キャルメット川 (Calumet River)

Calumet (/ˌkæljʊˈmɛt/) は正確にはキャリュメットとカナ表記をした方がよいと思われますが、グーグル地図にはキャルメットと表記されていることもあり、こちらに合わせます。

ややこしいのですが、Google map からわかるように、キャルメット川と呼ばれる川は 3 つあり、正確にはキャルメット川、グランド・キャルメット川、リトル・カルメット川の 3 つあります。

キャルメット川 (Calumet River、/ˌkæljʊˈmɛt/) はひどく産業化された川と運河のシステムで、イリノイ州シカゴのサウス・シカゴの近辺 (neighborhood) とインディアナ州ゲーリー市 (Gary, gâr′ē, găr′ē) の間の地域にある。歴史的には、リトル・キャルメット川 (Little Calumet River) とグランド・キャルメット川 (Grand Calumet River) は 1 つのもので、前者はインディアナ州からイリノイ州の中に西に流れ、次にゲーリー (Gary)のマーケット・パーク (Marquette Park) のミシガン湖河口に向かって東に流れた。

キャルメット (Calumet) の名称はアメリカ原住民の特別な形式の儀式パイプ (ceremonial pipe) のフランス植民地の名称であり、イリニウェック (Illiniwek) の間の普遍的な平和の印で、 1673 年にペレ・マーケット (Pere Marquette) に与えられた。

訳注

イリニウェック (Illiniwek) はイリノイ連盟 (Illinois Confederation)、イリニ (Illini) とも呼ぶ。アメリカ原住民の部族のグループ名。

人間が手を加えるまでは、水はインディアナ州ラ・ポルト郡 (La Porte County) から、リトル・キャルメット川 (Little Calumet River) に沿って西に流れ、ブルー・アイランド (Blue Island) でヘアピンで折り返し (hairpin turn)、グランド・キャルメット川に沿って東に流れ、インディアナ州ゲーリー (Gary) のミラー・ビーチ共同体 (Miller Beach community) でミシガン湖に流れた。この地域は極端に平坦で、川のコース、あるいは向きまで、何度も変わった。とても傾きが低いので、川はとても小さな流れである。

キャルメット川の産業開発は 1870 年頃に始まり、 1890 年までに、グランド・キャルメット川の西の区間 (reach) を汚染していたのは：製鋼所 (steal mill)、鋳造所 (foundary)、食肉包装工場 (meat packing plant)、にかわ (glue) とコーンスターチ (cornstarch) の工場であった。産業は 1890 年と 1910 年の間に川の東の区間 (reach) に沿って広がり続け、類似の結果になった。このような何十年かの無制約な汚染により、川の堆積物は今日まで高度に汚染されたまゝである。

2008 年 9 月に、インディアナ州レイク郡 (Lake County) とポーター郡 (Porter County) は国の災害地区 (national disaster areas) に宣言された。リトル・キャルメット川は堤防が決壊し、インディアナ州のマンスター (Munster) とハイランド (Highland) の町の一部分が氾濫した。 2019 年 9 月に、ルクセンブルク (Luxembourg) に本拠を置くアルセロール・ミッタル (Arcelor Mittal) がインディアナ州の当局者に通告したことは：バーンズ・ハーバー (Burns Harbor) の製鋼所からの有毒な流出がリトル・キャルメット川の支流に流出したことで、短期間ミシガン湖の 3 ヶ所の浜辺が閉鎖された。

キャルメット川は、シカゴの南側で、元々は単にキャルメット湖の水をミシガン湖に排水していた。これを拡張する運河 -- 伝説では始終ポーテッジをしている場所でボワヤジェ (voyageurs) により作られた -- が、掘削されて、2 つのキャルメット川をつなぎ、このつないだ場所は、現在グランド・キャルメット川がリトル・キャルメット川に名前が変わる場所であった。

訳注

ボワヤジェ (voyageurs) に関してはポーテッジに簡単な説明がある。

T. J. オブライエン水門&ダム (T.J.O'Brien Lock and Dam) が 1960 年に川を横断して設置され、ミシガン湖と川の間の水の動きを制御した。

グランド・キャルメット川は、ミラー・ビーチ (Miller Beach) に源泉があり、 16.0 マイル (25.7 km) を流れ、ゲーリー (Gary)、イースト・シカゴ (East Chicago)、そしてハモンド (Hammond) を通り抜け、更にはイリノイ州側のキャルメット・シティ (Calmet City), バーナム (Burham) を通り抜ける。川の流れの大半はインディアン・ハーバー&船舶運河 (Indian Harbor and Ship Canal) を経由して、ミシガン湖に排水され、 1 秒間に 1500 平方フィート (43 m³) を湖に送っている。今日、川の流れの多くの部分が源泉とするのは：都市と産業の下水、冷却水と処理水、そして雨水の氾濫 (storm water overflow) である。排出は少なくなったが、幾つかの汚染物質は地域に害を与えている。

リトル・キャルメット川は元々、インディアナ州ラポート郡 (LaPorte County) のニュー・ダラム・タウンシップ (New Durham Township) で、グランド・キャルメット川とキャルメット川の合流点に流れていたが、 1926 年のバーンズ水路 (Burns Waterway) の建設は、事実上、」リトル・キャルメット川を西と東の支流に分断した。西の支流は現在、「本来のリトル・キャルメット川」 (Little Calumet River proper) と呼ばれ、これが通り抜ける、あるいは境界を通る町は：ポーテッジ (Portage)、レイク・ステーション (Lake Station)、ゲーリー (Gary), ハイランド (Highland)、グリフィス (Griffith)、マンスター (Munster)、そしてハモンド (Hammond) で、次にサウス・ホーランド (South Holland)、ドルトン (Dolton), ランシング (Lansing), キャルメット・シティ (Calumet City)、ハーベイ (Harvey)、リバーデイル (Riverdale)、フェニックス (Phoenix)、ディクスムア (Dixmoor)、バーナム (Burnham)、そしてイリノイ州のブルー・アイランド (Blue Island) で、グランド・キャルメット川とキャルメット川の合流部に接続する。この川の支流は 41 マイル (66 km) の長さである。この流れは、1926 年以来、バーンズ水路 (Burns Waterway) により、マンスター (Munster) のハート・ディッチ (Hart Ditch) の東の部分と分割され、東の部分は東に向かってバーンズ水路 (Burns Waterway) に流れてミシガン湖に流出する。マンスター (Munster) のハート・ディッチ (Hart Ditch) より西の部分は西に向かって、キャルメット川とキャル・サグ水路 (Cal-Sag Channnel) に流れる。リトル・キャルメット川は 109 マイル (175 km) の川と支流があり、 213 平方マイル (550 km²) の集水域がある。主な支流はディープ川 (Deep River) とその部分支流 (sub-tributary) のターキー川 (Turkey Creek)、リトル・キャルメット川の東支流 (East Arm) のソールト川 (Salt Creek) 支流である。

訳注

ハート・ディッチ (Hart Ditch) はリトル・キャルメット川に南から接続する運河です。 Google map ではどういうわけだか表示されていない。衛星写真にすると一応表示されている。 (少し画面が暗いので注意しないと見えない。)

イースト・アーム・リトル・カルメット川 (East Arm Little Calumet River) はリトル・カルメット川イースト・ブランチ (Little Calumet River East Branch) とも呼ばれ、インディアナ州ラポート郡 (LaPorte County) のニュー・ダラム・タウンシップ (New Durham Township) のホームズビル (Holmesville) のすぐ東で始まり、チェスタートン (Chesterton), ポーター (Porter)、そしてバーンズ・ハーバー (Burns Harbor) を通り抜けて流れ、ここで、「ポート・オブ・インディアナ - バーンズ水路」 (Port of Indiana-Burns Waterway) と接続する。これは全部で 22 マイル (55 km) の長さがある。これは、イリノイ州まで、リトル・キャルメット川として西に進んでいたが、 1926 年のバーンズ水路 (Burns Waterway) の建設によりミシガン湖に流れを転換した。

1940 年代末、あるいは 1950 年代始めのある頃まで、リトル・カルメット川は下水でひどく汚染されており、川で生息する唯一の魚は鯉であった。春の激しい雨の最中に、川はしばしば隣接する地域にあふれた。

リトル・キャルメット川は 1990 年以来、米国陸軍工兵隊のシカゴ地区により、 $20000万の洪水制御・リクリエーション・プロジェクトの建設が実施されている。プロジェクトは 2013 年に完成予定である。プロジェクトに含まれるものは： 22 マイル (35 km) の堤防 (levee) と洪水壁 (floodwall)、ハート・ディッチ (Hart Ditch) の制御構造、そして、ほとんど 17 マイル (22 km) のハイキング道 (hiking trails) である。付け加えると、7 マイル (11 km) の川の水路を移転して、水を流れやすくして、ハイウェイの橋を作り直して、水の流れを妨害しないようにする。洪水警告システムも実装される。完成すると、プロジェクトが守るのは：インディアナ州のゲーリー (Gary)、グリフィス (Griffith)、ハイランド (Highland)、ハモンド (Hammond) とマンスター (Munster) の 9500 軒以上の家庭と事業で、毎年 $1100万近くの洪水被害を防止する。 2008 年 15 日に、ハリケーン・アイク (Hurricane Ike) の残骸 (remnant) が激しい雨をもたらし、これがリトル・カルメット川の流域にあふれた。北マンスター (Munster) と南ハモンド (Hammond) の家屋と (小型の) ショッピングセンター (strip mall) は避難した。何百もの家庭が洪水により被害を受けた。最近、マンスター (Munster) のノースコート・アベニュー (Northcote Avenue) に沿った新しい堤防が建設されることになり、更なる洪水から住民を守ることになる。

キャル - サグ水路 (Cal-Sag Channel、キャルメット・サガナッシュキー水路 ("Calumet-Saganashkee Channel") の短縮) はイリノイ州、クック郡南 (southern Cook County) の航行運河である。これは、リトル・キャルメット川とシカゴ衛生・船舶運河の間の水路の務めを果たす。これは長さが 16 マイル (26 km) で、1911 年から 1922 年までの 11 年間に掘削された。

キャル - サグ水路 (Cal-Sag Channel) が任務を負うハシケ交通は：シカゴ市のはるか南の近隣 (neiborhood) と隣接する近隣の重産業の活性領域におけるものである。 2006 年現在、これはクック郡南 (southern Cook County) から、イリノイ水路への排水 -- シカゴ地区のディープ・トンネル・プロジェクトを含め -- の水路 (conduit) としても、もっと使用されている。これは夏にはプレジャー船舶にも使用されている。

水路の西の 4.5 マイル (7.3 km) はパロス・ヒルズ森林保護地区 (Palos Hills Forest Preserves) -- クック郡 (Cook County) の森林保護管区 (Forest Preserve District) が運営する広い緑地 (parkland) -- を通り抜けて流れている。

キャル - サグ水路 (Cal-Sag Channel) は 1959 年のパンアメリカン競技大会 (Pan American Games) の漕艇開催地 (rowing venue) としても任を果たした。

完成すればキャルメット - サグ・トレイル (Calumet-Sag Trail) -- 長さ 26 マイル (4 km) の緑道 (greenway) -- は水路の縁となり、シカゴ衛生・船舶運河から、バーナム緑道 (Burnham Greenway) まで伸びている。