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Birmingham Canal Navigations - Wikipedia (バーミンガム運河水路網)

「バーミンガム運河水路網」(バーミンガム・カナル・ナビゲーションズ) の本線はできた当初には「バーミンガム運河」と呼ばれていましたが、 現在では「バーミンガム運河」(Birmingham Canal) と呼ばれる運河はありません。 バーミンガム・カナル・ナビゲーションズを「バーミンガム運河」と訳しているページがありますが、 これをすると困ることになります。それは「バーミンガム・カナル・ナビゲーションズ」が 「バーミンガム運河」と「バーミンガム・ファゼリー運河」の対等合併によってできた歴史的な経緯を無視することに なるためです。

なお、navigation は英国英語では通常は水路を意味し、河川水路 (river navigation) の形で使用します。 従って canal navigations は少し理解しにくい英語となりますが、 対等合併によって成立した歴史的経緯からこのような言葉を会社の名前にしたのだと思われます。

元々の文書では、説明不足となりそうな個所にはリンクが張ってありますが、 ここではリンク先の項目を翻訳できていないので、訳注として補足しています。 また理解の助けのために 以下の地図を参考にしてください。一つの地図にまとめなかったのは座標データが多すぎるため、 ブラウザーが不安定になる懸念があったためです。バーミンガム運河水路網はその最盛期にはとても巨大でした。 今日ではその一部が残っているのみです。

1. バーミンガム・ファゼリー運河の地図の kml ファイル
2. バーミンガム運河水路網の本線の北側の支線(バーミンガム・ファゼリーを除く) の地図の kml ファイル
3. バーミンガム運河水路網の本線と南側の支線の地図の kml ファイル

別々の地図にしてありますが、計算機にメモリーが十分搭載してあれば、Google Earth で kml ファイルを同時に表示できます。kml ファイルが Google Earth に関連付けしてあれば、 順番に kml ファイルを開くだけです。

バーミンガム運河水路網 (BCN) は バーミンガム、ウルヴァーハンプトンと ブラック・カントリーの東部を接続する運河のネットワークである。 BCN は幾つかのジャンクションで、イングランドのこれ以外の運河のシステムと接続されている。

最盛期には BCN は 160 マイル (257 km) の運河から構成されていたが、 今日では 100 マイル (160 km) をわずかに超える部分で航行が可能であり、 交通の大半は旅行者で居住可能なナロウ・ボートによっている。

バーミンガム中央部のガス・ストリート・ベイシンで
バーミンガム運河が開始する。

この場所で最初に建設された運河はバーミンガム運河で、 1768 年から 1772 年にかけて、 ジェームス・ブリンドリーの監督により建設された。 建設された区間は当時のバーミンガムの果てからのもので、 終点はニューホール・ワーフ (New Hall Whalf, 現在は別の建造物がある) と ガス・ストリート・ベイシンの近くのパラダイス・ワーフ (オールド・ワーフとも呼ぶ) であった。この運河はスタッフォードシャー・ウスターシャー運河と (ウルヴァーハンプトンの北の) アルダーズリーで接続することが目的であった。

バーミンガム・運河会社の事務所
パラダイス・ストリートに面している
後ろに旧船着き場 (オールド・ワーフ)

バーミンガム・ファゼリー運河がこれに続き、1784 年にバーミンガムからタムワース (Tamworth) まで建設されることとなり、直ちにバーミンガム運河会社は バーミンガム・ファゼリー運河と合併し、 元々はバーミンガム・バーミンガム・ファゼリー運河会社と呼ばれる会社を形成した。 手に余る名前は短命で、合併した会社はネットワークが拡大して、バーミンガム運河水路会社と 1794 年に 改名した。

BCN の運河網 (影の部分)
1864 年の歴史地図から

BCN は主に 3 つのレベル (水平区間) の上に建設されており、各々固有の貯水池がある。

• 海抜 453 フィート (138 m)、バーミンガム・レベル
• 海抜 473 フィート (144 m)、ウルヴァーハンプトン・レベル
• 海抜 408 フィート (124 m)、ウォルソール・レベル

これらのレベルはネットワークの色々な場所で水門により接続されている。

• ティットフォード運河 (Titford Canal) とその支線は、海抜 511 フィート (156 m) に建設され、 ティットフォード貯水池 (ティットフォード・プール) に接続されている。 給水線がエッジバストン (Edgebaston) 貯水池に水を供給している。
• BCN 旧本線の短いスメスィック頂上区間が海抜 491 フィート (150 m) に建設された。 両側にポンプが建設され、水門で使用した水を元に戻した。 一台がスポン・レーン水門に建設され、もう一台がスメスィック水門に建設された。 後者はスメスィック・エンジンと呼ばれた。 頂上区間があまりに混雑した時にジョン・スミートンは計画を立案し、 頂上区間を 18 フィート (5.5 m) 削り取り、ウルヴァーハンプトン・レベルにした。 これにより、水門 6 基が除去され、スメスィック側 (のみ) に平行な水門が提供され、 これにより全体の交通が改善した。これはまた、ウルヴァーハンプトン・レベルの給水線に接続された。

オールド・ターン・ジャンクションの方向標識
ここで BCN 本線がバーミンガム・ファゼリー運河と接続

• BCN 本線 (元々はバーミンガム運河と呼ばれた)、　 (ウルヴァーハンプトンの北の) アルダーズリー・ジャンクションから (バーミンガムの中心部のウスター・バーの) ガス・ストリート・ベイシンに至るまで、 旧本線の幾つかの部分を使用する。
  • 旧本線、　元々バーミンガムの終点は 2 つのワーフ (船着き場) -- オールド・ワーフ (ガス・ストリート・ベイシンに隣接) と ニューホール・ワーフ -- であったが、現在は別の建造物がある。
  • 新本線、　バーミンガム運河の変更ルート、 両側に 曳船道があり、掘割とトンネルを使用して、ほぼ直線を前進する
• ベントレー運河 (Bentley Canal), 　遺棄された。
• バーミンガム・ファゼリー運河 (Birmingham and Fazeley Canal)、　 ナショナル・インドア・アリーナ (National Indoor Arena) のそばの オールド・ターン・ジャンクションから 東に向かってコヴェントリー運河の ファゼリー・ジャンクションまでと、 ここから北西の橋 78 までの部分。
  • ディグベス支線運河 (Digbeth Branch Canal)
• ブラッドリー水門支線 (Bradeley Locks Branch)
  訳注： これはウォルソール運河から分岐する運河、現在は水がほとんど残っていない。
  Google map： ブラッドリー水門支線、　 地図を広げた時に南東から北西に向かう運河がウォルソール運河。ここから南西に分岐しているのが ブラッドリー水門支線。グーグルの地図ではこれもウォルソール運河としているがこれは間違い。
• ダドリー運河
  • バンブレ・ホール支線運河 (Bumble Hole Branch Canal), これはバイパス されているループの部分
  • ダドリー運河 No. 1 (Dudley Canal Line No. 1)、　
  • ダドリー運河 No. 2 (およそ半分に水がない) 　
  • 二層水門線 (ツー・ロック・ライン、Two Lock Line)、　埋め立てられた。
• エンジン・アーム (Engine Arm, エンジン小支線)
• ガウアー支線運河 (Gower Branch Canal),　ティビデール (Tividale) で 3 つの水門により、 バーミンガム・レベルとウルヴァーハンプトン・レベルを接続
• イクニールド・ポート・ループ (Icknield Port Loop)、　 旧本線の一部でテルフォードの改良よって分離された部分。 現在はエッジバストン貯水池の給水線の役割がある。
• ネザートン・トンネル支線運河、
  訳注： 元々、ダドリー運河は No. 1 の運河が BCN の旧本線に接続していたが、 ダドリー運河が BCN に合併後に BCN の新本線からダドリー運河 No. 2 へのショート・カットとして 作られたのがネザートン・トンネル支線。ダドリー運河の一部と考えることもできる。
• ラスホール運河 (Rushall Canal)、　
  訳注： BCN 本線の北側の運河で、ワイアリー・エシントン運河のダウ・エンド支線とテイム・バレー運河をつないでいる
• ソーホー・ループ、　 旧本線の一部でテルフォードの改良によって分離した部分で、ソーホー波止場までの支線 (ソーホー・ブランチ) があり、ソーホー・マニュファクトリーに貢献した。
  訳注： ソーホー・マニュファクトリーは 19 世紀中頃に取り壊されていますが、 場所ははっきりしています。現在はソーホー・ブランチの一部が残っているだけのようです。
  Google map： ソーホー・ループとソーホー・ブランチ、 ソーホー・マニュファクトリーのあった場所
• スポン・レーン水門支線 (Spon Lane Lock Branch)、　 旧本線上にあるブロムフォード・ジャンクションとスポンレーン・ジャンクションの間。 3 つの水門があり、元々のウェンズベリー運河の一部。スポン・レーン支線と混同してはならない。 スポン・レーン支線はティットフォード運河のタット・バンク支線 (Tat Bank Branch) の別名である。
  訳注： (1) ウェンズベリー・オールド運河が新本線に接続されており、これは元々ウェンズベリー運河であったことがすぐ下に書いてあります。
  (2) タット・バンク支線はティットフォード運河の支線で給水線までの部分。 現在は航行可能でなく給水線としての役目しかない。
  Google map： タット・バンク支線、　 南北の流れがティットフォード運河で、北東に分岐するのがタット・バンク支線。
• ティットフォード運河 (Titford Canal)、　
• テイム・バレー運河、　 後の運河は北部の蛇行部分を切り落とした。
• ウォルソール運河 (Wallsall Canal)、　 より現代的な運河で、本線とウォルソールを結び、 ワイアリー・エシントン運河と共に大きな北の循環ルート (Northern loop) を形成している。
  訳注： ウォルソール運河は新本線と直接接続していません。中間にウェンズベリー・オールド運河がある。
  • アンソン支線 (Anson Branch)
    訳注： 地図から判断する限りでは、現在ではアンソン支線はウォルソール運河とつながっていません。
    Google map： アンソン支線、　 東西方向にあるのがウォルソール運河、ここから北東に向かうのがアンソン支線。
  • ウォルソール支線運河 (Walsall Branch Canal)、タウン・ブランチとも呼ぶ。
• ウェンズベリー・オーク・ループ (Wednesbury Oak Loop)，　 元々の旧本線の一部、現在は不完全
  訳注： 現在は北半分しか残っていないので通り抜けが不可です。
  Google map： ウェンズベリー・オーク・ループ
• ウェンズベリー・オールド運河 (Wednesbury Old Canal)、 元々のウェンズベリー運河の一部
  • リッジエーカー支線 (Ridgeacre Branch)
    訳注： ウェンズベリー・オールド運河の本線が途中で北西の方に曲がる部分が現在残っていないので (痕跡は残っている)、 支線のように見えないのですが、現在直線状に残っている部分の先端部です。
    Google map： リッジエーカー支線
• ワイアリー・エシントン運河 (Wyrley and Essington Canal)、　1840 年にバーミンガム運河水路網に買収される。
  • アングルシー支線 (Anglesey Branch)
  • バーチルズ支線 (Birchills Branch)
    訳注： バーチルズ支線は少し不明なのですが、ウォルソール運河がワイアリー・エシントン運河に接続箇所は バーチルズ・ジャンクションと呼ばれ、このジャンクションはワイアリー・エシントン運河に属しています。 従って。このジャンクションからウォルソール運河に入る短い区間がバーチルズ支線かもしれません。 これはウォルソール運河の歴史で確認できます。
  • カノック延長支線 (Cannock Extension Branch)
  • ダウ・エンド支線 (Daw End Branch)
  • ロード・ヘイの支線 (Lord Hay's Branch or Lord Hays Branch)、　遺棄された
  訳注： ワイアリー・エシントン運河は現在残っている部分から更に東方に進み、 コヴェントリー運河と接続していた。従って、BCN がワイアリー・エシントン運河を 買収した時点で BCN はコヴェントリー運河と 2 箇所で接続していた。

• コヴェントリー運河、　 ファゼリー・ジャンクションで接続
• グランド・ユニオン運河、　 サルフォード・ジャンクションで接続し、 ボーデスリー・ジャンクション (元々はウォリック・バー) でも接続
• スタッフォードシャー・ウスターシャー運河、　 アルダーズリー・ジャンクションで接続
• スタウアーブリッジ運河
• ウスター・バーミンガム運河、　 BCN 本線のウスター・バーで接続、この場所はガス・ストリート・ベイシンのそば。 (ウスター・バーミンガム運河を) 南に向かうとウスターでセヴァーン川と接続

• チェースウォーター、　 ワイアリー・エシントン運河に給水
  訳注： チェースウォーターはアングルシー支線が接続している湖
• エッジバストン貯水池、　 元々ロットン・パーク貯水池と呼ばれ、 ティットフォード貯水池から給水し、 バーミンガムの新旧の本線に給水している。

• ジェームス・ブリンドリー (James Brindley)
• トーマス・ダドフォード (Thomas Dadford)
• ジョン・スミートン (John Smeaton)
• トーマス・テルフォード (Thomas Telford)
• ジェームス・ウォーカー (James Walker)

BCN 協会は 1968 年に結成された登録慈善団体 (登録番号 1091760) で、 これは BCN の多岐にわたる関心事を保存し、改良し、奨励することを目的としている。 協会は季刊誌 バウンダリー・ポスト (Boundary Post) を発行している。 1983 年から、BCN のほとんどのジャンクションに方向標識を設置している。