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| 水門の空からの光景、西を向く | ワシントン湖船舶運河の全区間、1934 年完成 |
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Ballard Locks - Wikipedia
バラード水門： Google map
ハイラム M. チッテンデン水門 (Hiram M. Chittenden Locks) あるいは バラード水門 (Ballard Locks) は サーモン湾の西端にある水門の複合施設で、 シアトル市ワシントンのワシントン湖船舶運河にあり、 北はバラード近郊 (neighborhood of Ballard) と南はマグノリア (Magnolia) の間にある。
バラード水門は米国の他の水門よりも、より多くのボート交通を通し、 魚道 (fish ladder) と周辺の「カール S. イングリッシュ Jr 植物園」 (Carl S. English Jr. Botanical Garden) と共に年間 100 万人以上の人が訪れ、シアトルで 最高の観光の目玉になっている。 水門の建設はシアトルと周辺地域の地形を大いに変え、 ワシントン湖とユニオン湖の水位を 8.8 フィート (2.7 m) 下げ、 新しい水辺の土地を何マイルも追加し、川の流れを逆にして、 サーモン湾の東端の桟橋を高く、乾いた状態に残した。 水門は国の歴史登録財に登録され、 米国土木技術者学会 (American Society of Civil Engineers) の 「歴史的土木工学ランドマーク」 (Historic Civil Engineering Landmarks) である。
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| 水門の空からの光景、西を向く | ワシントン湖船舶運河の全区間、1934 年完成 |
早くも 1854 年に、ワシントン湖と ピュージェット湾 (Puget Sound) の間に航行可能な接続を建設する議論があり、 これは丸太、製材木材、そして完成した船を運ぶためであった。 13 年後に、米国海軍は運河プロジェクトを是認し、 これにはワシントン湖に海軍造船所を建設する計画が含まれていた。 1891 年、米国陸軍工兵隊 (US Army Corps of Engineers) は プロジェクトの計画を始めた。 少々の予備的工事が 1906 年に始まり、 5 年後に、 ハイラム M. チッテンデンの指揮の下に工事が本格的に始まった。 運河の計画と建設の遅れにより、米国海軍の ワシントン州ブレマートン (Bremerton) に ピュージェット湾海軍造船所 (Puget Sound Naval Shipyard) が建設されることになった。 この施設はシアトルとは湾 (Sound) の反対側にあった。
1909 年始めに、ワシントン州議会 (Washington State Legislature) は $250,000 を割り当て、 ユニオン湖とワシントン湖の間の運河の掘削のために工兵隊の制御下においた。 1910 年に、米国国会は、ルート沿いの運河建設が地元で支払われることの条件下で、 水門を承認した。 建設は次に法廷闘争により遅れた： 理由は、主にバラード (Ballard) のミル (mill、水車工場) の所有者で、資産の被害と サーモン湾の水辺がなくなることを恐れた、 そしてワシントン湖の資産の所有者であった。
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水門複合施設の建設設計図,見えるのは：色々な「防水囲い」が、
建設中の水門から水を排除、水門の断面図、周辺の建物の位置、 これには管理棟とキャバノー邸 (Cavanaugh House) が含まれる。 |
チッテンデン (Chittenden) シアトル地区司令官の代りである ジェームズ B. キャバノー少佐 (Major James B. Cavanaugh) の下で、 サーモン湾とシルショール湾 (Shilshole Bay) をつなぐバラード水門 (あるいは政府水門) の建設は 1911 年に始まり、更なる論争や法的な紛糾がなかった。 1912 年 7 月に、水門のゲートが始めて閉鎖され、 サーモン湾を塩水から真水に変えた。 最初の船は 1916 年 8 月 3 日に水門を通り抜けた。 1916 年 8 月 25 日にモンレイク (MontLake) の一時的なダムが破壊された。
続く 3 ヵ月の間に、ワシントン湖が排水され、水位が 8.8 フィート (2.7 m) 下がり、 1000 エイカー (400 ヘクタール) 以上の湿地に水がなくなり、 シーダー川 (Cedar River) の鮭の遡上 (salmon run) が切り離された。
シーダー川 (Cedar River) はワシントン湖に流れを変えて、水門操作に十分な水を提供した。 付け加えると、ホワイト川 (White River) はピュアラップ川 (Puyallup River) に流れを変えた。 シーダー川 (Cedar River) とホワイト川 (White River) は元々デュワミッシュ川 (Duwamish) に流れ、しばしば氾濫した。 川の流れが変わって巨大な低地が開発のために開かれたが、 デュワミッシュ川 (Duwamish) の鮭の遡上が途絶した。 この問題を修正するために、鮭の遡上が水門を通り抜けて回遊するように再導入された。 水門は公式に 1917 年 5 月 8 日にボート交通に開通した。 この時点までのプロジェクトの全経費は $350万 で、$250万 が連邦政府からのもので、 残りは地方政府からのものであった。
意図されたボート交通を可能にするために、3 基の橋が船舶運河で取り除かれた： ラトナ・アベニュー橋 (Latona Avenue)、 フリーモント橋 (Fremont)、 そしてストーン・ウェイ橋 (Stone Way) であった。 バラード橋と フリーモント橋 (Fremont Bridge) は 1917 年に完成し、 その次に 1919 年にユニバーシティ橋 (University Bridge)、 1925 年にモンレイク橋 (Montlake Bridge) が完成した。 ユニバーシティ橋 (University Bridge) は 1932 年に改良され、 1934 年にワシントン湖船舶運河プロジェクトが完成したと宣言された。
プロジェクトは一般的に成功であったが、問題がなかったわけではなかった。 塩水がユニオン湖に向けて上流に進入し始め、サイフォンと洗い流すシステムが必要になった。 シーダー川 (Cedar River) は湖と水門そしてシアトルの飲料水の主な源泉であったため、 時には、湖の水位を維持しながら、水門を操作するための適切な給水を維持することで問題があった。 逆に、幾つかの川の流れが変更されて、流域中で洪水が悪化した。 最後の問題は伐採により悪化し、嵐の最中に場合によっては、水門は水を単に流し出すために開放しなければ ならなかった。
水門と関連施設は 3 つの目的を任務にしている。
複合施設には 2 つの水門が含まれる： 30×150 フィート (9.10×45.7 m) (小) と 80×825 フィート (24×251 m) (大)。 複合施設には 235 フィート (72 m) のスピルウェイ (spillway、越流路) が含まれ、 6 つの 32×12 フィート (9.8×3.7 m) のゲートがあって水位制御の助けをする。 魚道 (fish ladder) が水門に組み込まれ、遡河性 (anadromous, 魚が産卵のために川をさかのぼる性質) の魚、特に鮭、の回遊のためにある。
敷地の造作にビジター・センターがあり、更には 「カール S. イングリッシュ Jr 植物園」 (Carl S. English Jr Botanical Garden) がある。
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| バラード水門と周辺の敷地 |
水門は、米国陸軍工兵隊 (US Army Corps of Engineers) により操作され、 正式に 1917 年 7 月 4 日に開通した。 もっとも、最初の船は 1916 年 8 月 3 日に通過した。 水門は、1906 年 4 月から 1908 年 9 月まで、工兵隊シアトル地区技術者であった、 米国陸軍少佐ハイラム M. チッテンデン (Hiram M Chittenden) にちなんで命名された。 水門は 1978 年に国の歴史登録財に追加された。
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真水の港であるワシントン湖とユニオン湖から ピュージェット湾. (Puget Sound) に 通過する船舶は開放された上流ゲート (図式の A) を通って、 水門の隔室に進入する。 下流ゲート (B) と廃水バルブ (D) が閉鎖される。 船は水門の係員 (lockwall attendant) により助けられ、 この人が船を係留し、隔室から排水する準備をする。
次に上流ゲート (A) と充満バルブ (C) (filling valve) が閉鎖され、 排水バルブ (D) が開放されて、水が重力により ピュージェット湾 (Puget Sound) に排出される。
水圧がゲートの両側で等しい時に、 下流ゲート (B) が開放されて、船舶が水門隔室を離れることを可能にする。
水門を遡上する時には行程を逆にする。
複合施設には 2 基の水門がある。 ボート交通が少ない時に、小さな水門を使用すれば、 夏の間の真水の節約になり、夏には湖に流入する水が少ない。 2 基の水門があれば、すべてのボート交通を邪魔せずに 1 つの水門を保守のために排水することが可能となる。 大きな水門はおよそ 2 週間排水され、通常は 11 月にある。 小さな水門はほゞ同じ期間排水され、通常は 3 月にある。
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建設後まもなくのチッテンデン水門、カール P.
イングリッシュ・ガーデン」 はまだ建設を開始 していない。挿入写真は近くの漁師のターミナル |
労働者が一年に一度の保守で小水門を清掃中、
隔室から水を抜けば、検査修理が可能となる。 清浄後、壁は塗装される。 |
水門は 760×80 フィート (232×24 m) の船舶を、 とても低い引き潮の時に、 ピュージェット湾 (Puget Sound) の水位から、 真水のサーモン湾の水位まで 10 - 15 分で持ち上げることができる。 水門はプレジャー・ボートと商用船舶の両方を処理し、 カヤック (Kayack)、 ベーリング海 (Bering Sea) から戻ってきた漁船、更には貨物船にまで及んでいる。 100万トン以上の、貨物、燃料、建設資材、海産物食品の製品が毎年水門を通り抜けている。
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| 1917 年 7 月 4 日に落成 | 大水門のボートとハシケ | 管制塔 |
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| ボートが小水門に進入 | 小水門で係留から離れる。 |
小さな水門の南にはスピルウェイ・ダム (spillway dam、越流路ダム) があり、 船舶運河と湖の真水の水位を調節するために使用される テインター・ゲート (tainter gate) がついている。 ダムのこのゲートは海抜 20 - 22 フィート (6.1 - 6.7 m) の 2 フィートの範囲で、 湖を維持するために放水したり、貯水したりする。 この湖の水位を維持することは、浮橋 (floating bridge)、係留施設、そして橋の下の船舶の頭上余地のために 必要である。
スピルウェイ (spillway, 越流路) のスモールト・フルーム (smolt flumes) は成長していない鮭が安全に下流に通過する助けになっている。 高い水位は夏の間に維持され、 リクリエーションのためと、更には、 干ばつに備えて湖を貯水池として動作するようにするためである。
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| スピルウェイ (越流堰) |
水門と隣接する
コモドア公園 (Commodore Park) |
過度の塩水がサーモン湾に進入することが許されると、 塩は真水の生態系 (ecosystem) にそのうち被害を与える。 これを防ぐために、大きな水門のすぐ上流 (水門の東) のベイシン (basin) が浚渫された。 より重い塩水はベイシンで沈殿しており、 パイプを通る排水が水門の下流域で排出される。 1975 年に、塩水の排水は修正されて、ベイシンからの塩水が魚道に迂回されるようになり、 魚道で散布器 (diffuser) を経由して、魚道の誘因水 (attraction water) に追加される； 以下を参照。
塩水の侵入を更に防ぐために、1966 年に蝶番のついたバリアが大きな水門のすぐ上流に設置された。 この中空な金属バリアーに空気を満たして、上向き位置のまゝにして重い塩水をブロックする。 喫水が深い船舶を収容するのに必要な場合は、このバリアーに水を入れて、隔室の底に沈める。
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年に一度の保守中の塩水バリアー
水は大水門の中から汲み出されている。 |
チッテンデン水門 (Chittenden Locks) の魚道は普通とは違っており -- 連邦政府による出版物ではユニークと言っている --、 塩水と真水が交わる所にある。 通常、魚道は全く真水の場所にある。
太平洋鮭 (pacific salmon) は遡河性 (anadromous) である； これらは湖、川 (river)、小川 (stream) -- あるいは現在では養殖場 -- で卵からかえり、 海に回遊して、生涯の終わりに真水に戻って産卵する。 水門が建設されるまでは、重要な鮭の遡上 (salmon run) はここにはなかった。 というのは、ユニオン湖からサーモン湾には小さな排水の流れのみしかなかったからである。 水門を操作するのに十分な水を提供するために、シーダー川 (Cedar River) の流れをワシントン湖に変えた (ワシントン湖は 9 フィート低くなった)。 シーダー川 (Cedar River) は元々は南からのホワイト川 (White River) と共にデュワミッシュ川 (Duwamish River) に流れていた。 ホワイト川 (White River) の流れはピュアラップ川 (Puyallup River) に向きを変えた。 シーダー川 (Cedar River) とホワイト川 (White River) には随分と鮭の遡上 (Salmon run) があったが、 初期の定住者にははげしい洪水状態を作っていた。 これらの 2 つの大きな川の流れの変更には良いこともあり悪いこともあり (mixed blessing)、 洪水の恐れが少なくなった一方で、デュワミッシュ川 (Duwamish River) の鮭の遡上 (salmon runs) は大いに縮小した (decimated)。 この状態を修正 (rectify) するために、鮭の遡上 (salmon runs) が水門を通るようにルートを変更された。 これにはワシントン州ベイカー川 (Baker River) の備蓄 (stock) を使用する 紅鮭 (Sockeye Salmon) の 重要な鮭の遡上 (Salmon run) の導入が含まれていた。
魚道は誘因水 (attraction water) を使用するようにデザインされた； 新鮮な水が魚道の底から早く流れ出し、遡河性の魚 (anadromous fish) が生涯の終わりに回遊する方向と逆になっていた。 しかしながら、この魚道からの誘因水 (attraction water) は効果的ではなかった。 この代わり、大半の鮭は水門を使用した。これにより鮭は捕食者 (predator) の容易な標的となった； 更に多くは水門の壁とゲートにぶつかったり、ボートのスクリューに当たって負傷した。
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この写真では誘因水が 2 ヶ所で見える。
魚道の下の部分は散布器 (diffuser well) の周りをくねくね進む。 |
魚道の観察室 |
観察室の上の魚道の
一部分の上からの光景 |
工兵隊 (The Corps) は 1976 年に魚道を再建し、誘因水 (attraction water) の流れを増やし、堰をもっと追加した： 大半の堰は元々のものより、今や 1 フィート高い。 古い魚道は 10 ステップしかなかったが、新しいものは 21 ステップである。 散布器 (diffuser well) は塩水を最後の 10 段の堰に徐々に混ぜた。 再建の一部分として、工兵隊は観賞用の地下室 (underground chamber with viewing gallery) を追加した。
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魚道の横顔、実際の魚道は何回か 90度回転するが、この図式には反映されていない。このパンフレットは各堰の高さを
示している。最後の 3 つの堰はサーモン湾の水位に調節することができる。塩水は堰の散布器 (diffuse well) により、 真水に混ぜられる。このような堰はここではより暗い灰色で表示されている。魚道で最長の堰は観察室のある場所である。 |
魚道に近づく魚は誘因水 (attraction water) の臭いを嗅ぎ、 ワシントン湖とその支流の臭いに気が付く。 魚は魚道に入り、21 ヶ所の堰の各々を飛び越えるか、トンネルのような開口部を泳ぎ抜ける。 魚は魚道を離れて、サーモン湾の真水に入る。 魚は水路をたどって、生まれた湖、川 (river)、あるいは小川 (stream) に至る。 一旦、ここに至るとメスは卵を産み、オスは受精させる。大半の鮭は産卵後まもなく死亡する。
鮭の幼魚 (offspring) は若い鮭 (smolts) となって海洋に移住できるまで真水に残る。 数年後に生き延び成長した鮭が戻り、魚道を登って、産卵場所に到達し、生命のサイクルが継続する。 何百万匹の幼魚のうち、比較的少数が生き延びて成魚になる。死亡の原因は： 自然な捕食者 (predator)、 商的、及びスポーツの釣り、 病気、 川の水が少ない、 質の落ちる水、 洪水、 川や湖沿いの集中開発である。
水門への訪問者はルートに沿って進むと窓越しに鮭を見ることができる。 観察場所は年中開いているが、ピークの観察時期は産卵時期で、 およそ 7 月初めから、8 月中頃まで継続する 公的な芸術作品 -- 「シアトル芸術委員会」 (Sheattle Arts Commission) により依頼されたもの -- が、シアトルの詩人のジュディス・ロシュ (Judith Roche) の「サーモン・スーツ」 ("Salmon Suit") (毎年の魚の一連の回遊に結び付けられた一連の 5 編の詩) の録音を通じた体験の文学的解釈を提供している。 。
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米国政府のパンフレット 『ワシントン湖船舶運河魚道』の表紙は
水門の魚道を表示している。 |
チッテンデン水門 (Chittenden Locks) の魚道を通り抜けて定期的に回遊する鮭の種類には： キングサーモン (Chinook (king) salmon) (Oncorhynchus tshawytscha), 銀鮭 (Coho (silver) salmon) (Oncorhynchus kisutch), 紅鮭 (Sockeye (red) salmon) (Oncorhynchus nerka). 紅鮭は主にシーダー川 (Cedar River) をさかのぼって回遊して産卵し、 大半はランズバーグ・ダム孵化場 (Landsberg Dam Hatchery) で終える。 キングサーモンと銀鮭はイサクア川 (Issaquah Creek) をさかのぼって回遊し、 大半はイサクア孵化場 (Issaquah Hatchery) で終える。
ニジマス (Steelhead (Oncorhynchus mykiss)) は、かっては水門を通り抜けて回遊したが、 何年もの間全く見られなくなった。 鮭の遡上 (run) は機能的に絶滅したと思われている。