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Roman bridge - Wikipedia

古代ローマ人により建設されたローマの橋は、 建設された橋では、始めて大きく長続きのするものであった。 ローマの橋は石造で、基本構造としてアーチ (アーチ橋を参照) を使用した。 大半の橋はコンクリートも使用し、 これはローマ人が始めて橋に使用した。

スペイン、アルカンタラ橋、古代の橋建築の名作

ヴォールト及びドームと同様に、 ローマ人は橋の建設でアーチの可能性を完全に理解した最初の人々である。

技術者のコリン・オコナー (Colin O'Connor) によりまとめられたローマの橋に含まれるのは：　 交通用の 330 基のローマの石造橋、 34 基の木造橋、 54 基のローマの水道橋があり、 かなりの部分がなお健在で、車両を通すのにさえ使用されている。 イタリアの学者のヴィットリオ・ガリアッツォ (Vittorio Galliazzo) によるもっと完全な調査では 931 基のローマの橋が発見され、 大半は石造で、26 ヵ国もの多くの国にある (これには以前のユーゴスラビアが含まれる。 以下のテーブルを参照。)

ローマのアーチ橋は通常半円アーチであるが、少々は円弧アーチである (例えば アルコネタル橋 (Alconétar Bridge))。 円弧アーチは半円より小さなアーチである。 円弧アーチ橋の利点は下を通る洪水時の水の量が増えることで、 これにより、橋が洪水中に押し流されることが防止され、橋自身がもっと軽量になる。 一般に、ローマの橋は同じサイズ、同じ形のクサビ型をした基本のアーチ石 (せり石 (voussoirs)) の造作がある。 ローマ人は単一スパンの橋も、長い複数アーチの水道橋のどちらも建設し、 後者には ポン・デュ・ガール (Pont du Gard) とセゴビア水道橋 (Segovia Aqueduct) がある。 これらの橋は初期の頃以後、橋脚に洪水開口部 (flood openings) があり、 例えば、ローマの ファブリキウス橋 (Pons Fabricius) があり、 これは、なお世界で健在な最も古い重要な橋である。 ローマの技術者は産業革命に至るまで、コンクリートで橋を建設した最初で唯一の人々であり、 彼らはコンクリートのことを オプス・カエメンティキウム (opus caementicium) と呼んだ。 アルカンタラ橋 (Alcántara Bridge) のように、 外側は通常レンガか切り石で覆われていた。

イタリア、ローマの ファブリキウス橋	ドナウ川下流を横断する 平底船の橋 (pontoon bridge)

ローマ人は橋の建設に円弧アーチ橋も導入した。 南西トルコの長さ 330 m のリミラ橋 (Limyra Bridge) には 26 個の円弧アーチがあり、 [スパン：高さ] の平均比率が 5.3：1 で、 これにより橋に異常に平坦な外見が与えられ、1000 年以上も凌駕されることがなかった。 ドナウ川にかかるトラヤヌスの橋 (Trajan's Bridge) は木造の開放スパンドレル円弧アーチの造作があった。 (高さ 40 m のコンクリートの橋脚の上に立っていた。) これは全体の長さでも、個々のスパンの長さのどちらにおいても、1000 年以上もの間、 最長のアーチ橋であった。 一方で、最長の現存するローマの橋は長さ 790 m の メリダのプエンテ・ロマノ である。

カッパドキア (Cappadocia) にある後期ローマ時代の カラマーラ橋 (Karamagara Bridge) は 最も初期の現存する尖りアーチ橋 (pointed arch) かもしれない。

スペイン、メリダのプエンテ・ロマノ 全長が 792 m で、なお使用され、 最大の現存するローマの橋	イタリア、ポン・サン・マルタン橋 (Pont-Saint-Martin)

初期のローマのアーチ橋は、円が理想的な形であるという古代の考えに影響を受けて、 しばしば完全な円となり、 石のアーチが地下まで続いていた。 典型的な実例はローマのファブリキウス橋 (Pons Fabricius) である。 後に、ローマの石の橋は、大半が半円アーチに載り、 あるいはそれほど多くはないが円弧アーチに載った。 後者のデザインに関しては、初期の北東イタリアに局所的に集中しているが、 帝国全体中に散在しており、 リミラ橋、 アルコネタル橋、 及び、ポンテ・サン・ロレンツォが主な実例である。 付け加えると、幾つかの他の珍しいアーチの形式が登場し、 ある場合には、後世の変形を無視することができない。 古代後期の カラマーラ橋 (Karamagara Bridge) は尖りアーチを使用した初期の実例である。

• 多くは幅が 5 m 以上ある。
• 大半は少し傾斜している。
• 多くは飾り気がない仕上げである。
• 石細工は縦方向と横方向が交互にある、すなわち、 長方形の石の 1 つの層は長さ方向に敷かれ、 次の層は末端が外側に向いている。
• 石はあり継ぎ接続や金属棒で接続された。
• グリップ道具 (gripping tools) を固定するための石のくぼみ。

(情報源： Traianus -- 昔の ヒスパニア (Hispania) で建設されたローマの橋を特定する試み。)

橋を建設史、修理する経費はオープス・ポンティス (opus pontis ("bridge work")、橋の仕事) と呼ばれ、 複数の自治体の責任であった。 経費を分かち合うことは、ローマの橋が地域全体に属していることを示し、 その 1 つ (もしも橋が境界にあれば 2 つ) ではないことを示している。 ルシタニア (Lusitania) の アルカンタラ橋 (Alcántara Bridge) は、例えば、12 の地方自治体の経費で建設され、 自治体名が刻板に追加された。 後にローマ帝国では、 土地の地方領主たちは帝国に対して、オープス・ポンティス (opus pontis) のために少し支払う必要があった。 アングロ・サクソンはこの習慣を bricg-geworc で継続した。これはオープス・ポンティス (opus pontis) の逐語訳である。

アエミリウス橋 (Pons Aemilius) は、後に ポント・ロット (Ponte Rotto) (broken bridge、壊れた橋) と改名されたが、BC 142 年に建設され、 イタリア、ローマにある最古のローマの石造橋である。

最大のローマの橋は、ドナウ川下流にかかる トラヤヌスの橋 (Trajan's Bridge) で、 ダマスカスのアポロドーロス (Apollodorus of Damascus) により建設され、 1000 年以上もの間、全長でも、スパンの長さのどちらにおいても建造された最長の橋であった。 橋は、大半の時に、水面上少なくとも 2 m あった。

一時的な軍事用の橋の建設の実例は 2 基の シーザーのライン橋 (Caesar's Rhine bridges) であった。

ローマの技術者は石造橋、あるいは石造脚橋を彼らの インペリウム (Imperium) の全ての大きな川を横断して建設した。 但し 2 つの川は例外である：　 ユーフラテス川 (Euphrates) は競合するペルシャ帝国との辺境地帯にあり、 そしてナイル川 (Nile) で、これは世界最長の川で、1902 年になってようやく 英国の オールド・アスワンダム (Old Aswan Dam) によって橋渡しされた。

ローマ人によって、しっかりした橋で渡された最大の川はドナウ川とライン川で、 ユーラシア・ステップ (Eurasian Steppe) の西にある 2 つの最大のヨーロッパの川である。 下流のドナウ川を少なくとも 2 つの橋 (トラヤヌスの橋 (Trajan's Bridge)、 コンスタンティヌスの橋 (Constantine's Bridge)) が横断し、 中流及び下流のライン川は 4 つの異なる橋が横断する ( マインツのローマ橋 (Roman Bridge), シーザーのライン橋 (Caesar's Rhine bridges、複数), コブレンツのローマ橋 (Roman Bridge at Koblenz), ケルンのローマ橋 (Roman Bridge at Cologne))。 強い流れがある川と素早い軍の移動を可能にするために平底船の橋 (pontoon bridge) も日常的に採用された。 大きな川を横断する現代以前のしっかりした橋の記録が明確にないことから考えると、 ローマ人の偉業は 19 世紀に至るまで、世界中のどの場所でも凌駕されることがなかったようである。

ドイツ、 トリ―アのローマ橋 (Römerbrücke)	フランス、 アプト (Apt) の ジュリアン橋 (Pont Julien)	フランス、 ヴェゾン・ラ・ロメーヌのローマ橋

フランス、アンブロワ橋 (Pont Ambroix)	イタリア、ローマの サンタンジェロ橋 (Ponte Sant'Angelo)	イタリア、ローマの ミルヴィオ橋 (Pont Milvio)

イタリア、 ヴェローナ (Verona) ピエトラ橋 (Ponte Pietra)	イタリア、ローマの アエミリウス橋 (Pons Aemilius)	スペイン、 アルコネタル橋 (Puente de Alconétar)

トルコ、セルゲ (Selge) の エウリュメドン橋 (Eurymedon Bridge)	トルコ リミラ橋 (Limyra Bridge)	イタリア、 ヴァッレ・ダオスタ (Aosta Valley) の ポン・ド・ピエール (アオスタ(Aosta))	トルコ、セウェルス橋 (Severan Bridge)

スペインのカルダス・デ・レイスのベルマーニャ橋 (Bermaña Bridge、Caldas de Reis)