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Appalachian Highlands - Wikipedia

以下の本文中で mountains は常に山脈とします。 山地と翻訳する場合があるようですが、ここではこの区別はしません。

原文で Green Mountains, Green Mountain section のように 2 種類の表記がある部分があるが、 後者は mountain を形容詞的に使用しているためではないかと思われる。(類似箇所が多々ある。)

アパラチア・ハイランズは、米国本土 (contiguous United States) で 政府が定義した 8 個の自然地理学的ディビジョン (physiographic division) の 1 つで、 カナダのアパラチア・アップランド (Appalachian Uplands) と結びつけると アパラチア山脈 (Appalachian Mountains) になる。 高地 (Highlands) は 7 つの自然地理学的プロビンスを含み、 これは米国の自然地理学的分類システムの第二レベルである。 自然地理学的分類の次のレベル ―― セクション / サブセクション と呼ばれる―― に、20 のユニークな 土地の地域があり、プロビンスの 1 つにはセクションがない。^[a]

アパラチアン高地自然地理学的ディビジョンを プロビンスに分割

アパラチア・ハイランズは多様な自然地理学的分割で特徴づけられる。

7 つのプロビンスは :

• アディロンダック (Adirondack)
• アパラチアン高原 (Appalachian Plateau)
• ブルー・リッジ (Blue Ridge)
• ピードモント (Piedmont)
• ニュー・イングランド (New England)
• セント・ローレンス (St. Lawrence)
• バレー&リッジ (Valley and Ridge)

アディロンダック山脈 (Adirondack Mountains) はニューヨーク州北東の 円形でドーム状の山脈で、幅がおよそ 160 マイル、 100 以上の峰があり、4000 フィート以上の高さの峰が少なくとも 40 ある。 200 以上の名前の付いた湖と幾つかのより小さな湖、池、そして他の水域が 3000 以上ある。 この地域には川が 1200 マイル以上ある。 現在の起伏の多くは氷河作用によっている。 山脈のまわりの名前の付いた湖の中に、 ジョージ湖 (Lake George)、 レイク・プラシッド (Lake Placid)、 そしてレイク・ティア・オブ・ザ・クラウド (Lake Tear of the Clouds) があり、 ハドソン川の水源となっている。

アパラチア・ハイランズの自然地理学的ディビジョンであるアディロンダック・プロビンス

「アディロンダック・ハイ・ピークス」 (Adirondack High Peaks) は高さが 4000 フィート以上、 あるいはそれに近いアディロンダック山脈の 46 峰の一覧である。 この一覧はすべての 46 峰が少なくとも 4000 フィートであると信じられた時に作られた。 後の測量によりわかったことは、 このうち 4 峰は実際には 4000 フィートより低かったことである。 4000 フィートの 1 つの峰も元々の一覧に含まれていなかった。 最高峰はマーシー山 (Mount Marcy) で、ここはニューヨークの最高点で 5,344 フィート (1,629 m) である。 山脈は地質学的に 10 億年以上の古代の岩から構成されているが、 160 マイル幅のドーム型地区は 山塊 (massif) と呼ばれ比較的新しい。 この理由からアディロンダック山脈は 「古い岩石の新しい山」 ("new mountains from old rocks") と言及されている。 理論的に想定されることは、この地域の地下に "熱い場所" ("hot spot") があり、 これが 1 年に 1.5 cm - 3 cm の継続した隆起を引き起こしている。

アパラチア高原は米国東部の、大きな切り裂かれた高原 (dissected plateau, 開析台地) で、 ニューヨーク州から南東のアラバマ州に延長している。 北西でエリー湖に並行して走るが、五大湖に隣接する土地を 含まない。 高原 (plateau) は堆積岩から構成され、 砂岩 (sandstone)、 礫岩 (conglomerates) 及び 頁岩 (shales) を含み、 古生代 (Paleozoic Era) 末期に堆積した。 これらの岩は一般に平坦に横たわるが、川に切り裂かれて(dissected, 開析されて)、 起伏の多い (rugged) 山のような地形を形成する。 この堆積岩に付け加えると、石炭の地層 (bed) は アパラチア高原を通して地元で重要で、この地域をアメリカの石炭産業の 中心にしている。

アパラチア自然地理学的ディビジョンのアパラチア高原プロビンス

アパラチア高原は幾つかの自然地理学的セクション (physiographic sections) を含んでいる:

• モホーク高原 (Mohawk Plateau, [訳注 Mohawk section]) はニューヨーク州北部の フィンガー・レイクス地域 (Finger Lakes region) にある。これは低い起伏 (low relief) となだらかな起伏の丘 (rolling hills) により特徴づけられる。
• カノーア・セクション (Kanawha province, [訳注 Kanawha section]) が含むのは、 ウェスト・バージニア州、 オハイオ州南東部、 ペンシルバニア州南西部、 ケンタッキー州北東部の大半である。 このプロビンス[セクション]の名称はカノーア川にちなんで名付けられ、 これはオハイオ川の支流である。
• 南部ニューヨーク・セクション (Southern New York province, [訳注 Southern New York section]) は オールバニ (Albany) の西、バッファロー (Buffalo) の 南で始まり、エリー湖に並行に走るが、湖岸には至らない。 クリーブランド (Cleveland) の南にあって、オハイオ州の北東部を取り込んでいる。
• キャッツキル山脈 (Catskill Mountains, [訳注 Catskill section]) はニューヨーク州南東にあり、景色が美しいことと、滝によって知られている。
• アレゲーニー山脈 (Allegheny Mountains, [訳注 Allegheny section]) は ペンシルバニア州とウェスト・バージニア州の中央にあり、 アパラチア高原 (Appalatchian Plateau) で最高の山脈である。
• カンバーランド高原 (Cumberland Plateau, [訳注 Cumberland Plateau section]) はケンタッキー州と テネシー州の南東にあり、おだやかに起伏する丘 (gently rolling hills) と 切り裂かれた谷 (dissected valley, 開析谷) により特徴づけられる。
• カンパーランド山脈 (Cumberland Mountains, [訳注 Cumberland Mountains section]) はアラバマ州中央にあって、 アパラチア高原 (Appalachian Plateau) の最南端の山脈である。

ブルー・リッジ・プロビンスは、より大きな 自然地理学的ディビジョンであるアパラチア・ハイランズ (Appalachian Highlands) の 自然地理学的プロビンスである。 このプロビンスはおよそ長さ 580 マイルで、北と南の 自然地理学的セクションから構成され、ロアノーク川ギャップ (Roanoke River gap) の近くで分割される。

より大きなアパラチアン・ハイランズ自然地理学ディビジョン におけるブルー・リッジ・プロビンス

北セクションはペンシルバニア州 ハリスバーグ (Harrisburg) のすぐ南から 狭い尾根に沿って走っている。

南セクションはジョージア州北部に張り渡す高原地域 (plateau area) であり、 最南端はジョージア州ドーソンビル (Dawsonville) のアミカロア山 (Amicaloa Mountain) の近くである。 セクションの最西端はジョージア州 マレー・カウンティ (Murray County) のカハタ山 (Cohutta Mountain) の 近くである。 ブルー・リッジ山脈 (Blue Ridge Mountains) は独特の青いかすみから命名され、 これは大気の汚染物質と水蒸気の存在により引き起こされ、 山脈の特徴的なかすみと認識される色に貢献している。

山脈は高度に変形した変成岩で作られ、大まかには 54100 万年以上前の先カンブリア時代 (Precambrian age) の 最中に発展した。山脈に含まれるものに : 片岩 (schists), 片麻岩 (gneisses), 粘板岩 (slates), 珪岩 (quartzites) があり、広範囲に火成岩 (igneous bodies) の侵入がある。 ブルー・リッジ山脈には バフィン島 (Baffin Island) より南の北米東部で最高の山々がある。 ブルー・リッジの最高峰はノース・カロライナ州の ミッチェル山 (Mt. Mitchell) で 6,684 フィートである。

ピードモント・プロビンスは、よりおおきなアパラチア・ハイランズ (Applachian Mountains range) の 自然地理学的プロビンスである。これは米国東部にあって、 ニューヨーク州からアラバマ州まで、およそ 900 マイルに広がっている。 プロビンスはハドソン川西側のサウス山 (South Mountain) 近くの ニューヨーク州 ロックランド・カウンティ (Rockland County) で開始する。

アパラチア・ハイランズ自然地理学的ディビジョンのピードモント・プロビンス

ピードモントの東の境界は滝線 (fall line) に沿って走り、 ここは川が硬い変成岩から柔らかい堆積岩に伝統的に急速に落下する場所である。 滝線では川が航行不可能となるため、川がこの境界を横断する場所には港町が登場する。 ピードモント東側は ニューヨーク州マンハッタンに並行して ハドソン川に沿って走り、 ニュージャージー州を通り抜けて、 以下の近くの線に沿う : フィラデルフィア、 ボルチモア、 ワシントン DC、 バージニア州 リッチモンド、 ノース・カロライナ州 ラーリー (Raleigh)、 サウス・カロライナ州 コロンビア (Columbia)、 ジョージア州 オーガスタ (Augusta)。 ピードモントの西側はあまり人がいない地域を通り抜け、 ハリスバーグ (Harrisburg) の南から、 アラバマ州 エルモア・カウンティ (Elmore County) の マータン湖 (Lake Martin) まで走る。

ピードモントには 2 つのセクションがある。 主要な部分はアップランド・セクション (Upland section) と呼ばれる。 プロビンスには 2 つの連結していないセクションがあり、ニューヨーク市とペンシルバニア州ハリスバーグ (Harrisburg) では ローランズ・セクション (Lowlands) と呼ばれる。

ピードモントは起伏する丘と谷で特徴づけられ、結晶質の変成岩 (crystalline metamorphic rocks) が 基礎になっていた。 ピードモントは地質学的に随分多様な地域である。 これが基礎となっているのは先カンブリア (Precambrian) から 新生代 (Cenozoic) までの年代にわたる多様な岩石である。 ピードモントの最古の岩は片麻岩 (gneisses) と片岩 (schists) で、 これはグレンビル造山運動 ( Grenville orogeny) の最中の 10 億年以上前に形成された。 これらの岩には後に古生代 (Paleozoic era) に花崗岩などの火成岩が侵入した。 中生代 (Mesozoic era) の最中に、ピードモントは浅い海で覆われ、 海は砂岩 (sandstone)、頁岩 (shale)、そして石灰岩 (limestone) を堆積した。 これらの堆積岩は後で変形し、新生代 (Cenozoic era) の最中に隆起した。

ピードモントは幾つかの重要な鉱物資源の生産地 (home) でもある。 この地域は金の鉱脈により長い間知られ、19 世紀に大々的に採掘された。 ピードモントで見つかる他の重要な鉱物には銅、鉄、雲母、そして花こう岩がある。

ニュー・イングランド・プロビンスは米国の、より大きな アパラチア・ハイランズディビジョンの自然地理学的プロビンスである。 これが含んでいるのは 5 つの再分割 (subdivision) : ニュー・イングランド・アップランド・セクション (New England Uplands)、 ニュー・イングランド海岸低地セクション (New England Seaboard Lowland)、 グリーン山脈セクション (Green Mountain)、 ホワイト山脈セクション (White Mountain)、そしてタコニック・セクション (Taconic) である。

アパラチア・ハイランズ自然地理学的ディビジョンの ニュー・イングランド・プロビンスの 5 つのセクション

• ニュー・イングランド・アップランズはメイン州 (Maine) の北端の点から ペンシルバニア州レディング (Reading) の南の地域に走る地域で、 他の 4 つのセクションに見られる注目に値する自然地理学の他の造作が除かれる。
• ホワイト山脈セクション (White Mountain section) はトラベラー山 (Traveler Mountain) のまわりの地域で開始し、 西に曲がってメイン州 / カナダの境界に至る。 名前の由来である ホワイト山脈 (White Mountains) はこのセクションの南の境界にある。
• グリーン山脈セクション ( Green Mountain section) は、 カナダとの国境から、 モントピリア (Montpelier) の西、 フーザック山脈 ( Hoosac Mountain Range) の南 のバーモント州にある。
• ニュー・イングランド海岸低地 (New England Seaboard Lowland) は カナダ - 米国の国境と南に沿ったメイン州の鼻を取り囲み、 メイン州 オーガスタ (Augusta), メイン州ポートランド (Portland), マサチューセッツ州 ボストン から、 ロード・アイランド州チャールストン・ビーチ (Charleston Beach) のあたりまで含む。 これはマサチューセッツ州 プロビンスタウン (Provincetown) の コッド岬 (Cape Cod) の北の端のみ を含み、 ナンタケット島 (Island of Nantucket) と ロングアイランド (Long Island) を除外する。
• タコニック・セクション (Taconic section) は グリーン山脈セクション (Geen Mountains) の西、 ニューヨーク州オールバニ―の東の タコニック山脈 (Taconic Mountain range) の一部分を含む。

ニューイングランドの岩盤の帯水層 (bedrock aquifers) の多くは 堆積岩 (sedimentary), 火成岩 (igneous) および変成岩 (metamorphic) を起源として固結 (consolidate) したものである。 これらの帯水層 (aquifers) の幾つかは、主にバーモント州の西の部分で、 炭酸塩の岩 (主に石灰岩、ドロマイト、大理石) から構成されている。 これらの固結岩 (consolidated rocks) が水を生じるのは、 主に 層理面 (bedding planes), 裂け目 (fracture), 結合部 (joints) そして断層 (faults) からであって。 粒間の細孔 (intergranular pores) からではない。

隣接する自然地理学的プロビンス (physiographic province) と同様に、 ニューイングランド・プロビンスの多くの部分は、ジュラ紀 (Jurassic) と 白亜紀 (cretaceous) の間に準平原となり (pereplained)、 次に隆起して、広範囲に切り裂かれ (dissected, 開析され)、そして 最後に氷河作用を及ぼされた。

セント・ローレンス峡谷 (St. Lawlence Valley) は、より大きなアパラチア・ディビジョン (Applachian division) の自然地理学的プロビンスで、 シャンプレーン自然地理学的セクションのみを含む。 セント・ローレンス平原は、広大・平坦な平原で、バーモント州とニューヨーク州にあって、 高度が 300m (1000 フィート) をほとんど超えない。 この地域は元々、森林-湿地帯の複合体であった、もっとも森林は今日ほとんど残っていない。

セント・ローレンス峡谷プロビンス、アパラチア・ハイランズ自然地理学的ディビジョンの シャンプレーン・セクションのみを含む。

このプロビンスはニューヨーク州においてカナダとの国境に沿って セント・ローレンス川の東側に接し、 バーモント州とニューヨーク州におけるシャンプレーン湖の大半を含んでいる。 セント・ローレンス峡谷プロビンスの北の境界の大半は、 カナダの自然地理学的ディビジョンに隣接しているが、 これはカナダにおけるアパラチア山脈 (Appalachian Mountains) の一部分ではない。 カナダはセント・ローレンス峡谷のすべての土地を「中央低地」 (Central Lowlands) の 一部分と考えている。 カナダのアパラチア・アップランズ (Appalachian Uplands of Canada) に 隣接するセント・ローレンス峡谷プロビンスの部分は 東ケベック・アップランズ (Eastern Quebec Uplands) に接触している。

バレー&リッジ・プロビンスは、より大きなアパラチア・ディビジョン (Appalachian division) の 自然地理学的プロビンスで、米国東部にある。 東側で隣接するのは ブルー・リッジ・プロビンス (Blue Ridge province) とピードモント・プロビンス (Piedmont province) で、 西側で隣接するのはアパラチア高原 (Apparachian Plateau) である。 プロビンスには 3 つのセクション : ハドソン・セクション (Hudson section)、中央セクション (Central section)、 そしてテネシー・セクション (Tennessee section) がある。

アパラチア・ハイランズ自然地理学的ディビジョンのバレー&リッジ・プロビンス、 北はハドソン・セクション、次は中央セクション、そして南はテネシー・セクション

• ハドソン・セクションは シャンプレーン湖の南の区間を取り入れ、 これにサウス湾 (South Bay) が含まれ、 ハドソン川が オールバニに向けて南を向く点まで 人造のシャンプレーン運河をたどる。 これはニューヨーク州スタートバーグ (Staatsburg) までハドソン川に沿って継続する。
• 中央区間が通り抜けるのは: ニューヨーク州、 ペンシルバニア州 ハリスバーグ (Harrisburg) の南、 次に バージニア州、ウェスト・バージニア州、 そして、バージニア州 テーズウェル・カウンティ (Tazewell County) のバークス・ガーデン (Burkes Garden) の境界の端である。
• テネシー・セクションはバージニア州南西部を通り抜け、 クリンチ山脈 (Clinch Mountains) に広がる。 これはテネシー州 ブリストル (Bristol) とテネシー州 ノックスビル (Knoxville) を含み、 南に向きを変えて、テネシー州 チャタヌーガ (Chattanooga) に至り、ここは西の方にある。 テネシー・セクションは ジョージア州ダルトン (Dalton) と ローム (Rome) に広がり、アリゾナ州 バーミンガム (Birmingham) に至り、 アリゾナ州 タスカルーサ (Tuscaloosa) に至る前に終了する。

このプロビンスは一連の北東 - 南西の傾向の 向斜 (syncline) と 背斜 (anticline) で、 古代初期の堆積岩から構成される。 石灰岩と頁岩は浸食されやすく、峡谷の大半を構成し、一方、もっと浸食抵抗性のある砂岩と礫岩 は尾根を作る。

バレー&リッジ・プロビンスは 1,200 マイル (1,930 km) 近くに延長し、 ニューヨーク州北部のセント・ローレンス峡谷 (St. Lawrence Valley) から アラバマ州中央の 海岸平野 (Coastal Plain) に至っている。 この幅は 14 マイルから 80 マイル (23 km から 130 km) まで変化する。 この地域は多くの貴重な ―― 経済的・地質学的歴史遺産の ―― 資源の産地である。 広大な無煙炭の地層がペンシルバニア州に存在し、 600 m (2,000 フィート) までの深さまで 採掘される。 鉄と亜鉛もバレー&リッジ・プロビンスで生産され、鉱物の赤鉄鉱 (鉄) と閃亜鉛鉱 (亜鉛) で採掘される。