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Dock (maritime) - Wikipedia

船の大きさが巨大になる前は港の形態は現在とは随分違っていました。 そのような施設に、英国英語のドック (Dock) があります。 (フローティング・ドックと呼んでもよいかもしれない。) これは積み荷/積み下ろしをする船着き場のことで、 潮汐などの影響を受けずに、水位が一定になるように作られた施設で、 出入りには必ずゲート or 水門を通る必要がありました。

水位の変化を避けるために、日本の古い船着き場では 雁木 (階段状の船着き場) とよばれるものが使用されましたが、 英国のドックの方がずっと効率が高く、クレーン (手動 or 水力) の使用が可能であったと思われます。 恐らく、英国産業革命 (1750 年 - 1850 年) の時の英国国内の物流網は世界で最も効率が高く、 その効率の良い物流網を支えた要因の 1 つと思われます。もっとも船が巨大化するとドックは時代遅れになります。

ドック (dock、語源：オランダ語 dok) は 1 つもしくは 1 群の人造構造の間にある、 もしくは隣接する水域であって、ボートあるいは船の処理にかかわるもの (岸もしくはその近くにある)、 あるいはそのような構造自身の事である。 正確な意味は異なる英語の種類で違っている。

ドック (Dock) は造船所 (dockyard (also known as shipyard)) も意味し、 ここで、船の積み込み、積み下ろし、建造、あるいは修理が実施される。

カリブ海の シント・マールテン (St. Mararten) のクルーズ船のドック	ロシア、サンクトペテルブルク (St. Petersburg) のドック

部分的に後ろを埋め立てたドライドック、 以前の Valmet Vuosaari 造船所、 フィンランド,ヘルシンキ, ヴオサーリ (Vuosaari)	イングランド、 グロスターの小さな ドライ・ドック

最初の既知のドックは、 クフ王 (Pharaoh Khufu) の古代エジプトの港 (harbor) であるワジ・アル・ジャルフ (Wadi al-Jarf) で発見された、 BC 2500 年頃のもので、紅海 (Red Sea) の海岸にある。 考古学者はこの場所の近くに錨と貯蔵用の壺 (storage jars) も発見されている。

インドの ロータル (Lothal) のドックは BC 2400 年のもので、 ドロの堆積を避けるために本流 (main currect) から離れた場所にあった。 現代の海洋学者が観察することは、 古代の ハラッパー人 (Harappans) が常にコースを変えるサバルマティ川 (Sabaramati) にこのようなドックの建設を するためには、潮に関しての偉大な知識、 ひいては賞賛すべき水路学 (hydrography) と海洋工学 (maritime engineering) の 知識を持っていたことである。

想定されることはロータル (Lothal) の技術者は潮の動きとレンガで建設された構造への影響を 調べたことである、というのは壁がキルンで焼いたレンガ (kiln-burnt bricks) であるからである。 この知識は第 1 番目にロータル (Lothal) の場所の選択を可能としたものでもある。 というのは カンバート湾 (Gulf of Khambhat) は潮の振幅が最高で、 船は河口で潮の流れの中を押し流せるからである。 技術者は、平均して 21.8 m (71.5 フィート) の南北の腕と、 27 m (121 フィート) の腕を持つ台形構造を建設した。

英国英語では、ドックは閉鎖された水域 (enclosed area of water) で、 荷積みしたり、荷下ろししたり、あるいは船の修理をすることに使用される場所である。 このようなドックは既存の水域 (water space) を 閉鎖する港の壁 (harbour wall) を建設したり、乾いた土地を掘削して作られる。

水位が調節される特別な形式のドックの構造がある：

• ウェット・ドック (wet dock) あるいは閉鎖ドック (impounded dock) は 1 つの変種で、 ここでは水はドック・ゲート (dock gates) あるいは水門 (lock) により閉鎖され、 従って高い潮汐幅のある場所で、引き潮時に船を浮かせたままにすることを可能にしている。 ドックの水位は潮の満ち引きにもかかわらず維持されている。 これにより荷の移動が易しくなる。 これは、水位を制御し、船の通過を可能にする水門のように動作する。 世界で最初の閉鎖されたウェット・ドック (enclosed wet dock) -- 潮の状態にもかかわらず一定の水位を維持する水門ゲートを持つもの -- はテムズ川のハウランド・グレート・ドック (Howland Great Dock) で、1703 年に建造された。 このドックは単に木々で囲まれた停泊場所 (haven) であり、荷揚げ施設がなかった。 世界で最初の商用の閉鎖されたウェット・ドックで、 波止場 (quay) と荷揚げ倉庫のあるものは、 リバプールのオールド・ドック (Old Dock) で、 1715 年に建設され、100 隻までの船を収容した。 このドックは船の待ち時間を縮小し、ターンアラウンド (turnaround、寄港してから出発までの時間) を素早くし、 荷の処理能力 (throughput) を随分改良した。
• ドライドック (drydock) は別の変種で、 これもドック・ゲート (dock gate) があり、 水を抜いて、船の水面下の部分を調べ、保守をすることを可能にする。
• フローティング・ドライ・ドック (floating dry dock) (時には単にフローティング・ドック (floating dock、浮きドック)) は沈めることができる構造で、船を水面上に持ち上げて、 地上施設が可能でない場所でドライドックをすることが可能となる。

水位が制御されていない場所で、停泊場所の可能性は：

• フローティング (Floating)、船が浮くための十分な水があること、
• NAABSA (Not Always Afloat But Safely Aground、常に浮いているわけでないが安全に接地する)、 引き潮時に、船の底が地面に着くもの、 NAABSA の施設を利用する船はこのためにデザインしなければならない。

造船所 (dockyard (or shipyard)) は 1 つ以上のドック (dock) から構成され、 通常他の施設もある。

米国英語では、ドックは技術的には 桟橋 (pier)、あるいは波止場 (wharf)、 人々がのることができる水中の任意の人造構造と同義である。 しかしながら現代の用途では、 桟橋は、一般に元々は例えば海産食品の処理や荷積みを目的とした産業用途、あるいはもっと最近ではクルーズ船のための 構造を言及するのに使用され、 ドックはそれ以外のすべてに修飾語を伴って使用され、 例えば、フェリー・ドック (ferry dock)、スイミング・ドック (swimming dock)、 鉱石ドック (ord dock) 等がある。 しかしながら、桟橋は浜辺から海 (ocean) に突き出た木造、あるいは金属の構造を言及するのに普通使用され、 大抵の場合、ボートを使用せずに海での釣りの便宜を図るものに使用される。

米国英語では、(2 つの) 桟橋 (pier) の間の水域を示す用語は "スリップ" (slip) である。

カナダと米国のコッテージ・カントリー (cottage country) で、 ドック (dock) は水の上に建設された木造のプラットフォーム (platform) で、 一方の端が岸に固定されたものである。 このプラットフォームは小さなボートに乗船したり、ボートから荷揚げするのに使用される。

シカゴ、ミシガン湖の ボート・ドック	サンフランシスコ湾に沿った ドック、カリフォルニア州 ティブロン (Tiburon)	フローティング・ドック モホンク・マウンテン・ハウス (Mohonk Mountain House)

• ドライ・ドック (Dry dock)、 狭いベイシン (basin) で、水を入れて抜くと、船を乾燥したプラットフォームに安置できる。
• フェリー・スリップ (Ferry slip)、 フェリーボートを受け入れる特別な接岸施設 (docking facility)
• フローティング・ドック (閉鎖域) (Floating dock (impound))、
• フローティング・ドック (突堤) (Floating dock (jetty))、 水の上の歩行路、ポントゥーン (pontoon) で浮いている。
• 港 (Harbor)
• 突堤 (Jetty)、上陸場所 (landing sage) あるいは小さな桟橋 (pier)、ここでボートを接岸したり停泊できる。
• マリーナ (Marina)、 ボート・ベイシン、小さな船舶に接岸場所 (dockage) と他のサービスを提供する。
• 防波堤 (Mole (architecture))
• 桟橋 (Pier)、水上に持ち上げられた歩行路、広く広がった杭 (pilings) と橋脚 (pillars) で支えられる。
• ポントゥーン (Pontoon (boat))、浮く装置 (buoyant device)、ドックや浮橋 (floating bridge) を支えるのに使用される。
• 岸壁 (Quay)、コンクリート、石、あるいは金属のプラットフォームで、 船の荷積みと荷下ろしのために、そばにあるか水に突き出ている。
• スリップウェー (Slipway)、 岸にある坂道 (ramp) で、これにより船やボートが水中に、あるいは水中から移動させるためのもの。
• 波止場 (Wharf)、固定したプラットフォームで、通常、杭の上にあり、ここで船の荷揚げと荷下ろしがされる。