" により実施され、この会社はホッホティーフ・ソルーション (Hochtief Solutions)、ビルフィンガー F+Z (Bilfinger F+Z)、そしてワーグナー・ビロー (Waagner Biro) の合弁会社であった。

訳注

GRASSL Beratende Ingenieure = GRASSL Beratende Ingenieure Bauwesene: ホームページ
Sellhorn Ingenieurgesellschaft: ホームページ
Hochtief Solutions: ホームページ
Bilfinger: ホームページ
Waagner Biro: ホームページ

新しいレーテ橋はその建設完了時 (2016 年夏) にはヨーロッパで最大のバスキュール橋である。新しいレーテ橋が道路交通に開通したのは 2016 年 7 月 11 日である。古いリフト橋は新しい橋の操業 (恐らくは 2016 年/2017 年) の後に修復されることになる。

グーグルの翻訳ページはグーグル翻訳の応用で、時々誤訳をしています。例えば上の文章の「歴史」の箇所の 2 段落目の 2 つ目の文は：

原文： Das Bahngleis liegt zwar auf der Brücke nicht in der Straßenfahrbahn, überquert aber die Straße nördlich der Brücke, weitere Gleise aus dem Hafenbahnhof Hohe Schaar Richtung Kattwyk kreuzen die Straße südlich der Brücke.

翻訳： The railroad track is not on the bridge, but crosses the road north of the bridge, and further tracks from the harbor station Hohe Schaar in the direction of Kattwyk cross the road south of the bridge.

これでは意味が通じません。最初の方の記述から、この橋が道路・鉄道の両用の橋であることが分かっているので、「鉄道軌道は橋の上にない」と書かれていることは矛盾するので誤訳していることがわかります。そこで原文の方に改行を入れてやります。

原文： Das Bahngleis liegt zwar auf der Brücke
nicht in der Straßenfahrbahn,
überquert aber die Straße nördlich der Brücke, weitere Gleise aus dem Hafenbahnhof Hohe Schaar Richtung Kattwyk kreuzen die Straße südlich der Brücke.

翻訳： The railroad track is located on the bridge
Not in the roadway,
But crosses the road north of the bridge, further tracks from the harbor station Hohe Schaar direction Kattwyk cross the road south of the bridge.

これで意味がある言葉になりました「鉄道の軌道は橋の上にあるが、道路面にない」 (つまり路面電車のようになっていない) と翻訳され、改行こそあれ、これで正しい訳文が手に入ったことになります。つまりグーグル翻訳は文章の切れ目を理解していないようなので、使用する人が適当に切れ目を入れると正確になる場合があります。グーグル翻訳はドイツ語やフランス語の場合にはほぼ完成の域に近い。但し、誤訳になっている時に切れ目の入れ方は色々試してみる必要があり、かなり時間が浪費されます。

文章を分割すると意味がある文章になることがありますが、この点に関してもう少し注意することがあります。それは独語では 2 つ以上の単語を続けて 1 つの単語にまとめることがよくあります。このような単語は辞書に載っておらず、 Google 翻訳は誤訳したり、翻訳できないため原語がそのまま訳文にのっていることがあります。この場合は単語を分割すると正確な訳になることがあります。これはドイツ語以外にもオランダ語などにもあてはまることです。

これ以外でグーグル翻訳は専門用語などの決められた訳語を知っていないことがあります。例えば Klappbrücke (バスキュール橋) があります。これはグーグル翻訳は直訳して folding bridge (折り畳み橋) と訳します。大抵、Wikipedia では、この用語にはリンクが張ってあり、 Klappbrücke の説明のページにジャンプでき、すぐにもこれがバスキュール橋 (跳開橋) のことであることが記載内容でわかります。(翻訳ページではリンクが有効になっており、そのままジャンプし、再度翻訳されたページが表示される。(但しページ内リンクは動作しないのでこの場合は面倒なことになる。)) この機能があるため、ほぼ大体最初から意味がわかることになります。つまり、Wikipedia のように、用語の詳細ページを別に参照することができれば、通常の用語と違う用語が翻訳用語として使用されても意味がすぐわかることになります。

しかし、これは少し問題があり、Wikipedia の項目の記載者、あるいは誰かがリンク先を間違た場合には非常に困ることになります。例えば、folding bridge (折り畳み橋) があります。日本語の Wikipedia の可動橋にはこの「折り畳み橋」の説明があり、これはバスキュール橋とは違う橋のことです。英語ではバスキュール橋のことを折り畳み橋とは呼びませんが独語ではバスキュール橋の呼称はまれで、通常は折り畳み橋となり、ここで用語が衝突することになります。ドイツ語版のバスキュール橋の記載者はこれを知らなかったようで、あるいは不注意に、バスキュール橋から独語版の折り畳み橋にリンクがあり、英語で折り畳み橋と呼ばれる橋の説明がある。 (絵を見ればすぐわかる。)

更にもう少し本質的な問題があることに気が付きました。用語が 1-1 に対応していない場合には Google 翻訳では一般的には困難になる。

Wikipedia の橋の内容に関するような項目で Google の翻訳ページがかなり効果を持つのは地図とストリートビューが使える利点があるためです。特定の橋の説明には原文に必ず座標が書かれており、この場所を Google map で広げることができるので、地理的なことに関する説明では地図を見ながら内容を確認できます。更にグーグルのストリートビューが使えれば、その場の状況がわかるため、変な文章になっていても何を言いたいのか見当がつくことがあります。これは英語版の Wikipedia の内容を日本語に翻訳する時に誤訳を避けるために始終している事ですが、独語 → 英語 → 日本語の翻訳の場合にも当然使える手段です。


レーテ・リフト橋	夜のレーテ・リフト橋	レーテ・リフト橋が半分上昇した。


バスキュール橋の建設場所と進入路と古いレーテ・リフト橋	レーテ・バスキュール橋の北側の建設場所