領土境界線 (Line of Property)

土地の境界線は property line と呼ぶようで、この記事の標題は line of property なので、類似なものですが特別なものであることがわかります。これはスタンウィックス砦の条約 (1768 年)で決まった開拓者とインディアンの間の領土の境界線のことを意味します。

「領土境界線」 (Line of Property) はインディアンの領土を 13 植民地 (Thirteen Colonies) から分離する境界に与えられた一般的名称で、英国当局者とイロコイ部族 (複数) の間の 1768 年のスタンウィックス砦の条約 (Treaty of Fort Stanwix) で設立したものである。ペンシルバニア西部ではこれはパーチェス・ライン (Purchase line、買収境界) と呼ばれる。

訳注

地図の中に書き込まれている説明：

緑の線：1763 年の国王の布告 (1763 King's Proclamation)
点線：ハード・レイバーの条約 (Treaty of Hard Labor)
赤の線：スタンウィックス砦の境界線 (Fort Stanwix Boundary Line)

右の方に「植民地の土地」(Colonial Lands)、左の方に「インディアン土地」 (American Indian Lnads) と記述。

開始点はケンタッキー州パドゥーカ (Paducah、/pəˈduːkə/) で、テネシー川がオハイオ川に合流する場所である。境界はオハイオ川の南側の堤防をケンタッキー州のほとんど全長と、ウェスト・バージニア州を全てたどってピッツバーグに至る。ここで、アレゲーニー川 (Allegheny River) がモノンガヒラ川 (Monongahela River) と合流してオハイオ川になる。次に境界はアレゲーニー川を北にたどる。

ペンシルバニア州キタニング (Kittanning) からペンシルバニア州チェリー・ツリー (Cherry Tree) のサスケハナ川の西支流の最も近い分岐 (nearest fork) に至る直線に関しては、パーチェス・ライン (Purchase line) に関する記事を参照の事。

チェリー・ツリー (Cherry Tree) から、境界は西支流 (West Branch) の曲がりくねったコースを北に、次に北東に向かってペンシルバニア州クリア―フィールド (Clearfield) に至り、次に曲がりくねって、アレゲーニー川の深い峡谷を通り抜けて、ペンシルバニア州リノーボ (Renovo) を過ぎ、山脈を抜けて、ロック・ヘイブン (Lock Haven) のボールド・イーグル峡谷 (Bald Eagle Valley) に入り、東北東に向かって、ペンシルバニア州ジャージー・ショア (Jersey Shore) でパイン川 (Pine Creek) との合流点に至る。

境界の次の区間は確定することが困難である、というのは条約の "バーネッツ丘陵" ("Burnetts Hills") が明確に特定されていないからである。また、パイン川 (Pine Creek) の後を追う距離は、ましてや、この川のどの分岐を追うかも、明示されていない。

この区間ではっきりと特定できるのは、ペンシルバニア州モンロートン (Monroeton) からペンシルバニア州トウォンダ (Towanda) に至るトウォンダ川 (Towanda Creek) の最下流 (もっとも東の) 部分である。

ジャージー・ショア (Jersey Shore) からこの部分にかけては、2 つの競合する解釈がある。

最初の解釈 では境界はトウォンダ川 (Towanda Creek) の主な (西向きの) 支流の後を追うことが意図されており、この川はバークレー山 (Barclay Mountain) (これはエンドレス山脈 (Endless Mountains) の最北端の山脈を形成している) のとても顕著な北向きの壁のふもとに沿って東向きに走り、ペンシルバニア州カントン (Canton) からトウォンダ (Towanda) に至っている。

従って、問題はどのようにして境界を決めてジャージー・ショア (Jersey Shore) からトウォンダ川 (Towanda Creek) まで走らせるかである。この川 (Creek) はカントン (Canton) の南数マイルの分水嶺 (watershed divide) で北に曲がり、ペンシルバニア州タイオガ郡 (Tioga County)、ペンシルバニア州ブラッドフォード郡 (Bradford County)、ペンシルバニア州ライカミング郡 (Lycoming County) の間の 3 点がマークされる。最も有り得ることは、境界はトウォンダ川 (Towanda Creek) の源流に到達することを意図し、ライカミング川 (Lycoming Creek) の源流に沿い、これはバークレー山 (Barclay Mountain) のふもとに沿って南西に流れ、ペンシルバニア州ロアリング・ブランチ (Roaring Branch、地名) に至り、ここでロアリング・ブランチ (Roaring Branch、川) と接続し、後者はそれ自身ローレル丘 (Laurel Hill) のふもとに従って上流に進み、 US 15 のジャクソン・コーナーズ (Jackson Corners) の分水嶺からの方向と同じように登る。これは次にブロックハウス川 (Blockhouse Creek) の源流となり、この川は同じ方向に流れて、リトル・パイン川 (Little Pine Creek) に至り、ウォータービル (Waterville) のパイン川 (Pine Creek) に流れ込む；ここからパイン川はペンシルバニア州ジャージー・ショア (Jersey Shore) の西支流 (West Branch) に下る。

第二の解釈は主にライカミング郡 (Lycoming County) の「バーネットの尾根」 (Burnett's Ridge) の存在に基礎を置き、尾根は PA 14 の東にあり、ペンシルバニア州ラルストン (Ralston) の南の Bodines で始まり、東に走って、ペンシルバニア州サリバン郡 (Sullivan County) に入る；この高原 (Plateau) にシュレーダー川 (Schrader Creek) の源流があり、これはトウォンダ川 (Towanda Creek) の主な支流で、バークレー山 (Barclay Mountain) の南に流れる。境界は恐らくプレザント川 (Pleasant Stream) を遡上して、ペンシルバニア州マーシュ丘 (Marsh Hill) のライカミング川 (Lycoming Creek) から、サリバン郡 (Sullivan County) のウィーラービル (Wheelerville) の近くの分水嶺に至り、次にシュレーダー川 (Schrader Creek) を下る；これは「サスケハナ・ニューヨーク鉄道」 (Susquehanna and New York Railroad) が後に採用したルートで、サスケハナ川の 2 つの支流の間の最も容易で、最も直接的な歩行路である。

第二の解釈の困難さは境界がライカミング川 (Lycoming Creek) の後を追うことを要求され、この川はペンシルバニア州ウィリアムポート (Williamport) のすぐ西で西支流 (West Branch) に注ぎ、パイン川 (Pine Creek) に注がない。これによりライカミング (Lycoming) と"ティアダトン" ("Tiadaghton") を同一視することが必要となり、これは"ティアダトン" ("Tiadaghton") の名称の多くの記録された使用に矛盾する。従って、境界はパイン川 (Pine Creek) からサスケハナ川に出て数マイル下ってから、丘陵地帯に曲がった。

訳注

ライカミング川のサスケハナ川への流出口はパイン川の流出口の下流 (東側) にあり、どちらもサスケハナ川の北側にある。

1768 年のスケッチの地図はあいまいで、その形 (geometry) はとても貧弱であるが、第二の解釈に分があるようである。これはティアダトン (Tiadaghton) 《パイン・ツリー(Pine Tree)》と表示されたものの間の西支流 (West Branch) の区間を示しているようであり、実際は川から少々東に寄った境界線が追っている；これはライカミング川 (Lycoming Creek) のようである。

第二の解釈はインディアンにとって都合がよく、ジャージー・ショア (Jersey Shore) からウィリアムズポート (Williamsport) に至る峡谷の土地と、パイン川 (Pine Creek) 源流の狩猟場が彼らの部分に追加される。

トウォンダ (Towanda) からペンシルバニアの境界線 (Pennsylvania line) はサスケハナ川東支流を上流に追って、タイオガ・ポイント (Tioga Point) (現在のペンシルバニア州アセンズ (Athens)) を過ぎ、次に東に向いて、ニューヨーク州オウィーゴ (Owego) に至る。

オウィーゴ (Owego) から東の境界線の区間も問題がある、というのは交渉者の間違えた地形的言及があるからである。境界線はオウィーゴ (Owego) から東のデラウェア川に直線を辿り、川を遡上して、ニューヨークのシドニー (Sidney) のすぐ西で、ユナディラ川 (Unadilla River) とサスケハナ川の東支流の合流点の南の地点に至る。明らかに当時の測量はとても貧弱で、オウィーゴ川 / サスケハナ川 (Owego Creek / Susquehanna) の (北緯 42° 05' 41’’の) 合流点のオウィーゴ (Owego) から、東に向かう直線がユナディラ川 (Unadilla) の流出口から真っすぐ南に至る直線に到達する前にデラウェア川と交差しないことが実現されていない。 1768 年のスケッチ地図はデラウェア川をあまりに北に置き、投影された東西の線がハンコック (Hancock) における東支流 (East Branch) との合流点の下で交差しているように見えるが、ハンコック (Hancock) はオウィーゴ (Owego) より随分南の緯度にある。従って、ある時点で境界はニューヨーク州デポジット (Deposit) のオクアガ川/デラウェア川 (Oquaga Creek / Delaware River) の合流点 (北緯 42° 03' 27'') に調整されており、ここにデラウェア川西支流の大きな屈曲部の自然な角の地点になっている。有り得ることは、境界のこの部分は独立戦争 (Revolution) 前には測量されることがなく、その代わり南北線 (ニューヨーク州におけるタイオガ郡 (Tioga County) のタイオガ (Tioga) とオウィーゴ (Owego) の町の間の現代の境界) が、オウィーゴ (Owego) から北緯 42°の緯線近くの、ニューヨーク州 - ペンシルバニア州の境界に下ろされた。これは境界が 1786 年の後に測量された後のある時であり、デラウェア川が北緯 42°の緯線の近くのこの境界の最初のモニュメントから、数マイル上流 (北) に移動し、デポジット (Deposit) に到達した。

ユナディラ川 (Unadilla River) の流出口を通る境界は次に、デポジット (Deposit) から北向きを少し東に向けてまっすぐに引かれる。これはニューヨーク州ブルーム郡 (Broome County)、ニューヨーク州シェナンゴ郡 (Chenango County) (西側、あるいはインディアン側) とニューヨーク州デラウェア郡 (Delaware County) (東側、あるいは植民地側) の間の現代の境界である。

ユナディラ川 (Unadilla River) は次にニューヨーク州シェナンゴ郡 (Chenango County) (西) とニューヨーク州オツェゴ郡 (Otsego County) (東) の間の現代の境界を形成する；言及されている "Tienaderha の西支流" はユナディラ川 (Unadilla River) の西支流は現代の西支流 (これはニューヨーク州ブリッジウォーター (Bridgewater) に源流がある) ではなく、西に数マイルのビーバー川 (Beaver Creek) で、これはニューヨーク州ブルックフィールド (Brookfield) を通り抜けて、ニューヨーク州ニュー・ベルリン (New Berlin) の近くのユナディラ川 (Unadilla) で合流している；ビーバー川 (Beaver Creek) は US 20 に沿ったホビン・コーナーズ (Hobin Corners) の近くの、およそ 42° 55' 11" N, 75° 19' 01" W に源流がある。

境界はニューヨーク州イースト・ベローナ (East Verona) の近くの現代のニューヨーク州ローム (Rome) の西の明示された合流点 (43° 13' 33" N, 75° 32' 39" W) に向けて北西の方向に進む。ここはローム (Rome) の西数マイルで、スタンウィックス砦 (Fort Stanwix) は植民者に割り当てられた土地にある。境界は終に測量されたように、ニューヨーク州クリントン (Clinton) のすぐ西のカレッジ・ヒル (College Hill、カレッジ丘) のハミルトン・カレッジのキャンパスを通り抜けた、ここに 2 つの石の目印 (marker) がある。

最初の条項は事実上、現代のケンタッキー州とウェスト・バージニア州の大半をバージニア植民地 (Virginia colony) に割譲した。

これはユナディラ (Unadilla) の東で、チェリー峡谷 (Cherry Valley) の近くの以前の開拓地の境界の西にあるニューヨーク州の一部分も含んでいた。従って、イロコイが割譲したのは：ニューヨークでは小さな領域、ペンシルバニア州の大きな領域、実際は彼らがコントロールした地域の南にあった巨大な区画であった。


1768 年の領土境界線のガイ・ジョンソン (Guy Johnson) の地図の断片, バーネッツ丘陵 (Burnetts Hills) を中心にした部分	1768 年の領土境界線のガイ・ジョンソン (Guy Johnson) の地図の断片, オウィーゴ (Owego) を中心にした部分	1768 年の領土境界線のガイ・ジョンソン (Guy Johnson) の地図の標題部分