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Horseshoe Curve (Pennsylvania) - Wikipedia

ホースシュー・カーブ： Google map

ホースシュー・カーブ (Horseshoe Curve, 蹄鉄カーブ) はペンシルバニア州 ブレア郡 (Blair County) にある ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern Railway) の ピッツバーグ線 (Pittsburgh Line) にある 3 軌道の鉄道カーブである。 カーブ自身はおよそ長さ 2,375 フィート (700 m)、 直径 1,300 フィート (400 m) である。 これは ペンシルバニア鉄道 (Pennsylvania Railroad) が アレゲーニー山脈の頂上への傾きを低減する途上で、 1854 年に完成したものである。 これは最終的に、時間を浪費する アレゲーニー・ポーテッジ鉄道の代りになり、 後者は大きな車両が山脈を越える他の唯一のルートであった。

ホースシュー・カーブの オルソ写真 (orthophoto) カーブを反時計回りに向かう車両は上昇する。 ビジター・センターと観察公園はカーブの頂点 にあり、カーブが張り渡す谷に貯水池がある。	ペンシルバニア州における位置

路線は開通以来重要で、第二次世界大戦中には、 このカーブは 1942 年にパストリアス作戦 (Operation Pastorius) の一部分としてナチ・ドイツ (Nazi Germany) により目標にされた。 このカーブを後に所有・使用したのは： それぞれ ペンシルバニア鉄道の後継者である ペン・セントラル鉄道 (Penn Central)、 コンレール (Conrail)、 そして ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) であった。 ホースシュー・カーブは 国の歴史登録財 (National Register of Historic Places) に追加され、 1966 年には国の歴史的ランドマーク (National Historic Landmark) に指定され、 2004 年には国内歴史的土木工学ランドマーク (National HIstoric Civil Engineering Landmark) になった。

ホースシュー・カーブは長い間、 観光の名所 (tourist attraction) で、 軌道脇の観察公園 (observation park) が 1879 年に完成した。 1990 年代始めに、公園は改装され、ビジター・センターが建設された。 アルトゥーナ (Altoona) の鉄道員記念博物館 (Railroader Memorial Museum) がセンターを 管理し、センターにはカーブに関連する展示がある。

ホースシュー・カーブ (Horseshoe Curve) はペンシルバニア州の ピッツバーグと ハリスバーグ (Harrisburg) の間のピッツバーグ線 (Pittsburg Line) にあり、 この路線は ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern Railway) のピッツバーグ線区 (Pittsburg Division) の本線 (main line) である。 西向きの列車は アルトゥーナ (Altoona) からガリツィン (Gallitzin) への 12 マイル (19 km) を 最高 1.85 パーセントの勾配を登る； ガリツィン・トンネル (Gallitzin Tunnels) のすぐ西で、列車は アレゲーニー山脈の頂上を通過し、 次に ジョンズタウン (Johnstown) までの 25 マイルを 1.1% 以下の傾きで下る。

ホースシュー・カーブの周りの領域の 地形地図 (topographic map)

カーブは ブレア郡 (Blair County) のローガン・タウンシップ (Logan Township) の アルトゥーナ (Altoona) の 5 マイル (8 km) 西の 鉄道マイルポスト 242 の場所にある。 「ブレア郡復員軍人記念ハイウェイ」 (Blair County Veterans Memorial Highway) (SR 4008) は アルトゥーナの西の谷とカーブの下のトンネルを追っている。 ホースシュー・カーブはダムと湖の周りをまわる。 この湖は谷に沿った 3 基の貯水池 -- アルトゥーナ水道局に所有され、市に給水している -- の中で最高位置にある。 ホースシュー・カーブは小川 (creek) で形成された 2 つの峡谷 (ravine) をわたる； 谷間 (valley) の北側のキタニング・ラン (Kittanning Run, ラン=小川) と 南のグレンホワイト・ラン (Glenwhite Run) である。

100 フィート (30 m) 毎にホースシュー・カーブの軌道は 9 度 15 分曲がり、 全体のカーブは 220 度になる。 カーブは長さ 2,375 フィート (724 m) で、最も広い所で幅 1,300 フィート (400 m) である。 ホースシュー・カーブは南側のおよそ 1,640 フィート (500 m) の海抜から、 北の 1,600 フィート (490 m) に降下する。 カーブの傾きは ペンシルバニア鉄道 (Pennsylvania Railroad) により 1.45% と記載され、 現在は ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) により 1.34% と記載されている。

各軌道 (track) は 1 ヤードあたり 136 ポンド (67.5 kg/m) の溶接レールで構成され、 これは 2012 年現在のもので、2011 年に敷設されたものである。 ディーゼル化と ダイナミック・ブレーキ (dynamic braking) と レール潤滑装置 (rail oilers) の以前には、 カーブ沿いのレールを入れ替え -- 左を右に、及びその逆 -- て、 通過する蒸気機関車と鉄道列車のフランジによる各レールの摩耗を等化 (equalize) して、 寿命を延ばした。

1834 年に、ペンシルバニア州は 公共事業本線の一部分として アレゲーニー山脈を横断して、 アレゲーニー・ポーテッジ鉄道を建設し、 フィラデルフィアを ピッツバーグに接続した。 ポーテッジ鉄道は一連の運河とインクライン (inclined planes) で、 19 世紀中頃まで使用された。 ペンシルバニア鉄道は 1847 年に法人化され、 ハリスバーグから ピッツバーグまで鉄道を建設し、 面倒なポーテッジ鉄道の代りになった。

1842 年に完成した測量を使用して、 州の技術者達が勧告したルートはルイスタウン (Lewistown) から西のルートで、 84 マイル (135 km) で最大勾配が 0.852% で、尾根を追うものであった。 ペンシルバニア鉄道の主任技術者のジョン・エドガー・トムソン (John Edgar Thomson) は、 この代わりに ジュニアータ川 (Juniata River) に沿った より低く、平坦な地形のルードを選び、この結果 アルトゥーナの西で、より険しい勾配を受け入れた。 アルトゥーナの西の谷間 (valley) は 1 つの山により 2 つの峡谷 (ravine) に分割していた； 測量はガリツィン (Gallitzin) から東で、谷間の南側に至る許容できる傾きのルートをすでに見つけており、 ホースシュー・カーブにより アルトゥーナに継続する同じ傾きを許容した。 技術者達は上昇中に遭遇した、 キタニング・ラン (Kittanning Run、run = 小川) により形成された最初の峡谷 (ravine) を 越えるための盛土 (earth fill) を建設し、峡谷の間の山の地点を切り裂き、 グレンホワイト・ラン (Glenwhite Run) により形成された第 2 の峡谷 (ravine) を埋めた。

ホースシュー・カーブの工事は 1850 年に始まり、 3 年以上かかった。 これは重装備なしに、"ピッケル、ショベル、馬、そしてドラッグ (drag、引きずる装置?) を持った" 労働者により実施された。 全路線は、ホースシュー・カーブを含め、 1854 年 2 月 15 日に開通した。 アルトゥーナと ジョンズタウンの間の 31.1 マイル (50.1 km) の軌道の全経費は、 $2,495,000 で、1 マイルあたり $80,225 ($49,850 /km) であった。 カーブの中の残りの山の部分は、1879 年に平坦にされ、 公園と観察地区 (observation area) -- 列車を見るために始めて建設された -- の建設を可能にした。 鉄道旅行の需要が増えると、3 番目の軌道が 1898 年にカーブに追加され、 4 番目が 2 年後に追加された。

4 つの軌道上の 4 編成の列車がペンシルバニア本線で、 カーブの近くを互いに通過する、1907 年頃	列車の立体絵葉書 (stereo card) の画像、1907 年頃

1860 年代から第二次世界大戦直前まで、 カーブの近くのキタニング・ポイント駅 (Kittanning Point station) まで乗車できた。 2 本の支線鉄道が 20 世紀始めに、ホースシュー・カーブで本線に接続された； 「キタニング・ラン鉄道」 (Kittaning Run) と 「グレン・ホワイト石炭&材木会社」 (Glen White Coal and Lumber Company) により所有された鉄道は 各々の小川の後を追って、近くの炭坑に至った。 ペンシルバニア鉄道はキタニング・ポイント駅 (Kittanning Point station) に空の ホッパー車 (hopper cars) を配送し、 ここで 2 つの鉄道は石炭を積載して返却した。 丘の中腹の側線が駅を横切って石炭架台 (coal trestle) を提供し、ここで 1900 年始めに列車は燃料と水を積載した。 ホースシュー・カーブの頂点に アルトゥーナ市のために貯水池が 1887 年に建設された； 第 2 の貯水池が、最初のものの下流に、1896 年に完成した。 第 3 の貯水池であるアルトゥーナ湖 (Lake Altoona) が 1913 年に完成した。 カーブに至るマカダム道路 (macadam road) が 1932 年に開通し、観光客がアクセスできるようになり、 土産物店が 1940 年に建設された。

ホースシュー・カーブは パンフレット、 カレンダー、 そしてそれ以外の宣伝用資料に描かれた； ペンシルバニア鉄道の株券はこの模様が描かれていた。 ペンシルバニア鉄道は 1890 年代に ライバルの ニューヨーク・セントラル鉄道 (New York Central Railroad) の "水面レベルのルート" (Water Level Route) と 対抗して、ホースシュー・カーブの景色で競争した。 カーブの起伏した縮小模型 (raised-relief, scale model) が 1893 年の シカゴ万博博覧会 (1893 World's Columbian Exposition) の ペンシルバニア鉄道の展示品の一部分に含まれていた。 ペンシルバニア鉄道の車掌は昼間の乗客にホースシュー・カーブを知らせるように言われている。 これは アムトラック (Amtrack) の列車でも継続する伝統である。

1934 年にカーブの外からのパノラマ、遠くにキタニング・ポイント駅 (Kittanning Point) が見える

第二次世界大戦中に、PRR は連合国の戦争遂行 (war effort) のために部隊と物資を運び、 ホースシュー・カーブは武装した護衛がついていた。 ナチ・ドイツ (Nazi Germany) の軍事諜報部門の Abwehr は コード名が パストリアス作戦 (Operation Pastorius) のプロジェクトの下に、米国の重要な産業資産を破壊する計画をした。 1942 年 6 月に、4 人の男が潜水艦で持ち込まれ、ロング・アイランドに上陸し、 ホースシュー・カーブ (Curve)、 ヘル・ゲート橋 (Hell Gate Bridge)、 アルコア (Alcoa) アルミ工場、 そしてオハイオ川の水門のような場所を破壊することを計画した。 破壊工作員となるはずの者 (woul-be saboteurs) は FBI によりすぐ捕まえられた、 これは一味の一人であるジョージ・ジョン・ダッシュ (George John Dasch) が出頭したからである。

ホースシュー・カーブ開通 100 年の 1954 年の祝賀の最中に、 夜間写真がシルバニア・エレクトリック・プロダクツ ( Sylvania Electric Products) により手配され、 6000 個のフラッシュ (flushbulb) とこの一帯を照明する 35 マイル (50 km) の電線を使用した。 このイベントは白熱電球 (incandescent light bulb) の 75 周年も記念した。 ペンシルバニア蒸気機関車 1361 が 1857 年 6 月 8 日にホースシュー・カーブの中の公園中央に置かれた。 これは 425 台の K4s-クラス・エンジンの一つで、 K4s クラスはカーブを定期的に往復した ペンシルバニア鉄道 (Pennsylvania Railroad) の 主要な乗客機関車であった。 ホースシュー・カーブは 国の歴史登録財 (National Register of Historic Places) に登録され、 1966 年 11 月 13 日に歴史的ランドマーク (National Historic Landmark) に指定された。 観察公園 (observation park) の操業は同じ年に、 アルトゥーナ市に移管された。 ペンシルバニア鉄道は 1968 年にニューヨーク・セントラル鉄道に合併した。 この合併は ペン・セントラル鉄道 (Penn Central) を作ったが破産して、 1976 年に連邦政府に引き継がれた。これは コンレール (Conrail) を作った合併の一部分であった。 ホースシュー・カーブの内側から 2 番目の軌道が 1981 年にコンレール (Conrail) によって取り除かれた。 K4s 1361 は修復のために取り除かれ、1985 年 9 月に可動状態となり、 昔の 「コンレール EMD GP9 ディーゼル - 電気機関車 7048」 (Conrail EMD GP9 diesel - electric locomotive 7048) と共に置き直され、 後者は ペンシルバニア鉄道の配色で再塗装されていた。

100 年祭祝賀の写真

1990 年 6 月に始まり、ホースシュー・カーブの公園は $580 の改修を受け、 資金繰りは： ペンシルバニア州輸送局 (Pennsylvania Department of Transportation) と 「アメリカ産業遺産プロジェクト」 (America's Industrial Heritage Project) を通じて、 国立公園局 (National Park Service) によっていた。 改修は 1992 年 4 月に完成し、新しいビジター・センター (visitor center) が開館した (dedicated)。 1999 年コンレール (Conrail) は CXX トランスポーテーション (CSX Transportation) と ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) に分割され、 ホースシュー・カーブは後者が獲得した。 ホースシュー・カーブは 1954 年の祝賀の敬意 (homage) として 150 周年記念の最中に、 花火と鉄道移動サーチライト (rail-borne searchlights) で照らされた。 これは 2004 年に 米国土木学会 (American Society of Civil Engineer) により 国内歴史的土木工学ランドマーク (National Historic Civil Engineering Landmark) に指定された。

列車の本数は 1940 年代にピークとなり、 一日に 50 編成以上の乗客列車と、多くの貨物列車、軍用列車があった。 列車移動の需要は第二次世界大戦中に随分と減少し、道路移動と航空移動の人気が出た。 カーブは ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) のピッツバーグ線 (Pittburgh Line) の一部分として、なお繁忙で」、 2008 年現在、毎日 51 編成の貨物列車が通過し、 これには普通列車 (locals) と 補助機関車 (helper engines) を含めない、 後者を含めれば数値は倍になる。 3000 馬力 (2,200 kW) の現在の EMD SD70 ACU 補助機関車は長編成列車の後部に取り付けられ、 上昇時の動力と下降時のブレーキの補助をする。 (2020 年より前には、NS は補助機関車として SD40E を使用した。) 2012 年の ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) の軌道チャートはホースシュー・カーブを通過する年間交通密度 (機関車を含む) を 11180万米トン (101.4 Mt) と記録している。 ピッツバーグとニューヨーク市の間の アムトラックのペンシルベニアン (Pennsylvanian) は 毎日双方向に一度、カーブを曲がる。 ホースシュー・カーブにおける列車の平均速度は時速 30 マイル (48 km/h) で、 客車ではおよそ時速 41 マイル (66 km/h) である。

3 編成の ノーフォーク・サザン鉄道の貨物列車が カーブで互いに通過する、2006 年

アルトゥーナ (Altoona) の 鉄道員記念博物館 (Railroader Memorial Museum) は カーブに隣接するビジター・センターを管理している。 6,800 平方フィート (632m²) のセンターにはカーブに関連する 歴史的人工物 (artifact) と記念品 (memorabilia)、 そして アルトゥーナ - ジョーンズタウン地区 (Altoona - Johnstown area) の 起伏地図 (raised - relief map) がある。 カーブへのアクセスは 288 フィート (88 m) のケーブルカー (funicular) あるいは 194 段の階段である。 ケーブルカーは単線 (single-tracked) で、坂を半分上昇した場所で互いにすれ違う； 車両は ペンシルバニア鉄道の客車に似せて塗装されている。 機関車と共に、以前の 「見張りの小屋」 ("watchman's shanty") が公園にある。 ホースシュー・カーブは鉄道ファンには人気があり、 とりわけ見物人は 3 編成の列車の同時通過を見る可能性があるからである。 ノーフォーク・サザン鉄道 (Norfolk Southern) の 21 世紀の蒸気プログラムの一部分として ニッケル・プレート・ロード (Nickel Plate Road) の 蒸気機関車 No. 765 が 2012 年 8 月にホースシュー・カーブを通り抜けた。 1977 年以来、これを実行した最初の蒸気機関車で、 ハリスバーグへの、そして ハリスバーグからの回送中のことであった。 ニッケル・プレート 765 (Nickel Plate 765) はルイスタウン (Lewistown) からガリツィン (Gallitzin) への 公的貸し切り列車 (public excursion train) と共に 2013 年 5 月に カーブに戻ってきた。

カーブ内部の観察公園 (observation park) のパノラマ写真、 見張りの小屋 (watchman's shanty) (左)、機関車 7048 (中央)、ケーブルカー (右)、2011 年 10 月