公共事業本線 (Main Line of Public Works)

以下の話は運河時代から鉄道時代の移行期に作られた運河の話です。ここで登場するプレーン (plane) とは正確にはインクラインド・プレーン (inclined plane) と呼ばれるもので、最初は運河でボートの昇降に使用された斜面の事で、鉄道でも初期に使用された。 (詳細はインクラインを参照。)

公共事業本線はペンシルバニア州により 1826 年に制定した一括提案立法で、フィラデルフィアとピッツバーグの間で貨物輸送の方法を設立した。これは色々と長期間に提案された運河と道路の計画 ―― 大半はペンシルバニア州南部の運河システムで後に鉄道が追加された ―― の建設の資金繰りをした。これは 1826 年と 1834 年の間に建設され、ペンシルバニア運河システムとアレゲーニー・ポーテッジ鉄道を設立した。フィラデルフィアのデラウェア川をサスケハナ川に接続する 82 マイル (132 km) の運河が計画されたが、経費がかかり、後の修正により、新しい技術、鉄道がこの代わりになった。フィラデルフィアからピッツバーグに至るルートは運河と鉄道のつぎはぎであったが、 1850 年代にペンシルバニア鉄道が建設された。

アパラチア山脈越えの開拓はフレンチ・インディアン戦争 (1754 - 1763 年) の後年に本格的に始まった。戦後、英国政府は幾つかの合意を主にイロコイとかわし、この結果、中西部 (Mid-West) の植民地における開拓の拡張を抑止する公的な政策となった。これは、米国辺境に沿って、オハイオ・カントリーに移住を望む人々と産業革命前に景気が良くなった東海岸の人々による米国独立戦争支持の原因を与えた多くの英国の政策の 1 つであった。

米国独立戦争の終わりにかけて、 1779 年のサリバン遠征 (Sullivan Expedition) がイロコイの文明化 5 部族 (Five Civilized Nations) の力を破壊してから、サスケハナ峡谷下流から、ニューヨーク北部のエリー湖まで、開拓が実行可能となった。米国はオハイオ川から五大湖南部、ミネソタとウィスコンシンの西までのアパラチア山脈の領地を主張できた。

独立戦争が 1780 年代に終了するにつれ、多くの家族グループが西に移住し、散在する開拓地を設立したのは : ワイオミング・バレーの下流から、西部近接地 (near west) を横断し、後退する西の辺境と昔のオハイオ・カントリーの土地であった。

1800 年代初めに、移動する辺境に沿った新しい農場を、元の大西洋岸の市に結びつけたのは : 有料道路、運河、そして他の輸送インフラで、工事はほとんど私的資金あるいは地方政府により資金繰りされた。

1812 年の戦争は困難なエネルギー危機を深刻にし、イングランドのリバプールからの瀝青炭 (bituminous coal) の輸入は 1812 年の禁輸で停止した。フィラデルフィアの産業家は彼らの鋳造工場の燃料不足に対してなんらかの解決を要求し、年末までにスクールキル川をスクールキル運河に改良する立法が帳簿にのった。しかしこのプロジェクトは財源不足で、他の運河が先に建設された、これには 1820 年末のリーハイ運河と 1821 年のエリー運河があった。 1820 年代の中頃までに、運河計画と少々の鉄道がペンシルバニア州と他の北東の海岸州で、提案・組織化・認可、そして建設された。

1823 年にホワイト (White) がした提案は水路 (navigationa canal) の建設で、深いキール (keel, 竜骨) の付いた沿岸船 (deep keeled coastal ships) がドックに到達し、イーストン (Easton) までリーハイ運河を下ってくる石炭を積み込み・積み換えることを可能にするものであった。最初の 60 マイルはフィラデルフィア郊外の町であるブリストル (Bristol) まで下り、後にデラウェア運河となった。

産業家の従業員であるジョサイア・ホワイト (Josiah White) は 1812 年の戦争の最中に「岩石炭」 ("Rock Coal") を適切に燃やす方法を考案し、このような石炭資源を利用する重大な興味を新たにした。スクールキル水路の輸送力改善は支持者が進むべき最良の方法に関して言い争った時に望みに遅れをとった。うんざりしてホワイト (White) はプロジェクトに距離を置いた。ホワイトは 1815 年に石炭の源泉を探し、破産して信頼できない「リーハイ石炭鉱山会社」(Lehigh Coal Mine Company) の鉱山を見た。 (この会社は 1792 年の創立以来市場に供給できたよりも大量に、リーハイ運河を通して石炭を供給した。) 測量をして、リーハイ川の水路の改良が可能であると決定してから、この会社の操業をリースした。

2 年後、彼は「自己破産」して「リーハイ石炭鉱山会社」を整理する ("to ruin himself" fixing up the Lehigh) 法的権限を手に入れて、「リーハイ石炭 & 水路会社」 (Lehigh Coal & Navigation Company) を創設した。彼は 1818 年と 1820 年の間に自分がデザインした疑似水門 (quasi-lock) を使用し、工事で十分な改良を実施してから、1820 年に 365 トンの石炭をイーストン (Easton) に供給することができた。 1825 年までに、年間トン数は 28,000 米トン (25,000 トン) に上昇し、 2 人のやり手は無煙炭 (anthracite) を信頼できる廉価な燃料として確固に確立した。

2 年後、議会は、私的資金でリーハイ運河を建設したリーハイ石炭&水路会社 (LC&N, Lehigh Coal and Navigation Company) による別の提案を断った。 LC&N は疑いもなく、当時最も革新的な会社の 1 つで、ペンシルバニアの鉱山、輸送、産業を駆動した。これは実例と実施することによっており、そして更には相当数のプロジェクトの資金繰りをすることにもよっていた。新しい提案は ―― 会社の経費で ―― (概念では) やがてデラウェア運河となるもの (別の言葉ではペンシルバニア運河デラウェア運河区) の彼らのバージョンの建設であり、この運河は数年後に州の技術マネージャーにより建設された。ルートはほとんど同じであったが、州が建設したデラウェア運河は多くの無数の技術的欠陥があり、これには水門が短すぎる、あるいは一組になっておらず (単一、あるいは一方通行用で)、これは LC&N の経験と専門的技術が軽減したはずであった。 LC&N は石炭をフィラデルフィアに輸送し始め、石炭アーク (coal ark) と呼ばれる短く四角いずんぐりしたハシケを使用した。しかし 1822 - 1823 年にリーハイ運河の上流四基の水門をすでに改修中で、蒸気動力のタグボートが牽引する 120 フィート (37 m) 以上のボートを可能にし、完全水門 (full locks) により双方向交通を可能にすることになっていた。 1825 年までに、リーハイ&デラウェア運河を下ってフィラデルフィアに至る石炭の量は巨大となり、問題となりかかっていた。これはリーハイ運河用の一方向ボートの建設のために、 LC&N が森林を急速に伐採しすぎていたからであった。 60 マイルのイーストンーフィラデルフィアの曳舟道がないことによる余剰の出費は LC&N にとり損失が大きかった。州のデラウェア運河の試みは 1832 年の開通時には、予定よりも 5 年遅れ、稼働しなかった。州はジョサイア・ホワイト (Josiah White) を採用して、主な欠陥を修理しなければならず、次に操業するために LC&N の専門的知識を必要とした。 LC&N は 1930 年代まで両方の運河を運営することになり、1960 年代までリーハイ運河の権利を維持した。幾つかの問題は修理できたが、デラウェア運河の水門デザインは常に経費のかかる経済問題であったが、終に運河は公園用地となり、現在のプレジャーボートの天国となった。

ホワイト (White) とハザード (Hazard) の申し入れは通行料の代わり (break) であり、費用をかけてシステムを操業する申し入れ ―― 州がすべての通行料を集める ―― さえ含まれていた。この申し入れも断られた。 1827 年に別の修正法により、州はデラウェア運河を認可したが、これはもう数年遅れ、 LC&N に多くの出費が必要となった。終に、イーストン (Easton) からブリストル (Bristol) の間で、デラウェア川のそばに、一般に川が見える場所に運河が掘削された。運河が 1832 年に州によって完成したときに、これは稼働しなかった ―― 水漏れ問題と給水問題があり、ユニオン運河とスクールキル水路を苦しめたような問題であった。そこで州はジョサイア・ホワイトを採用して問題を修正する必要があり、 1834 年に完全に使用可能となった。リーハイ石炭&水路会社 (Lehigh Coal & Navigation Company) は 1930 年代まで、リーハイ川で獲得した資源と権利を支配し、最後に州に返却した。

従って、運河システムを思い描き、建設したのはニュージャージー州とペンシルバニア州の事業家の要請からであり、とりわけリーハイ川とスクールキル川の水路が改善する通商に対するフィラデルフィアの影響がある証言からであった。もっとも、1824 年にはどちらのシステムも更に開発することが必要になった。しかし、同じ意思決定者 (decision makers) は、エリー運河の前進につれ、その進捗状況・工事デザイン、達成あるいは建設された工学的偉業に関するおびただしい新聞報道も読んでいた。フィラデルフィアの指導者は、国の人口が西のオハイオ・カントリーと北西部領土に拡張するにつれ、他の海岸都市と張り合い、米国の最も重要で、影響のある港になろうとした。システムは新たに開かれた「南東石炭地区」 (Southeastern Coal Region) とパンサー川峡谷 (Panter Creek Valley) の最初の鉱山への、より良好なアクセスを開くのみならず、リーハイ運河上流のホワイト・ヘイブン (White Heaven) までの延長と、ワイオミング・バレー (Wyoming Valley) における石炭供給源と運河上流を接続する鉄道を認可した。東部プロジェクトのすべては、東部都市にクリーン燃焼 (clean-burning) の無煙炭を確実に提供することであった。東部都市では暖房燃料としての東部森林の大半を消耗し尽くしていたのである。

システムの鉄道部分は 1828 年ペンシルバニア州議会本会議 (Pennsylvania General Assembly) の法律により 1828 年に認可され、法律の標題は『ペンシルバニア運河に関する法律、且つ鉄道開始を提供する法律で、州の経費で建設しペンシルバニア鉄道と名付けること』 (1828 年 3 月 24 日の法律、法律論説 p. 221) (An act relative to the Pennsylvania Canal, and to provide for the commencement of a Railroad to be constructed at the expense of the state and to be styled "The Pennsylvania Railroad" (Act of March 24, 1828, Pamph. Laws, p. 221))

サスケハナ川とサスケハナ川のウェスト・フォーク (West Fork、西の分岐) 沿いの水路と、アレゲーニー山脈 (Allegheny Mountains) の北の障壁を越える最良のルートを求める測量で始まり、そのうちシステムは、デラウェア川河口のフィラデルフィアから西方に向かい、ペンシルバニア州南部の大平原 (great plain) を横断し (目的は運河を経由してサスケハナ川をニューヨーク市に接続すること)、ハリスバーグ (Harrisburg) を通り抜け、州を横断してピッツバーグに至り、ペンシルバニア運河の他の運河区と接続した。これは次の主な区間から構成され、東から西にわたる：

運河によりフィラデルフィアとピッツバーグの間の旅程が、少なくとも 23 日から、ちょうど 4 日に減った。

公共事業本線 (Main Line of Public Works) は 1834 年に完成し、 1857 年 6 月 25 日にペンシルバニア鉄道 (PRR, Pennsylvania Railroad) に $7,500,000 で売却された。 1 年以内に、PRR はフィラデルフィア - ピッツバーグのルートを完全にレールに基礎を置くシステムで置き換えた。

フィラデルフィア・コロンビア鉄道はフィラデルフィアで、ブロード・ストリート (Broad Street) とバイン・ストリート (Vine Street) の交差点で始まり、ブロード・ストリートを北に走り、ペンシルバニア・ストリートで西に走る (この区間は後にレディング鉄道 (Reading Railroad) に引き継がれ、トンネル化)、次に北西に向かい、スクールキル川をコロンビア橋で横断した。川を横断したすぐ後で、ベルモント・プレーン (Belmont Plane) ―― 現在のウェスト・フェアモント公園 (West Fairmont Park) の場所にあったインクライン (inclined plane) ―― を登り、西に進み続け、州の東端を横断してコロンビアに至り、コロンビア・プレーン (Columbia Plane) がサスケハナ川に向かって降下していた。ここで、運河の東部運河区が川に沿って北に向かい、次に西に向かった。

ノーザン・リバティー&ペン・タウンシップ鉄道 (Northern Liberties and Penn Township Railroad) は 1829 年に法人化され、ノーブル・ストリート (Noble Street) とウィロー・ストリート (Willow Street) の交差点で東に向かってデラウェア川に至る支線を建設することになった。これは 1834 年に開通した。

ベルモント・プレーン (Belmont Plane) はスクールキル川から、 2805 フィート (855 m) を走り、15 フィート (4.6 m) 毎に 1 フィート (0.3 m) 上昇し、全部で 187 フィート (53 m) 上昇した。蒸気駆動のケーブルがベルモンド丘陵 (Belmont Hills) の頂上まで、鉄道車両を牽引した。

このプレーン (Plane) は鉄道史でめざましいイベント (signal event) の場所であった。 1836 年 7 月 10 日に、フィラデルフィアに本拠地を置くノリス機関車工場 (Norris Locomotive Works) は 4-2-0 の機関車をインクラインで登坂させ、負荷を牽引しながら、上り坂を登坂した最初の蒸気機関車になった。 14,400 ポンド (6,500 kg) のエンジンは、ジョージ・ワシントン (George Washington) と命名され、 19,200 ポンド (8,709 kg) の負荷を牽引し、これには炭水車と一台の貨車に乗った 24 名の人々が含まれ、時速 15 マイル (24 km) で坂道を登った。この成果は非常に驚くべきことであったため、工学雑誌のレポートはこれが起きたことを疑った。 9 日後に機関車は、もっと公式な試みで、更に大きな負荷を付けて偉業を再度繰り返した。

1850 年に州はウェスト・フィラデルフィア鉄道 (West Philadelphia Railroad) を買収した。この会社はベルモント・プレーン (Belmont Plane) を迂回するために 1935 年に法人化されたが、 52 番ストリート西 (52nd Street west) からローズモント (Rosemont) の本線に至る区間を完成したのみで、その後に倒産した。州は 52 番ストリート東 (52nd Street east) から中心部 (downtown) までの残りを建設したが、元々の計画とは違う配置で建設した。新しい路線は 1850 年 10 月 15 日に開業し、マーケット・ストリート橋 (Market Street Bridge) の西端で終了し、ここからシティー鉄道 (City Railroad) が東に継続した。古い路線は、スクールキル川からベルモント・プレーン (Belmont Plane) を登り、ロウワー・メリオン・タウンシップ (Lower Merion Township) の現在のモンゴメリー・アベニュー (Montgomery Avenue) のルートに沿ってアードモア (Ardmore) に至り、これは見捨てられた。

コロンビア橋 (Columbia Bridge) とその東の路線でブロード・ストリート (Broad Street) とバイン・ストリート (Vine Street) の交差点に至るものはフィラデルフィア&レディング鉄道 (P&RRR、Philadelphia and Reading Railroad) に、本線の一部分として売却された。レディング社 (Reading、[訳注: P&RRR の後継会社]) はノーザン・リバティー&ペン・タウンシップ鉄道 (Northern Liberties and Penn Township Railroad) を 1870 年に獲得し、デラウェア川にアクセスできるようになった。

古いフィラデルフィア鉄道の区間で、フィラデルフィアの西からチェスター・カウンティ (Chester County) を通り抜け、延長してフィラデルフィアの西の郊外を通り抜ける区間は、なお本線 (Main Line) と呼ばれている。

コロンビア・プレーン (Columbia Plane) は鉄道車両をサスケハナ川沿いの東部運河区運河 (Eastern Division Canal) まで降下させたが、これは 1840 年に新軌道の配置で迂回された。

ペンシルバニア運河の東部運河区運河 (Eastern Division Canal) は 1833 年に開通し、サスケハナ川の東岸を、コロンビア (Columbia) とジュニアータ川の流出口 (mouth) にあるダンカンズ島 (Duncan's Island) の間で 43 マイルを走った。運河には 14 基の水門があり、平均落差は 7.5 フィート (2.3 m) である。州は元々、ミドルタウン (Middletown) のユニオン運河とジュニアータ (Juniata) の間を走る 24 マイルの運河を計画した。しかしこの計画は 1828 年に変更され、この時、州が選択したことは東部運河区 (Eastern Division) を 19 マイル (31 km) 更に南に延長して、歴史的な「ライトの渡し場」 (Wright's Ferry) で、新規に決定された「フィラデルフィア・コロンビア鉄道」 (Philaderphia and Columbia Railroad) による運河の代替と、接続することであった。

技術者達は東部運河区運河 (Eastern Division Canal) の北端で、厄介な問題に直面し、ここで東部運河区運河 (Eastern Division Canal) はジュニアータ運河区運河 (Juniata Division Canal) とサスケハナ運河区運河 (Susquehanna Division Canal) にダンカンズ島 (Duncan's Island) で合流した。ボートは西側のサスケハナ運河区 (Susquehanna Division) あるいはジュニアータ運河区 (Juniata Division) と東側の東部運河区 (Eastern Division) の間で、サスケハナ川の一方の側から、反対側に移動する必要があった。彼らは、長さ 1,998 フィート (609 m)、高さ 8.5 フィート (2.6 m) のダムを、ダンカンズ島 (Duncan's Island) の下流の端とサスケハナ川の東の堤防の間に建設することによって、この問題を解決した。これにより貯水池ができ、これを横切って、クラークの渡し場 (Clark's Ferry) の 2 層の木造曳舟道の橋からボートを牽引した。ダンカンズ島 (Duncan's Island) の二基のリフト水門はダムの貯水池と他の運河の間を行きかうボートを昇降した。

ジュニアータ運河区運河 (Juniata Division Canal) は分割して承認され、 1827 年に開始し、この時は運河はサスケハナ川のダンカンズ島 (Duncan's Island) から 40 マイル (64 km) 上流のルイスタウン (Lewistown) に至るまでであった。その後、州は運河をホリデーズバーグ (Hollidaysburg) とアレゲーニー・ポーテージ鉄道 (Allegheny Portage Railroad) の東端に延長することに同意し、ここはサスケハナ川から 127 マイル (204 km) であった。運河の全長で 584 フィート (178 m) の落差を克服するために、全部で 86 基の水門が必要で、運河は 1832 年に開通した。

運河のベイシン (basin、船溜まり) から、西に向かうボートは、その旅程を一基の水門によって 10 フィート (3 m) ほど上昇することで開始し、ここで木造水道橋の高さまで持ち上げられ、ジュニアータ川の南岸まで 600 フィート (183 m) を牽引された。サスケハナ川から 18 マイル (29 km) のノースズ島 (North's Island) で、ボートは水力駆動の連続ロープで、ダムでせき止められた停滞水域プール (slack water pool) を横断して川の北側に牽引された。ノースズ島 (North's Island) からハンティントン (Huntington) に至るまで、川は三ヶ所でせき止められて運河に給水され、ハンティントン (Huntington) より上流には、もう 14 ヶ所のダムが必要で、これにより 16 マイル (26 km) の停滞水域水路 (slack water navigation) が川に作られ、分割運河の 22 マイル (35 km) の旅程を補足した。付け加えると、州はジュニアータ川の支流に 3 ヶ所貯水池を建設し、運河の上流部分を水で満たした。

1.5 マイル (2.4 km) の運河区間が、ルイスタウン (Lewistown) の西 3 マイル (4.8 km) のローカスト・キャンプグラウンド (Locust Campground) の近くに復元されている。運河の西端にはホリデーズバーグ運河ベイシン公園 (Hollidaysburg Canal Basin Park) が 2つの運河ベイシンと接続水門を保存し、公園の博物館は、運河とアレゲーニー・ポーテージ鉄道の間の運河ボートの移動方法を説明している。

ペンシルバニア本線運河 (Pennsylvania Main Line Canal)、ジュニアータ運河区 (Juniata Division)、運河区間 (canal section) は 2002 年に国の歴史登録財 (National Register of Historic Places) に追加された。

アレゲーニー・ポーテージ鉄道を参照。

1834 年から、ペンシルバニア鉄道会社 (Pennsylvania Railroad Company) が競合する路線を完成する 1854 年に至るまで、アレゲーニー・ポーテージ鉄道 (Allegheny Portage Railroad) はジュニアータ運河区運河 (Juniata Division Canal) と西部運河区運河 (Western Division Canal) の間で、アレゲーニー山脈を越える連続的なボート交通を可能にした。これは 36 マイル (58 km) のルートをたどり、ここに含まれるのは 11 層の水平区間、固定エンジンを装備した 10 基のインクライン (inclined plane) ―― ボートと貨物を昇降 ――、リトル・コンモー川 (Little Conemaugh River) を越える 900 フィート (270 m) の高架橋、そして多くの橋がある。インフラには 153 基の放水路 (drain) とカルバート (culvert) がある。鉄道の上昇する高さは、東端のホリデーズバーグ (Hollidaysburg) の運河のベイシンからは 1,398 フィート (426 m)、西端のジョンズタウン (Johnstown) のベイシンからは 1,171 フィート (357 m) である。頂上では鉄道は海抜 2,322 フィート (708 m) の高さに到達する。

訳注

リリー・カルバートの上を通るのが、アレゲーニー・ポーテッジ鉄道。

1826 年に州議会は西部運河区運河 (Western Division Canal) の最初の部分 ―― ピッツバーグからアレゲーニー川 (Allegheney River) を遡上して、フリーポート (Freeport) におけるキスキミネタス川 (Kiskiminetas River) との合流点まで ―― を認可した。ピッツバーグの住民はアレゲーニー川 (Allegheney River) の南岸をたどってピッツバーグで終了するルートを好み、一方アレゲーニー自治市 (borough of Allegheney) の住民は川の反対側の自治市で終了する北岸運河を好んだ。結局、運河は物理的にもっと都合の良い北岸を走ったが、州はピッツバーグに主ターミナルと転回ベイシン (turning basin) を建設し、自治市に第二のターミナルと接続運河 ―― アレゲーニー水路 (Allegheney Outlet) ―― の建設をすることに同意した。本線運河 (main canal) がアレゲーニー川 (Allegheney River) を横断してピッツバーグに通すには 1,140 フィート (347 m) の水道橋が必要で、ペンシルバニア本線ルートで最長のものであった。ピッツバーグでのオハイオ川との接続で、西部運河区運河 (Western Division Canal) はピッツバーグのグランツ・ヒル (Grant's Hill, グラントの丘) の下を 810 フィート (250 m) のトンネルで通り抜けてモノンガヒラ川 (Monongahela River) とも接続した。

その後の西部運河区運河 (Western Division Canal) の延長はフリーポート (Freeport) からキスキミネタス川 (Kiskiminetas River) とコンモー川 (Conemaugh River) を遡上して、ブレアズヴィル (Blairsville) に至り、次にジョンズタウン (Johnstown) でアレゲーニー・ポーテージ鉄道 (Allegheney Portage Railroad) の西端に至った。タンネルトン (Tunnelton) の東で、ルートは 817 フィート (249 m) の運河トンネルを通り抜け、これはコンモー川 (Conemaugh River) の長いループを避けるために建設された。最初の完全積載した貨物ボートは 1831 年にジョンズタウン (Johnstown) からピッツバーグ (Pittsburgh) に進んだ；グランツ・ヒル (Grant's Hill, グラントの丘) を通り抜けるルートは 1832 年に開通した。 104 マイル (167 km) の全長で、運河が使用するのは： 68 基の水門、 16 基の河川ダム、 16 基の水道橋である。フリーポート (Freeport) からは別の延長 ―― キッタニング給水運河 (Kittanning Feeder) ―― が 14 マイル (23 km) 走り、アレゲーニー川 (Allegheney River) を遡上して、キッタニング (Kittanning) に至っている。

1889 年のジョンズタウンの洪水 (Johnstown Flood) は公共事業本線 (Main Line of Public Works) の一部分であるサウス・フォーク・ダム (South Fork Dam) の決壊 (failure) により引き起こされた。ペンシルバニア州ジョンズタウン (Johnstown) 上流の丘陵地帯にあるリトル・コンモー川 (Little Conemaugh River) の上流のダムは 2 平方マイル (5.2 km²) の貯水池を作っていた。コンモー湖 (Lake Conemaugh) とあだ名され、これは西部運河区運河 (Western Division Canal) に給水した。運河の交通が退潮した時に、湖とダムが見捨てられ、1857 年にペンシルバニア鉄道に売却された；鉄道は今度は私的事業 (private interest) に売却された。これらは 1879 年に、「サウス・フォーク釣りと狩猟クラブ」 (South Fork Fishing and Hunting Club) により購入され、私的なリゾートが湖のまわりに建設された。 1889 年 5 月 31 日に、激しい雨の後で、サウス・フォーク・ダム (South Fork Dam) が決壊し、 2000万トン (1820 万立方メートル) の水が峡谷を下り、ジョンズタウン (Johnstown) に押し寄せた。 2200 名の人々が亡くなった。

「トンネルが見える史跡」 (Tunnelview Historical Site) が示すのは、 1830 年に 817 フィート (249 m) の運河トンネルが建設された場所で、ブレアズヴィル (Blairsville) の西 10 マイル (16 km) にあるコンモー川 (Conemaugh River) の長い湾曲を避けるためにバウ尾根 (Bow Ridge) を通り抜けて建設された。ソルツバーグ運河公園 (Saltsburg Canal Park) は、ロイヤルハンナ川 (Loyalhanna Creek) がコンモー川 (Conemaugh River) に合流して、キスキミネタス川 (Kiskiminetas River) になる場所にあり、ソルツバーグ (Saltsburg) への運河の経済的貢献を認めている。

場所	座標	説明
フィラデルフィア (Philadelphia)	39°57′08″N 75°09′50″W	公共事業本線とコロンビア・フィラデルフィア鉄道の東のターミナルの都市
コロンビア (Columbia)	40°02′01″N 76°30′16″W	フィラデルフィア・コロンビア鉄道の西のターミナルと東部運河区運河の南のターミナルにある自治市 (borough)
ダンカンズ島 (Duncan's Island)	40°25′02″N 77°00′33″W	東部運河区運河の北のターミナルとジュニアータ運河区運河の東のターミナルにある島
ルイスタウン (Lewistown)	40°35′57″N 77°34′17″W	ジュニアータ運河区運河の西のターミナルとアレゲーニー・ポーテージ鉄道の東のターミナルにある自治市 (borough)
ホリデーズバーグ (Hollidaysburg)	40°25′38″N 78°23′20″W	ジュニアータ運河区運河の西のターミナルとアレゲーニー・ポーテージ鉄道の東のターミナルにある自治市 (borough)
ジョンズタウン (Johnstown)	40°19′36″N 78°55′19″W	アレゲーニー・ポーテージ鉄道の西のターミナルと西部運河区運河の東のターミナルにある市 (city)
ピッツバーグ (Pittsburgh)	40°26′26″N 79°59′45″W	公共事業本線と西部運河区運河の西のターミナルにある市 (city)
キッタニング (Kittanning)	40°48′59″N 79°31′19″W	キッタニング給水運河の北のターミナルにある自治市 (borough)

訳注

ルイスタウンは最初はジュニア―タ運河区運河の西のターミナルであったが、これがホリデーズバーグまで西に延伸されて、アレゲーニー・ポーテッジ鉄道に接続された。従って、上の記述は正確さを欠いているように思われる。


フィラデルフィア・コロンビア鉄道 (P&CRR) の倉庫 (1854 年)	ペンシルバニア鉄道の一部となったフィラデルフィアの鉄道。


ペンシルバニア本線運河、ジュニアータ運河区、2010 年 4 月


鉄道の下のリリー・カルバート (Lilly Culvert)	1828 年のピッツバーグの中心街の地図は市内とその近くのペンシルバニア運河のルートと市の 3 つの川への接続を示す。