以下の文書は以下の日本語訳です。

Second Severn Crossing - Wikipedia

セカンド・セバーン・クロッシング： Google map、

セカンド・セバーン・クロッシング (ウェールズ語：Ail Groesfan Hafren) は イングランドとウェールズの間のセバーン川に架かる M4 自動車道 (M4 mortorway) の橋であり、 HRH ウェールズ皇太子 (HRH = His Royal Highness) により 1996 年 6 月 5 日に落成し、 1966 年に建設された元々のセバーン橋 (Severn Bridge) の交通容量の補足をしている。 橋の位置はセバーン川の下限で、セバーン河口 (Severn Estuary) の開始点である。

セバーン・ビーチから見た セカンド・セバーン・クロッシング	セカンド・セバーン・クロッシング を他の横断と、河口自身との 関連で表示する地図

橋は古い橋 (セバーン橋) の更に南にあり、 M4 の陸側に近いため、橋を利用すればイングランドとウェールズの間の行き来が短くなる。 橋の両側のジャンクションは大半の交通がこの橋を使用するようにデザインされ、 古いセバーン橋を使用するには、M4 から離れ、オースト (Aust) か、 あるいはマーゴ (Magot) の近くで M48 に出る必要がある。 新しい橋はまだ使用されているセバーン橋よりも多くの交通を通している。 新しい橋はセバーン橋よりもずっと広く、3 車線と硬い路肩が双方向に走り、 これと比較すると、元々のセバーン橋は 2 車線、自転車用通路と狭い歩道がある。 橋の通り道はセバーン・トンネルに近く、このトンネルは 1886 年以来、川底の下で鉄道を通している。

河口の大半は潮が低い時には干潟になるが、 潮が高い時には 14 メートル (46 フィート) の水で覆われる。 これにより技術者には制約が課せられた。 工事のある部分は潮が低い時に計画され、 潮の干満により解放される短時間に完成しなければならなかった。

建設資金を供給し、橋を建設・操業するコンソーシアムに与えられた利権は 元々のセバーン橋の未払いの負債を引き継ぐ必要があり、 2 つの橋を一体のものとして操業する必要があった。 通行料は政府により前年度の 「小売物価指数」 (Retail Price Index) の 変化に基づいて年ごとに決定される。 利権が消滅する時にコンソーシアムは橋を公共の所有に手渡す必要がある。 2012 年に報道されたことによると、 返済は 2020 年代初頭にまで続きそうであり、 これは操業者がデビット・カードとクレジット・カードの返済を引き受けることの交換として、 新たな取り決めをしたことによっていた。 返済が完了した時にも、通行料は同じレベルのまま残りそうであると表明された。 しかしながら、2017 年 7 月に通行料が 2018 年末に廃止されると表明された。

セバーン河口はブリストル地域と南ウェールズの間の障壁であった。 河口は最大の干満差が 14.5 m で世界で 2 番目に大きく、満ち潮、引き潮の時には 8 ノット (4 m/s) までの強い潮流がある。 河口の大半は干潟で、引き潮の時に出現する； これらは特別保護地区 [訳注：EU 野鳥保護区] に指定されている。 河口の中心部は航行水路で、橋の場所では "ザ・シューツ" (The Shoots, 流れの激しい場所) として知られる。 橋はエイボン川の流入口 (Avonmouth) とブリストル港の上流にあるが、シャープネス港 (Port of Sharpness) の下流にある。 グロスター港受託者 (Gloucester Harbor Trustees) は橋の上流の河口の潮汐水路の航行の制御に責任がある。

1966 年まで、道路を利用する人はオースト・フェリー (オースト渡し船) -- これは中世からあり、1926 年からはカー・フェリー -- を利用するか、グロスターまで 57 マイル (92 km) の迂回をする必要があった。 1966 年に最初の道路用のセバーン橋 -- 4 車線の吊り橋 -- が開通し、イングランドと南ウェールズの間に M4 自動車道を通した。 1984 年までに、最初のセバーン橋を横断する交通は 3 倍になり、 1990 年代中頃までには古いセバーン橋は満杯の状態で走ることが予測された。 第 2 のクロッシング (横断) -- トンネルであれ橋であれ -- の建設を調査することが依頼された。 コンサルタントは 1986 年に報告を返し、 新しい橋を既存の橋の下流に建設することを勧告した。

1988 年、 私的なコンソーシアムが資金繰りをして橋を建設し、一定期間橋を操業するための入札が要請された。 コンソーシアムは古い橋の管理と付随する £1億 の負債を引き受けることになった。 1989 年に入札が要請され、 1990 年に橋を建設する利権はセブン・リバー・クロッシング plc に与えられた。 建設工事は 1992 年 4 月 28 日に開始し、橋は 1996 年 6 月 5 日にウェールズ皇太子により 開通式が取り行われた。

橋の建築・美学のコンサルタントはパーシー・トーマス共同経営会社 (Percy Thomas Partnership) のロナルド・ウィークス (Ronald Weeks) であった。 橋の入口はウェールズ側では モンマスシャー (Monmouthshire) のサッドブルック (Sudbrook) に近く、 イングランド側ではサウス・グロスターシャー (South Gloucestershire) のセバーン・ビーチに近かった。 橋には 3 つの主区間があり、 イングランド側に長さ 2,103 m (6,900 フィート) の 25 スパンの高架橋、 ウェールズ側に長さ 2,077 m (6,814 フィート) の 24 スパンの高架橋、 そして橋それ自身があり、 これは 948 m (3,110 フィート) の構造で、 37 m (121 フィート) の航行余地がある。 橋の全長は 5,128 m (16,824 フィート) である。 中央区間は ザ・シューツ橋 と呼ばれ、 ケーブル支え橋 (cable-stayed bridge) のデザインで、 中央スパン (橋の 2 つのパイロン間) は長さ 456 m (1,296 フィート) である。 進入高架橋は分割式デザインの橋 (segmental bridge design) である。 橋は非常に微かな S 字型カーブを成している。 -- 道路は各入口でおよそ東西の配置を取り、 一方中央の橋はおよそ 西北西 - 東南東 の配置を取っている。

ザ・シューツ橋、航行路は 2 つの塔の間にある。

セバーン鉄道トンネルは河口の下を通過し、 一般に橋のおよそ 500 m 程上流を通っているが、 イングランド側では橋の下を通っている。

路面は双方向に 3 車線を通し、幅 34.6 m (114 フィート) である。 橋の両側面には 3 m (9.8 フィート) のバッフル・プレート (baffle plate) が装着され、 セバーン河口から橋に押し寄せる横方向の風の荷重を削減した； これにより速度制限の必要回数を少なくした。 新しい橋の全体的デザインは、古いセバーン橋よりも強風下で抗性 (resistant) を持っている。

橋は公共・私的共同事業 (public-private partnership) の下で、 事業コンソーシアム (business consortium) により建設された。 ジョン・ラング plc (John Laing plc) と GTM-Entrepose により率いられた 「セバーン川クロッシング plc」 と呼ばれる会社が新しい橋を建設するために作られた。 この会社が新しい橋を管理・保守することは無論の事、 古いセバーン橋の管理・保守の責任も引き継いだ。 新しい橋の建設経費は 2 つの橋を使用する自動車から徴収する通行料により、 返済されることが期待されている。 新しい橋の工事は 1992 年に開始した。 完成は 1996 年であった。

橋の部分組立は地上で実施され、大きなキャタピラー付きの車両 (ケープ・ケネディーでアポロやスペース・シャトルを移動するのに使用されたものと類似なもの) により移動されて、ハシケ (SAR 3) に載せられ、 次に満ち潮の時に建設現場に浮かべられた。 進入高架橋の 37 基の橋脚の基礎は 98.11 メートル (321.9 フィート) 離れ、 重さ 2000 トンまでの開放コンクリート・ケーソン (open concrete caissons) から構成され、ケーソンは河口の岩の上に設立されている。 路面は 3.6 m (11.8 フィート) のポスト・ストレスされた互いに全く同様な区間から構成され、 各々 200 トンの重さがある。

セカンド・セバーン・クロッシングの建設

橋のケーブル支え区間は長さが 1,044.7 メートル (3,427.5 フィート) であり、 34.6 メートル (113.5 フィート) 幅の路面から構成され、 路面は鋼製のプレート・ガーダーと強化コンクリートの厚板の合成から作られていた。 これらは岸でプレハブ方式によりあらかじめ製造され、 平衡カンチレバーの方法を使用して定位置に設置した。 (橋には) 2 基の背の高い 2 本脚のプレ・ストレスされたコンクリート製のパイロンがあり、 240 本のケーブルを通し、ケーブルが橋の路面を支えて 川床から 149 メートル (489 フィート) 上に上昇し、 あるいは路面から 101 メートル (331 フィート) 上に上昇している。 建設時に、ケーブルの振動に遭遇し、第 2 のケーブルがこれを消去するために追加された。 主ケーブルの美学からの逸脱を避けるために、第 2 のケーブルはとてもきゃしゃで、簡単には気が付かない。

1994 年の夏に橋の路面を設置するガントリー・クレーンがグウェント高架橋 (Gwent viaduct) に落下し、 200 トンの路面ユニットが下の路面に落下した。 これはプロジェクトを 2 週間遅らせたが、業者は 2 年後に予定通りに橋を完成した。

橋の建設前には環境主義者達は色々な懸念と批判を表明した。 とりわけ建設工事の直接の被害と車両交通の予期された増大からの 長期汚染の影響であった。

橋はセバーン河口の干潟の上を通過し、東の進入路は イングリッシュ・ストーンズ (English Stones) の上にあり、これは潮が低い時に姿を見せる岩の露頭である。 河口の湿地帯は渡り鳥のすみかで、 渡り鳥には ハジロコチドリ (ringed plover)、 アカアシシギ (redshank)、 チュウシャクシギ (whimbrel) がおり、 一方冬には、 ダイシャクシギ (Eurasian curlew)、 ハマシギ (dunlin)、 ダイゼン (grey plover) がいる。 鳥はゴカイ (ragworm, lugworm) と他の無脊椎動物 (invertebrate) を エサにしている。 塩性湿地 (saltmarsh) が岸のそばにある。 アマモ (eelgrass) が生えている場所が風雨から保護された泥土手や砂土手に見受けられる。 1976 年に渡り鳥により使用される湿地帯としての重要性が認められ、 247 km² (95 平方マイル) の場所が ラムサール条約の場所として指定された。 1988 年にセバーン河口は特別保護区 (Special Protection Areas) に指定された。 同じ年に 99 km² (38 平方マイル) の地域が SSSI (特別自然環境保護区, Site of Special Scientific Interest) として通知され、 翌年に指定された。 1995 年に、これはラムサール条約の場所全部にわたるまで拡張された。

ハマシギがエサを取っている。 ハマシギはセバーン河口で冬を過ごす 多くのウェイダー (ぬかるみを歩く鳥) の 1 つ。

工事の行程から、セバーン川は一時的に濁りが増大した。 アマモ (eelgrass) は短期間のきつい濁りや、その結果光が失われることには 適当に耐えるが、 セバーン川でアマモ (eelgrass) の生えている場所が建設中に随分と減少したことが観察された。 進入路と料金所の建設により、湿地帯の牧草地 (wetland pastureland) の幾つかが 永久に消滅した。

2003 年と 2004 年に実施された実地調査によれば、橋は色々な鳥の飛行通路にほとんど影響を与えない。 ダイシャクシギ、ハマシギ、タゲリ (lapwing) は橋に近づくと高度を上げて飛び越えるが、 ミヤコドリ (oystercatcher) とキョウジョシギ (turnstone) は橋の下を飛ぶ。 調査から橋は大半の鳥がねぐらにつく習慣には最小の影響しかない。 もっともマガモ (mallard) の群れは橋のすぐ下にねぐらを作り、 多くは橋脚の 1 つの乾いたコンクリートの基礎の上をねぐらにする。 同様に、橋は鳥のエサを取る習慣にはほとんど影響していないと言われた -- キョウジョシギ (turnstone) とタゲリ (lapwing) は橋のすぐ下の干潟でエサを取ったことが記録されているが、 他のウェイダー (wader、ぬかるみを歩く鳥) がいないのは、なぎさが岩まじりであるとの理由にされた。

コンソーシアムは 2 つの土木技術会社と 2 つの銀行から構成され、 橋の資金と建設を担い、橋の利用者の通行料から、 経費を償還する 30 年間の権利があった。 2018 年に権利期間の終わりに、橋は公的に所有され、 英国道路庁 (Highway English) により管理される。

通行料は西向きの交通のみから徴収され、料金所は橋のウェールズ側の入口から 2.1 km 程のロギエト (Rogiet) の近くにある。 通行料の支払いは現金、主なクレジット・カード、主なデビット・カード、 あるいはセバーン TAG システムによる。 後者は無線による料金徴収システムで、車両を止める必要がない。 現金、クレジット・カード、デビット・カードは有人のゲートで使用でき、 クレジット・カードとデビット・カードは自動コイン・ゲートで使用できる。

西向き道路の料金所

通行料は 3 段料金システムに基づいている。

オートバイと、英国身体障害者バッチを持つ人が乗る車両は通行料を免除される。 もっとも、これらの車両は適格であることを確認するために料金ゲートで停止しなければならない。

通行料は 1992 年の 「セバーン橋法」 (Severn Bridge Act) に従って、毎年 1 月 1 日に更新される。 2008 年に英国 VAT (付加価値税) は 17.5% から 15% に削減されたが、橋の通行料は変化がなかった。 便利のために通行料は 10p (10 ペンス) の倍数で丸められた。 (橋の通行料は多くは現金で支払われる。というのはカードの支払いは 2012 年中頃までは受理されなかったからである。) しかし 13p の VAT の減額は直ちに反映されなかった。 2009 年に乗用車の計画された通行料は £5.50 となることが表明されたが、 実際の通行料は £5.40 であった。 当時の大蔵大臣であるジョージ・オズボーンが 2015 年 3 月に表明したことによると、 通行料は 2018 年に £5.40 に減額される。これは橋が公的な所有となり、VAT が廃止されるからであった。

2016 年英国予算で、オズボーンはセバーン・クロッシングで課せられる通行料は 2018 年に半減されることを表明した。

2017 年 7 月にウェルズ担当大臣のアルン・ケアンズ (Welsh Secretary, Alun Cairns) が表明したことによると、通行料は 2018 年末に廃止され、 これによりサウス・ウェールズの経済は年間でおよそ £1億 後押しされることになった。

セカンド・セバーン・クロッシングで課せられる通行料はセバーン橋のものと常に同一であった。

西のブリストル海峡を見る セカンド・セバーン・クロッシングが 遠くに見え、元々のセバーン橋が 手前に見える。

橋は £33000万 の経費 (VAT を除く) で建設され、会社 「セバーン川クロッシング Plc」 により所有されている。 2010 年 11 月現在では、セバーン川クロッシングは以下のように所有されている。

• 35% John Laing、英国の開発・インフラ操業者
• 35% ヴァンシ (Vince)、フランスの利権・建設会社
• 15% バンク・オブ・アメリカ (Bank of America)、米国の多国籍銀行・金融サービス会社
• 15% バークレーズ・キャピタル (Barclays Capital)、英国の多国籍投資銀行

会社の 2011 年の年次報告書によれば、同じ会社が子会社を通じて、 Plc の発行済みのすべての普通株を所有している。

セカンド・セバーン・クロッシングと元々のセバーン橋の所有権が 英国政府に復帰するのは、 「運輸大臣との利権合意」 (Concession Agreement with the Secretary of State for Transport) で定められたプロジェクトで要求された収入が集められた時である。 2010 年に利権は 2017 年に終了すると予期されていた。 2012 年に合意事項が変更されて、VAT と企業税の変更、及びクレジット・カード処理システムの設置費用を 反映するようにした。

正味の影響は 1989 年の価格で、要求された収入を £99583万 から £102891万 に増やす事であり、 契約が 2018 年まで延長された。 後に表明されたことによると、 これらの変更と将来の明示されない修理から、返済は 2020 年代初頭まで継続し、 利用者は返済が完了した後も通行料が削減されることを期待してはならないとのことであった。

2009 年 2 月 6 日に、 橋は開通以来、始めて天候により閉鎖された。 これは落下する氷が 3 台の車にあたり、フロントガラスに被害を与えたからであった。 悪天候と再び落下する氷により 2009 年 12 月にこれが再び繰り返された。 強風と濃霧により一時的に速度が規制され、ドライバーは電子掲示板で告知された。 セカンド・セバーン・クロッシングは空気力学的デザインがもっと先進的であったため、 最初のセバーン橋よりは 横風による制限を受けることがはるかに少なかった。

セカンド・セバーン・クロッシングの光景、イングランドのセバーン・ビーチから